坂口有望 インタビュー&「AH-C630W」「AH-C830NCW」レビュー
13歳の時にギターを片手にライブハウスのステージに立ち、17歳でメジャーデビュー。温かくも切ない歌声と、等身大の世界を鋭く切り取って描いた歌詞が、同世代の支持を集めるシンガーソングライターの坂口有望さん。今回はそんな坂口さんにデノンの完全ワイヤレス・インイヤーヘッドホン「AH-C630W」と「AH-C830NCW」を使っていただきました。
坂口有望 プロフィール
2015年、曲作りを始めたばかりの、中学2年生・13才の時に初めて三国ヶ丘FUZZのステージに立つ。彼女にとっての初のギター弾き語りライブである。その後、大阪・京都のライブハウスやストリートを中心に精力的に活動し、本人手焼きの1st Demo CD「おはなし」は1000枚を完売。レコ発自主企画対バンライブを9月19日に三国ヶ丘FUZZで開催。
2016年9月14日、Tower Recordsから1st Indies Single「おはなし/地球-まる-」をリリース。
11月6日には満を持してホームの三国ヶ丘FUZZにて初ワンマンを開催、ソールドアウト。
2017年3月21日、Tower Recordsから2nd Indies Single「厚底/15歳の詩」をリリース。
自身初の東京ワンマンと前回に引き続き三国ケ丘FUZZでのワンマンライブを開催、2会場共にソールドアウト。
7月26日、シングル「好-じょし-」でメジャーデビュー。
8月、初のバンドスタイルワンマン『サマーセンチガール ~初のバンド編成ワンマンライブ~』を東京・渋谷WWWと大阪・心斎橋FUNJ twiceにて開催。
地元・大阪のラジオ局、FM OH!『Music Bit』にて自身初となるラジオ生レギュラー出演開始。
12月6日、2nd Single「空っぽの空がきらいだ」リリース。
同12月から、東京・大阪・京都・名古屋にて弾き語りツアー『ひとりディッセンバー』を開催。チケットは発売と同時に全公演ソールドアウト。
2018年2月7日、配信シングル「お別れをする時は」リリース。
3月21日、1stフルアルバム「blue signs」リリース。
そのアルバムを引っ提げて4月から初の全国ツアー『blue signs』開催を発表(札幌・仙台・東京2公演・名古屋・京都・大阪・福岡)、チケットは全てソールドアウトに。
2018年8月受験前に東阪ワンマンライブ「熱唱特別夏期講習」を開催(東京・大阪)、チケットはソールドアウト。
2019年3月、高校卒業記念1st Mini Album「放課後ジャーニー」リリース。
同月、ミニアルバム発売と高校卒業を記念して全国弾き語りワンマン 「さよならネイビーtour」を開催(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・広島・福岡)、全9箇所ソールドアウト。
5・6月にバンド編成では初の全国ワンマンライブ 「単、ジュン、メイ、会 tour」を東名阪QUATTRO含む全7か所で開催。
9~11月にかけて弾き語りイベント 「サカグチ巡演」を全国8か所(札幌・仙台・東京・名古屋・京都・大阪・岡山・福岡)を開催、全箇所ソールドアウト。
2020年2月、3rd Single 「LION」リリース。TVアニメ「ランウェイで笑って」オープニングテーマ曲。
同月よりTikTokを開始すると、弾き語りによるカバー動画を中心に話題を集め、現在のフォロワー数は約30万人。TikTok内での総再生回数は1,000万再生を超え、若い世代から注目を浴びている。
2020年7月、「2020」の配信を記念して無観客配信ワンマンライブ 「熱唱特別オンライン夏期講習」を開催。
11月、4th Single 「セントラル」リリース。TVアニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」エンディングテーマ曲。
同月シングルのリリースを記念して、「ただいまネイビー 〜スペシャル弾き語りワンマン〜」を梅田TRADにて2days開催。
2021年2月、坂口の20歳の誕生日を記念して、東名阪ツアー「Hello Twenty」を開催。
2021年8月、収束しないコロナ禍の状況の中、⾏き場のない思いを綴った楽曲「#ボクナツ」を配信リリース。
9・10月、NEWバンドツアー 「リズミックシスター」を東京と大阪で開催。
温かくも切ない歌声と、等身大の世界観の中から鋭く切り取られ描かれる歌詞。
詩とロックとポテトを愛する、大っきな可能性を秘めながらも、ちょっと小っちゃな20才。
坂口有望 公式ウェブサイト https://www.sakaguchiami.com/
制服でライブハウスデビュー
●坂口さんはプロフィールを拝見すると、弾き語りで音楽活動を始められたそうですが、始めたきっかけを教えてください。
坂口:子どもの頃から歌うのが大好きでした。それに目立ちたがり屋で、ギターを持ってるだけでかっこいいって言われそうだな、と中学1年生の時にお年玉でギターを買ったんです。2年生になったらライブハウスに行ってみたくなって、一人で遊びに行ったんですよ。制服を着て。その時はお客さんとして普通に楽しんでましたが、身長も低いですし、ライブハウスのスタッフさんが制服を着た女の子がいるのを逆に心配してくれて(笑)。
●それはそう思いますね(笑)
坂口:その声をかけてくれた時に勢い余ってというか、見栄を張って私も音楽やってるんですと言ったら、じゃあ今度出てみればいいじゃんみたいな話になって。まだオリジナル曲もない、趣味程度のギターと歌だったんですけど、ライブハウスで歌わせてもらって、それがきっかけで中学2年生からライブ活動が始まりました。
●オリジナル曲がない頃は何を歌っていたんですか。
