ふつうのHDMIケーブルとAudioQuestのCinnamon48を聴き比べてみた
デノンのAVアンプAVR-X4700HまたはAVC-X6700Hをご購入の方全員にAudioQuest社の48Gbpsに対応した高音質HDMIケーブル「Cinnamon48(1.5m)」をプレゼントする「高音質HDMIケーブルプレゼントキャンペーン」、2021年8月11日までが対象期間です。デノンブログ編集部ではCinnamon48ケーブルとふつうのHDMIケーブルをAVR-X4700Hを使って聴き比べてみました。
AVR-X4700H、AVC-X6700Hを購入の方全員にAudioQuest社の高音質HDMIケーブル「Cinnamon48(1.5m)」のプレゼントは間もなく締切
デノンのAVレシーバーAVR-X4700H、AVC-X6700Hをご購入の方全員にAudioQuest社の48Gbpsに対応した高音質のHDMIケーブル
「Cinnamon48(1.5m)」をプレゼントするキャンペーン、2021年8月11日までが対象期間です。
AVR-X4700H&AVC-X6700H 高音質HDMIケーブルプレゼントキャンペーン
AudioQuestはスピーカーケーブルなどのアナログケーブルでも定評のあるメーカーですが、今回のCinnamon48は希望小売価格22,000円(税込)の高音質なHDMIケーブルです。1,000円程度で購入できるふつうのHDMIケーブルとCinnamon48ではどのくらい音が変わるの?という疑問をお持ちの方も多いと思います。そこで今回はAVR-X4700Hを使って比較検聴してみました。
Cinnamon48
AudioQuest
Cinnamon48
今回の試聴は川崎本社の試聴室にて行われました。今回試聴したシステムのスピーカー構成は4.1チャンネル。いわゆる5.1チャンネルからセンタースピーカーを外した状態で試聴しました。
試聴に使用したAVアンプは、キャンペーン対象製品でもあるAVR-X4700H。スピーカーセッティングを4.1チャンネルに設定し、各スピーカーの距離などを入力してバランスを設定します。ちなみにAVR-X4700H、AVC-X6700Hなど8K対応のAVアンプは、HDMI2.1対応の端子を装備しています。そしてHDMI2.1の能力をフルに生かすためにはHDMI2.1に対応したHDMIケーブルが必要です。
8KとHDMI2.1について、詳しくはこちらのエントリーをご覧ください。
Cinnamon48で高域の伸びと音場感の広さを体感
試聴セッティングが終わったところで、今回は特に音の良さを検証するため、音楽系のコンテンツを聴き比べてみることにしました。選んだのは編集部IがCDで個人的に聴き慣れている現代のギターヒーローの一人、ジョン・メイヤーのライブを収録したBlu-ray「where the light is」。
アーティスト名:ジョン・メイヤー
タイトル:where the light is
この音源をまずはテレビ画面を消して、音だけに集中して聴き比べてみました。
こちらがいわゆるふつうのHDMIケーブル。Blu-rayプレーヤーとAVR-X4700Hをこのケーブルで接続してジョン・メイヤーを試聴しましたが、特に不満を感じることはなく、映像を見ずに聴いたのもあり、AVR-X4700Hの音楽再生能力の高さを感じました。
一通り聴いたところでHDMIケーブルを差し替え。Cinnamon48を接続します。
ちなみにAudioQuestのケーブルには方向性があります。小さいですが端子上に矢印マークがあるのがおわかりいただけるでしょうか。信号の方向性にあわせて端子を接続します。
そして聴いてみました。特に聴き比べた曲は「Who Did You Think I Was」です。先ほどはふつうのHDMIケーブルでも悪くないと思っていましたが、Cinnamon48に変えると、一聴してわかるのがドラムのシンバルやハイハットなどの高音の美しさです。それと、この曲は途中でいったん曲が止まって(2分20秒ぐらい)、またドラムから曲が再開しますが、その間に観衆の声援がはいります。その音場の広さと解像度が全然違うと感じました。
John Mayer – Who Did You Think I Was(YouTube)
うーむ。ある意味デジタルケーブルって、アナログのように音楽信号が波形のまま伝送されるわけではなく、デジタルデータが届けばいいはずなので、実はそれほど音が変わらないのでは、と思っていたことを白状しておきますが、実際に試聴するとかなり違いました。
AudioQuestの高音質なHDMIケーブルでAVC-X6700H、AVR-X4700Hが持つ本来の再現力を体験してほしい
●さて、ここからはデノンサウンドマスターの山内さんにお話をうかがいます。まず今回の「高音質HDMIケーブルプレゼントキャンペーン」の趣旨を教えてください。
山内:まずAVR-X4700H、AVC-X6700HはHDMI2.1規格に対応していますので、それに対応したHDMIケーブルをプレゼントしたいということがベースにありました。映像については8K対応はもちろんですが、4K/120Hzなどのゲーム動画でもHDMI2.1のメリットは大きく、それを享受するためにはいままでのHDMIではなく、HDMI2.1に対応したケーブルを使う必要があります。
↑Cinnamon48のパッケージ。8K・10Kと表記されている
●AVR-X4700H、AVC-X6700HではHDMI2.1対応のケーブルが必要であることはわかりました。AudioQuestのHDMIケーブルはすべてHDMI2.1に対応しています。今回1.5mで22,000円(税込)のCinnamon48という高品位なケーブルをプレゼントするのはどうしてですか。
