
“音の良いサウンドバー”だから抜群に怖い!「DHT-S218」でフジテレビの名作「放送禁止」を観てみよう

ライターの杉浦みな子さんに、サウンドバー「DHT-S218」で観てみたいコンテンツは? と聞いたところ、返ってきたのが「ホラー番組」とのこと!? フジテレビの名作ホラー番組「放送禁止」をサウンドバーで視聴した杉浦さんの“怖さマシマシ”なレポートをご覧ください!
こんにちは、ライターの杉浦です。今回はデノンの最新サウンドバー「DHT-S218」で、“テレビ番組を観る企画”をお送りします。以前、私はこのデノンブログで、同じDHT-S218を使って往年の名作映画を楽しむ記事を書きました。
その際も同じことを書いたのですが、通常サウンドバーを紹介する時って、Dolby Atmosなど最新のオーディオフォーマットについて触れることが多いので、リッチなサラウンド感がわかりやすいアクション映画とかをメインにレビューしがちです。
もちろんDolby Atmos対応コンテンツのリッチ感はとても大事。しかし同時に忘れてはいけないのが、普通のステレオ音声のコンテンツだって、サウンドバーがあればその魅力を引き出せるということです。
というわけで今回は、ヒッチコック「鳥」に続き、DHT-S218で“サラウンドじゃない音声”を満喫する第二弾! フジテレビの名作フェイク・ドキュメンタリー「放送禁止」を楽しんでいきたいと思います。なお、作品のネタバレはしないのでご安心ください。
まずはDHT-S218の魅力をおさらい
本題に行く前に、DHT-S218の特長を簡単にご紹介しておきましょう。本機は、デノンが手がけるサウンドバーの最新エントリーモデル。2024年5月の発売直後から大ヒット、今や2024年のサウンドバー市場の人気No.1製品※といっても過言ではない地位を築いています。
※PHILEWEB AV製品売れ筋ランキング ホームシアターカテゴリにおいて(2024年7月~10月)

デノンのハイエンドなHi-Fi製品の音を決めているサウンドマスター・山内慎一氏がチューニングしており、「ピュアオーディオ系のサウンドバー」というコンセプトを掲げています。実際に市場でも、オーディオ再生にも使えるようなピュアな音質の良さが高く評価されています。
フジテレビの人気番組「放送禁止」シリーズとは
さて、今回このDHT-S218で鑑賞するのは、フジテレビが2003年から手がけている人気のホラー番組「放送禁止」シリーズです。「事情があって放送できずお蔵入りとなった、フジテレビの過去の取材テープ=放送禁止アーカイブを再編集して公開する」という設定のフェイク・ドキュメンタリー。
※FODプレミアムの利用には会員登録および月額費用が必要です。詳細はFOD公式ウェブサイトをご確認ください。
「フェイク・ドキュメンタリー」というのは、「実話ドキュメンタリー風に演出したフィクションのコンテンツ」のこと。「モキュメンタリー」とも呼ばれます。代表例としては、1999年の映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が有名です。「実話風に見せている作り物」というホラー演出の一つですね。
特にここ数年のホラー界隈では、それに特化したYouTubeチャンネル「フェイクドキュメンタリーQ」が牽引役になったり、テレビ東京の制作番組が話題を集めたりして、「フェイク・ドキュメンタリー」の一大ブームが起きていました。そんな流れの中、今回取り上げる「放送禁止」シリーズは、日本のテレビ局が制作するフェイク・ドキュメンタリー番組の先駆け的存在で、2003年に不定期放送がスタートして以来、20年以上にわたってカルト的人気を誇っています。
なお、単体で課金が見込める人気コンテンツゆえか、フジテレビのオンデマンドサービス「FODプレミアム」でしか配信していないのが悲しいところなんですが……。まあでも、テレビシリーズ6作と映画版1作を、976円/月(税込)で楽しめると思えば、とりあえず1ヶ月だけでも登録して視聴すれば全く損ではないと思います。年末年始の長期休暇のお供に、ぜひどうぞ。
