飯田有抄のオトナ女子のオーディオ入門「オールインワン・ネットワークCDレシーバーRCD-N12を遊び尽くす」
デノンブログでお馴染みのクラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんは、大のオーディオ好き。しかしオーディオについていっしょに盛り上がれる女子が少ない……。ということで昨年開催したオトナ女子のオーディオ入門」を好評につき今年も開催! まずは飯田さんも愛用しているという話題のオールインワン・ネットワークCDレシーバー「RCD-N12」を遊び尽くそう!という企画をお送りします。
コンパクトな見た目に心くすぐられるRCD-N12
およそ1年ぶりの“オトナ女子オーディオ”企画です。今回は、話題のオールインワン・ネットワークCDレシーバー「RCD-N12」をで遊び尽くそう! という企画。私も自宅でフル活用しているレシーバーです。
この日は、近頃オーディオへの関心が最近むくむくと高まっているという、ピアノ音楽が大好きな私の友人・山平昌子さんに体験してもらうことになりました。
山平さんのご自宅では今、2011年に買ったスピーカーとアンプを使っているとのこと。ストリーマーやCDプレーヤーも年季が入ってきており、ケーブル接続の不具合が発生することも。今どきのシステムに関心が出てきたようです。
山平:「可愛い!思ったよりもコンパクトですね。角ばっていなくていいですね」
これが山平さんの製品を目にして、開口一番の感想です。
RCD-N12は、CD再生、ストリーマーネットワークオーディオ、ラジオチューナー、テレビとの接続、レコードプレーヤーも接続もできるPHONO端子付き(レコードプレーヤー接続)と、実にマルチな機能を持った製品機材なので、その見た目のコンパクトさには驚かされます。
接続したスピーカーは、デンマークのブランドDALIのOBERON 1。こちらもコンパクトな人気のブックシェルフ型のスピーカー。RCD-N12とはデザインの相性もバッチリです。
今回使用したスピーカーはDALIの「OBERON 1」
CDとストリーミングで聴き比べ
山平さんが大好きなピアニストは、レバノン出身でフランスを中心に活躍しているアブデル・ラーマン・エル=バシャさん。日本でも「東京・春・音楽祭」や「ラ・フォル・ジュルネ」でお馴染みです。山平さんはフランスでしか販売されていないCDやLPレコードを求めて、パリにも“推し活”で出かけてしまいます。そんな彼女のお気に入りが、エル=バシャさんの最新アルバム「プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6〜8番」(妙音舎MYCL-00043)。これまでの演奏の中で最もいい!と大絶賛。
山平:「いい音ですね! 家で聴いている印象よりはクリアです。OBERON 1のキャラクターからか、低音が厚くや柔らかさも感じます。録音がとてもいいCDなので、とても楽しめますね」
同じアルバムのハイレゾ音源をストリーミングで聴いてみました(Amazon Prime Music HDと連携)。ネットワークオーディオ機能の「HEOS」はなんと10周年※ とのこと。最新のHEOSスマホアプリはUIがかなり見やすく、直感的に使いやすくなりました。
※2014年にアメリカなどの一部の地域でサービスを開始
山平:「ハイレゾ再生だと、同じボリュームに設定していても、音の押し出しが強いような印象で、全体的にふくよかに聞こえますね。CDとハイレゾでは、『違う』というのはわずかに感じられるけれど、音質的にはどちらもいい。むしろCDの音が良い(好き)ということがわかりました」
ちなみに音楽ストリーミングの再生は、設置環境の影響を受けやすく、無線ではなく有線接続にするなど、工夫次第で音はさらに良くなるそうです。工夫できるのはオーディオ機材の楽しさですね。
CDは環境からの影響を受けず安定して再生できますし、音楽ストリーミングが主流となりつつある今もなお、やはりメディアとしての存在価値を感じます。RCD-N12は、CDとストリーミングを簡単に行き来できるのもいいですね。
ここで山平さんに、私のオススメCDも聴いてもらいました。オルガニスト石丸由香さんの新譜「瑠璃色の地球〜風のうた パイプオルガンで聴く思い出のポップス」です。日本のオルガンビルダーのレジェンド、辻宏さんの制作された比較的小さなオルガンを使用。温もりと輝きのあるオルガンの響きで聴く、日本のポップスのアレンジです。
槇原敬之さんの「遠く遠く」がメルヘンチックな音色で演奏されています。
山平:「オルガンならではの、風の響きがいいですね」
語学も良い音で! 気楽なネットラジオもいい!
もちろんBluetoothにも対応しているRCD-N12。エル=バシャさんの“追っかけ”に熱の入る山平さんは、フランス語も勉強中。NHKの語学番組を普段はスマホで聴いていますが、ネット配信音声をBluetooth経由でRCD-N12に飛ばすと、男性の低い声のフランス語が、麗しい響きで聞こえてきました。Bluetoothは圧縮音源のため、ハイレゾ音源などと比べた場合は、音楽は少し物足りなく感じるかもしれませんが、語学番組などをサクッと聴くには十分すぎるほど良い音です。これなら勉強のヤル気も上がりそう!
さらに、ボタンひとつでインターネットラジオにも接続。数ある音楽専用チャンネルにアクセス。
山平:「こんなにあるんですか! 『Beethoven Channel』? ベートーヴェンを死ぬほど聴けるラジオ局があるなんて(笑)、びっくりですね」
私からオススメしたのは、アメリカはカンザスシティにあるクラシック音楽専門のラジオ局、Classical KC。私は朝一番にRCD-N12のスイッチを入れて、リモコンの「INTERNET RADIO」ボタンひとつでこの局にアクセスしています。選曲がとてもよく、知らなかった作曲家や作品にもたくさん出会えます。
山平:「すごく優雅な朝じゃないですか。そして音も驚くほどいいですね!」
飯田:「そうなんです。「32kbps aac」と表示され、驚くほどデータ的には小さな数値なのですが、これがどうして、N12で再生しますと不思議なくらいに良い音なのです。十分音楽に浸れます。」
DENONデノンのスタッフさんも「いい音しますね…」としみじみとした表情。
CD、音楽ストリーミング、インターネットラジオの再生や、Bluetoothや、AirPlay接続での再生ネットラジオなど、一通り体験した山平さんに、感想をコメントしてもらいました。
山平:「とにかく便利という印象です。家に置くことを考えると、見た目がコンパクトで可愛らしいというのはやっぱり重要。初心者にとって、このサイズの気楽さは嬉しいです。」
機能としては、特にインターネットラジオの気楽さと音の良さに驚きました。音楽ストリーミングも、この10年ほどの間に大きく進んでいたことを実感できました。CDは、「聴こう」と思ってディスクを一枚一枚出してくる感じですが、音楽ストリーミングはアプリのボタンひとつでサクサク曲換えできるのは、とても大事だと思いました」
RCD-N12はPHONO端子からレコード再生も可能ですので、「オトナ女子オーディオ企画」次回はメンバーを増やし、みんなでLPを鑑賞します!
▼「オトナ女子のオーディオ入門」過去記事はこちら
飯田有抄 プロフィール
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。音楽専門雑誌、書籍、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジンなどの執筆・翻訳のほか、音楽イベントでの司会、演奏、プレトーク、セミナー講師の仕事に従事。NHKのTV番組「ららら♪クラシック」やNHK-FM「あなたの知らない作曲家たち」に出演。書籍に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」(共著、音楽之友社)、「ようこそ!トイピアノの世界へ〜世界のトイピアノ入門ガイドブック」(カワイ出版)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。