山内:AudioQuestは特に音にこだわっているメーカーなので、そのケーブルを使うとAVC-X6700HやAVR-X4700Hの音がどれだけ良くなるのかをぜひご体験いただきたい、という思いがありました。たしかに2万円以上するケーブルなので、試しに買ってみるケーブルとしてはちょっと高価かもしれません。ですからぜひこの機会に体験いただき、AVC-X6700HやAVR-X4700Hはこれだけの表現力を持っていた、ということ、ケーブル1本でこれだけ表現力が変わってくるというところを体感していただきたいと思います。
●先ほどジョン・メイヤーの「Live in Los Angeles」を聴いて思ったんですが、高音、とくにシンバルの質感が全然違うなとは思いました。それと観客の拍手の音場感も広かったです。
山内:私もAudioQuestのCinnamon48を試聴しましたが、すごいのはパッと聴いただけで広域の情報量が増えていることが一番目立ってくるところです。それと私の感じではAudioQuestのケーブルは音楽的に整う感じがありますね。ただどんなHDMIケーブルと比較するかで相違点は変わりますから、一概には言えないとは思います。
●一般的にいってAudioQuestのケーブルの特徴というのはどんな点でしょうか。
山内:ケーブルはメーカーによってかなり音が違って、なんでもかんでも派手にバーッと出すケーブルもありますが、このCinnamon48はAudioQuestらしさがよく出ていると思います。具体的には高音域が伸びることに加えて、すごく定位がいいですね。音楽のフォーカスがシャープになる感じがします。高音だけではなく低域の見通しもいいですね。一般のケーブルと比べるとやっぱり、パフォーマンスはかなり高く、一言で言うとコンテンツがより楽しめるケーブルだと思います。
AudioQuest Cinnamon48
●HDMIは映像も音声も通しますが、やはりAudioQuestは音が良いケーブルといえるのでしょうか。
そうですね。もちろん映像のクオリティも上がりますが、一番クオリティ感を感じるのはやっぱり音楽ものでしょうね。派手な音よりもどちらかと言うとS/Nの良さや繊細な部分、小さい音にも欠落感がないところにAudioQuestの良さが感じられると思います。ちょっと別の音源を聴いてみましょうか。
アーティスト名:Hoff Ensemble
タイトル:Polarity
●(ふつうのケーブルとCinnamon48と聴き比べて)ホフ・アンサンブルも結構違いますね。Cinnamon48で聴くと主役の音がバーンと出た気がします。
山内:フォーカスがやっぱりシャープになることによって、演奏者がどこで弾いているのか、音場感がハッキリ出てきているように思います。
AudioQuestのデジタルケーブルは音の純度が高いシャープな再生が可能
●そもそもなぜケーブルで音が変わるのでしょうか。しかも信号がそのまま音になるアナログケーブルではなくデジタル信号を送るHDMIケーブルなのに、どうしてこんなに音が変わるのか不思議です。
山内:タネ明かしというわけではないんですけど、なぜケーブルで音が変わるかというと、結局ケーブルもオーディオと同じで、どこをいじっても音が変わってしまいます。ケーブルを突き詰めていくと、線材や線材を包んでいるシールド素材などを変えただけで音がかなり変わります。
ではこれがアナログだけではなく、デジタルケーブルでも同様に音が変わるのか?ということですが、変わります。たとえばHDMIのようなデジタルケーブルでデジタル信号を送った場合、ある一定の距離を伝送すると、どうしてもケーブルの純度によって揺らぎを持ってしまう。一発ボンと音を出してその波形を送って見てみると時間軸上で1と0の波がダーっと出てくるんですが、ここに揺れがでてきます。これを一般的にはジッターと呼んでいます。このジッターが少なければ少ないほど、音的にはフォーカスが合ってきます。AudioQuestはそのジッターを抑えることで純度が高いサウンドを実現していると思います。
●ジッターというのは音楽には音の鮮度や純度として出てくるんですか。
山内:そうですね。ジッターが抑えられると音の純度が上がるので、フォーカスが定まって、高域も低域も結局は全部がいい方向に行きます。Cinnamon48は一聴すると低域はそんなに変わっていない感じがするかもしれませんが、やはり見通しとか楽器の質感などがより自然になっていると感じました。
●山内さんもAudioQuestのケーブルを使っているのですか。
山内:使っています。AudioQuestはアナログケーブルもいろいろ出していますが、私はAudioQuestではデジタルケーブルも愛用しています。DiamondというAudioQuestのデジタルケーブルを何本も持っています。
●ちなみにケーブルによる音質向上を狙ったときアナログのスピーカーケーブルを換える方法もあると思いますが、それとHDMIケーブルのグレードアップではどう違いますか。
山内:ドライブ感やプレゼンスなどは確かにスピーカーケーブルで変わりますが、さっき言ったジッターが影響する空間感や純度などはデジタルケーブルも同様に差が出ることもあります。音の上流と下流で変わる部分が違う、というところでしょうか。
●ではもしAudioQuestのHDMIケーブルが気に入ったら、次はスピーカーケーブルを変えてもいいかもしれませんね。
山内:そうですね……。ケーブルはちょっとハマると危険な世界で、スピーカーケーブルも当然ですが、電源ケーブル、タップ、端子の素材や塗装などでも音が変わってきます。ですから「ケーブル沼へようこそ!」という感じになってしまいます(笑)。
ただAudioQuestには比較的安価なケーブルから非常に高価なケーブルまでありますが、方向性がしっかりそろっていて、グレードアップがしやすいですし、AudioQuestは特に安価なケーブルのコストパフォーマンスが高いと言われていますので、ここからケーブルの世界に入るのは比較的安全な方法だと思います。
ちなみにこちらはケーブル沼的な電源ボックス。これらは自己責任でご使用ください。
●なるほど、このキャンペーンはケーブルを楽しむいい入り口になりそうですね。今日はありがとうございました。
(編集部I)