静かな恐怖シーンこそ“良音”が大事
さて、そんな「放送禁止」シリーズの中で、今回は2008年に放送された「放送禁止6 デスリミット」と、その続編として同年公開された映画「放送禁止劇場版 密着68日 復讐執行人」をFODプレミアムで視聴してみました(後者は劇場版ですが、こちらも音声フォーマットはステレオのようです)。
そもそも、なぜ本シリーズをピックアップしたかというと、上述の通り「フェイク・ドキュメンタリー」というジャンルの映像作品が、「ホラー」と「ドキュメンタリー(演出として)」の要素を兼ね備えているからです。
「ホラー」は恐怖シーンにおける大音量と小音量の表現の差、「ドキュメンタリー」はセリフの生っぽさや環境音の高い再現性が、リアルな視聴感につながっていきます。つまり、「音の良さ」が作品性を左右する2つのジャンルに通じるんですね。
DHT-S218のピュアなサウンドで鳴らしたら、その音声効果がより生きると思うんです。もちろん今回も、ソースに収録された音をストレートに伝えてくれる音声モード「Pureモード」に設定して再生しました。
で、実際に視聴してみると、まず何よりもDHT-S218のおかげで「人のセリフが明瞭に聴こえること」が最大のメリットでした。声だけで「怖さ」が感じられて最高です。セリフが BGMや環境音に埋もれず、クリアで聴こえやすい。ボワボワとムダに広がることもなく、シンプルに「良い音」です。
例えば「放送禁止6 デスリミット」は、夫からDVを受けたという女性の手紙を朗読する音声から始まります。この時点で、線が細く透明感のある女性のナレーション声から、静かな恐怖が徐々に漂ってくる。言い方を変えると、声だけで恐怖を感じる演出になっていることを、DHT-S218のおかげで体感できたともいえます。音声だけで、一気に「怖い」という感情に引っ張り込まれました。
あと、映画「放送禁止劇場版 密着68日 復讐執行人」と一般的なホラー映画を比べると、大きな音量でガッと恐怖を煽るシーンは少なく、淡々と静かな恐怖シーンが続き、不穏な空気が増していくのが特徴です。この辺の演出は、テレビシリーズの世界観をしっかり踏襲。
そんな中でも、電化製品の「ブーン」という音などの環境音が明瞭に聴こえてきて、それが恐怖感に直結していく感じです。身近な電化製品の音がクリアに聴こえてくることで、逆にそのシーンの違和感や不可解さが際立つというか。
ハリウッド映画みたいな派手な音のコンテンツじゃないと、わざわざサウンドバーを使う意味はなさそうって思っちゃうところなんですが、淡々と静かに進むシーンも“良音”が大事ということを実感しました。収録された音をそのまま再現する、ピュアでナチュラルなサウンドだからこそ享受できる臨場感があるんだなと思えます。
また「放送禁止」もそうですが、「フェイク・ドキュメンタリー」は、ミステリー作品として謎解きの要素が散りばめられていることが多いです。なので、視聴後に様々な考察をするのも楽しみの一つ。考察のヒントは、主に映像中にビジュアルで描かれますが、それを効果的に演出する音声がクリアに聴こえることで、作品の理解度がより深まるのもポイントです。
DHT-S218のおかげで、よく知る「フェイク・ドキュメンタリー」の考察が改めてはかどる視聴体験ができました。
杉浦みな子 プロフィール
1983年生まれ・たまに絵も描くライター。慶應義塾大学環境情報学部卒業。家電やオーディオ・ビジュアル専門サイトの編集/記者/ライター職を経て、2023年に独立。コンシューマーエレクトロニクスから月刊ムーまでを網羅し、各種媒体でAV機器・家電のレビューやオカルト映画のコラムを執筆中。読書と音楽&映画鑑賞が好きで、自称:事件ルポ評論家のオタク系ミーハー。
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