坂口:その時はサザンオールスターズの「TSUNAMI」とかをカバーしてましたね。最初の2カ月ぐらいはただ自分が気に入ったカバー曲を歌うだけで完結していたんですけど、そのうち自分の言葉で届けたいなって思い始めて、3カ月目ぐらいから自分の曲を歌い始めたんです。
●3カ月目で!それはすごいですね。いきなり曲って作れるものですか。
坂口:ほんと右も左も分からなくて、これが曲作りなのかな?って思いながら手探りで曲を作ってましたね。
●オリジナル曲を作るのはやっぱり面白かったんですか。
坂口:カバー曲を聴いてもらうよりも、自分の言葉が届いた方が快感と言うか、気持ちいいなって思いました。
●歌を仕事にしていこう、プロになろうって思ったのはいつ頃ですか。
坂口:中学生の時から趣味程度でやってたんですけど、音楽に携わる仕事に就きたいなっていうのは小学生の時から思っていました。
歌は分かり合えない子たちとのコミュニケーションツールになる
●何かそう思う出来事があったんですか。
坂口:歌うのが単純に好きっていうのがあったし、小学校の時にクラスの中で、目立つ女子のグループの中にいて嫌われることも多かったんです。でも意地悪な女の子たちが唯一ほめてくれたのが歌で、歌を歌っていたらもしかすると、普通に接したら分かり合えない子たちとも仲良くなれるのかもしれないと思って。そういうコミュニケーションのツールとして、歌はずっと歌ってたいなっていうのは小学校3年生の時から思っていました。楽器は持っていなかったけど、歌はたくさん歌っていました。実際にデビューするきっかけは、演奏している映像を観ていただいた今の事務所の方に声をかけていただきました。
●その映像は自分でYouTubeにアップしたのですか。
坂口:いえ、当時 LINEで受けるオーディションというのがあったんです。リアルなオーディションには緊張して行けなかったんですけど LINEだったらできるかもと思って、自宅のベッドの上で弾き語りをしている映像を撮影して LINEで送って、そのオーディションはダメだったんですけど、その時の映像が今の事務所の方の目に留まってデビューに繋がりました。
●音楽をやる上でこういうものを目指したいとか、こういう音楽をやりたいっていうのはありますか。
坂口:小さい頃から音楽を聴くことが、何となく楽しい気分になりたいとか、そういう軽い気持ちで聴くというよりは、もっと強い現実逃避的な場所になるというか、音楽はここではないどこかに連れ出してくれるものでした。自分の曲も聴いている人に、何か現実とは違う世界へ行けるような、誰かにとっては救いになるような存在でありたいなと思っています。
●サウンド的には弾き語りから、最近の配信シングルは割と電子っぽい音があったり、ソウルっぽいテイストが入っていたりと音楽性が広がっているのかなと思いました。それは意図的にやられているんでしょうか。
坂口:そうですね。ライブツアーを組む時は、弾き語りとバンド形式を同じ本数やったりするんですよ。弾き語りは弾き語りの良さがあって、バンドにはバンドの良さがあって、そのギャップがあった方が弾き語りのライブも楽しんでもらえるかなと思って。最初は弾き語りから作るんですけど、バンドでは全然違う形にしてみたり。
●弾き語りはどういうところが魅力なんですか。
坂口:歌とギター、歌と鍵盤だけみたいなシンプルさで、歌詞が一番届くのが弾き語りだなと思います。私の場合、曲を作る上で土台になるものが歌詞なので、メッセージとして歌詞がストレートに伝わる手法ですね。
●なるほど。弾き語りをベースに、楽しさや新しさを取り入れるというのが、バンド形式のライブだったり音源だったりするってことなんですね。バランスが取れていていいですね。
坂口:はい。それぞれに良いところがあって、違う意図を持ってやっていますね。
「AH-C830NCW」はとにかく音が立体的で、すごく没頭できる
●ここからは使っていただいたイヤホンの話をうかがいたいと思います。デノンの完全ワイヤレス・インイヤーヘッドホン「AH-C630W」と「AH-C830NCW」について、使ってみた率直な印象はどうでしたか。
坂口:「AH-C830NCW」は特に愛用したいなと思うくらい気に入りました。ワイヤレスイヤホンはみんながよく使っている有名なものを私も使ってるんですけど、それよりもいいなと。
●どの辺がよかったですか。
坂口:「AH-C830NCW」はとにかく音が立体的で、すごく没頭できるので、音楽は逃げ場っていう自分が音楽を聴く目的に合っていると思いました。
●具体的に普段聴いているのと、ここが違うなってところはありましたか。
坂口:普段聴いているのは、低音がしっかり出ていて、比較するとちょっと音を作り込み過ぎている感じがしました。誰が聞いてもいい音だと錯覚するというか。その点、「AH-C830NCW」の方がより自然なライブ感があって、音的な好みは断然「AH-C830NCW」でした。
●単体で聴いていると分からないことも、比較試聴すると分かったりしますよね。「AH-C830NCW」のノイズキャンセリング機能はどうでしたか。
坂口:外でも聴いたんですが、きちんとノイズキャンセルしてくれて音楽に没頭できました。低音もしっかりあるんですが誇張しすぎてないから、素直にいい音だなって思いましたね。「周囲音ミックス機能」も使ってみましたが、便利ですね。
●ノイズキャンセリング機能がない「AH-C630W」はどうでしたか。
坂口:「AH-C630W」はパンチがあるなっていうのが最初の印象でした。明るい部分、ハイのキラっとした部分が大きめに聴こえるのでインパクトがあるなーっていう。
●「AH-C630W」と「AH-C830NCW」の違いは明確に分かる感じだったのでしょうか。
坂口:全然違いました。本当に同じメーカーが作ったとは思えないぐらい!
