
ライター杉浦みな子さん「RCD-N12を使った“最強コスパHi-Fi”で、12月の風物詩『くるみ割り人形』を満喫」

デノンブログでもおなじみ、いつもユニークな視点でオーディオについて執筆するライター杉浦みな子さん。今回はCDもラジオもネットワークオーディオもテレビの音も1台で楽しめる「RCD-N12」で味わいたい12月らしいコンテンツを教えてもらいました。

全部入りスペックのRCD-N12でホリデーシーズンにぴったりな映像コンテンツを良い音で満喫!
こんにちは、ライターの杉浦です。今回の記事は、デノンからちょうど1年前に登場したHDMI対応のネットワークCDレシーバー「RCD-N12」が主役です。
RCD-N12という製品自体は、このブログを読んでいる方ならよくご存じでしょう。デノンのピュアなHi-Fiサウンドを受け継ぐコンパクトなプリメインアンプで、かつCDドライブを搭載しており、単体でCD再生にも対応する1台です。


それだけに終わらず、FM/AMラジオチューナー搭載、ネットワークオーディオ機能「HEOS」を搭載していて、Amazon Music HDなどの音楽ストリーミングサービスを単体で再生できますし、さらにARC対応のHDMIポートを搭載しテレビとも接続できる…という多機能性で話題になりました。
そんな全部入りスペックのRCD-N12を、今回は私の家のテレビと接続。ホリデーシーズンにぴったりな映像コンテンツを良い音で満喫しちゃおう! というのがテーマです。
実質20万円以下の高コスパHi-Fi環境をPolk Audioのスピーカーを合わせて実現
さて、そうなると大事なのが、組み合わせるスピーカーですよね。
この度、おすすめモデルとしてデノンブログ編集部から送られてきたのは、アメリカのスピーカーブランド「Polk Audio(ポークオーディオ)」のフロアスタンディング型「Signature Elite ES55」でした。
↑Polk AudioのミドルクラスのシリーズのSignature EliteシリーズのES55。本体サイズは297W×1,053H×319D mm。2.5cmテリレン・ドーム・ツイーターを1基、16.5cmマイカ強化ポリプロピレン・ウーファーを2基搭載する2ウェイ・3ユニット型のモデルで、再生周波数帯域は34Hz~40kHz(クロスオーバー周波数2.4kHz)とワイドレンジにカバーします。
Polk Audioのスピーカーといえば、その音質クオリティに対する圧倒的なコスパの高さで定評がありますよね。
このES55も、テレビ環境に設置するとぐっと贅沢感が増すあるダブルウーファー搭載のフロア型でありつつ、1台あたりの希望小売価格は6万円ちょっと。店頭ではもう少し値引きされていたりするので、実売で考えるとほぼペア10万円というお安さです。
ちなみにRCD-N12も希望小売価格は11万円台ですが、発売から1年が経過していることもあって実売8〜9万円になっているところもあるようです。そう考えると、今回のRCD-N12とES55、実質20万円以下で実現できるシステムということに。
しかし使ってみるとわかりますが、「本来20万円以下で叶うレベルじゃないだろ…」というオーディオビジュアルライフが送れるんですよ。はっきり言ってお得です。
そう、今回の肝はココ。ただクリスマスっぽい映像コンテンツを楽しむだけでなく、RCD-N12とES55を組み合わせることで、予算を抑えながらも「良い音」を叶えちゃいました…というお話です。
優雅な生演奏、観客の拍手や歓声…劇場の空気感が伝わってくる
では、いよいよ本題に行きましょう。私がこの高コスパなHi-Fiシステムで満喫したのは、クリスマスの風物詩であるバレエ「くるみ割り人形」です。