●つけ心地やデザインはどうでしたか。
坂口:私耳が小さい方なんですけれども、イヤーチップの大きさが三段階あって、一番小さいのがちゃんと耳に合って助かりました。メーカーによっては、大きくてすぐに外れちゃうこともあるので。外を歩いていても全然取れないです。付けてることを忘れるような感じ。
デザインは単純に形がかっこいいなって思いました。あとイヤホンの外側をタップするだけで再生・停止ができるのがすごく便利でした。触ってすぐ反応しますよね。
ワイヤレスでここまで音質にこだわってもらえて嬉しい
●今ワイヤレスイヤホンって本当に選べないぐらいたくさんありますよね。
坂口:ワイヤレスイヤホンが出始めた頃って、それ自体が珍しくて飛びついたんですけど、最初の頃は音質が結構ないがしろにされている印象だったんです。ワイヤレスが便利だから買うっていうだけで、音質はそんなに良くないみたいな。それが、音楽をやってる身としてはちょっと残念だと思っていたので、完全ワイヤレスでここまで音質にこだわってもらえるのは嬉しいです。やっぱり通勤とか通学で普段使いしやすいですし、一番日常に寄り添えるものですから。
●ここまでの音質があれば、音楽を出す側としても楽しんでいただけるなっていう気持ちになるんですか。
坂口:そうですね。自分でも愛用したいです。
●坂口さん的には「AH-C630W」と「AH-C830NCW」、どちらかと言うとノイズキャンセリング機能が付いた「AH-C830NCW」の方がいいですか。
坂口:そうですね「AH-C830NCW」が好みでした。バッテリー駆動時間も「AH-C830NCW」の方が1.5時間※長いところも良いなと思いました。
※ノイズキャンセリング・オフ時の本体のバッテリーの駆動時間
●では最後に、今後やっていきたいことをお聞かせください。
坂口:今上京して3年目、大学3年生なんですけど、中学生の時に音楽を始めてその時に聴いてくれていた子たちも私と同じように大学生になったり、働いたりしています。私が作っている曲も中学生の時とは違うし、二十歳になってお酒も飲めるようになったし、いろんなことができるようになって新しい経験をしていく中で、日記みたいに今を切り取っていくことで、一緒に聴いてくれていた同世代の子たちと新しい変化を一緒に味わっていきたいなって思っています。私もいつの間にか大人になっていたし、お客さんも大人になっていた。リスナーの人と一緒に年を重ねてる感覚があるんですよ。
●音楽的には、弾き語りやバンドなど形式は違えど歌で自分の思いを伝えて行くということでしょうか。
坂口:最近、中学高校を卒業して地元の大阪を離れて、会えなくなった友だちの話をまた違う友だちから聞いてっていうことがあったんですけど、もしかしたらこの先その人たちと直接会うことがないかもしれない、話す機会がないかもしれない、そんな友だちにもメッセージを届けられたらって。今実際に会って話を聞いてあげる事はできないけど、音楽を作るだけで、本当に不特定多数の広範囲の人に何かしら元気になるような「お薬」は配ることができるというか。やっぱり誰かの逃げ場だったり、救いでありたいなと思います。
音楽はどれだけ時間が経っても残っていくものじゃないですか。今とは言わなくても、いずれ私の曲を聴いていた人が、この曲だったら「天国に持って行きたい」って思えるような曲が描けたらいいなと、曲作りをしています。
●新譜やツアーの予定はありますか?
坂口:2022年2月に弾き語りのライブが東京大阪であります。東京は2月23日に「duo MUSIC EXCAHNGE」(渋谷)で、大阪は2月26日に「umeda TRAD」(梅田)で。2月20日に21歳になるので、それにちなんだバースデーライブです。よかったら遊びに来てください!
●今後のご活躍を期待してます! 本日はありがとうございました。
(編集部S)