実は私、小学校1年生から中学2年生までクラシックバレエを習っていたんです。それもあり、幼少期は毎年クリスマス時期になると、松山バレエ団の「くるみ割り人形」の公演を観に連れられていたので、非常に思い出深いコンテンツ。
今回視聴したのは、Prime Videoで配信されている英国王立ロイヤル・バレエ団によるバージョンです(原題「The Nutcracker」)。もちろん、劇場はロンドンのコヴェント・ガーデンに位置するロイヤル・オペラ・ハウスで、音楽演奏はロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団。指揮はバリー・ワーズワース。
この作品をテレビ内蔵のPrime Videoアプリで再生し、音声をHDMI(ARC)経由でRCD-N12に出力してES55で鳴らしました。
出だしから早速、開演前の客席に蔓延するザワザワとした暗騒音がリアル! こういう環境音の再現力で、低音までどっしり余裕がある大きなフロア型スピーカーの魅力を感じますよね。
そこに指揮者のワーズワースが登壇し、観客席から拍手が波のように広がって、「いよいよ始まるぞ」というドキドキ感を煽ってきます。
そしてスタートする「小序曲」の演奏。出だしからバイオリンとヴィオラの主題が可愛く弾んでいて、各楽器のパートに立体感があります。小さい音は小さく、大小の音の表現の違いが感じられます。
もうとにかく多幸感がすごい! 大人になった今でも、この「小序曲」を聴くと、ホリデーシーズンのワクワク感が一気に胸の中に溢れます。
しかも今回視聴したロイヤル・バレエ団の「くるみ割り人形」は、この「小序曲」パートをバックに、ドロッセルマイヤーさんがくるみ割り人形を制作するプロローグが演じられる構成。この演出がまた良いんですよね…! ラストのハッピーエンドにちゃんとかかってくる伏線になっていて、めちゃめちゃ好きな演出です。
特に今回はRCD-N12とES55によって、音にステレオの広がりと楽器の位置関係が感じられることで、このプロローグシーンが醸し出す多幸感が倍増するような気すらしました。弦が左から並び、管楽器が右にあるのがちゃんとわかるステレオイメージです。
ただ、16.5cmのウーファーをダブルで搭載するフロア型、ES55の力を実感するのは、やはり低音楽器がガッツリ入ってきてから。
「行進曲」では、弦の低音に“弾かれる質感”があり、それが沈み込むことによる満足感がすごい。クリスマスツリーが巨大化するシーンや、ネズミの王様との決闘シーンも、打楽器のどっしり感が再現されることで気持ちが昂ります。
低音が沈むことで、夢の世界の密度が濃くなる感じとでも言いましょうか。さらにそれとの対比によって、「くるみ割り人形」の世界観を演出する高音楽器のキラキラ感も際立っています。
第二幕も、「中国の踊り」や「葦笛の踊り」で、笛の音がちゃんと左から聴こえてきて位置関係がわかりますし、ダンサーのものすごいアクロバットを、高音楽器が中心のサウンドで可愛らしく見せてしまう演出とばっちりハマっています。
もちろん「ロシアの踊り」や「花のワルツ」のような、チャイコフスキーらしい色彩感豊かな曲はダイナミックによりよく楽しめます。
また、「金平糖の踊り」の音楽も聴きどころの一つ。弦の低音の伴奏の上にチェレスタの細かい音が浮かんで、ロイヤルのプリンシパル、マリアネラ・ヌニェスの美しいダンスをキラキラと彩っています。中低音を鳴らす管楽器の余韻も滑らか。
あと、ダンサーがジャンプして着地した時の、微かなシューズの音まで拾っているのがわかるのも良いですね。ふとした瞬間に遠くの客席から小さな咳払いも聴こえて、臨場感がすごいです。
そして個人的に気持ちが上がったのは、客席の暗騒音や拍手、歓声がよく聴こえたことでした。本作は最後のカーテンコールまでしっかり収録されていて、鳴り止まない客席の拍手や歓声から、客席の感動が伝わってきます。
自宅のリビングにいながら、ロイヤル・オペラ・ハウスの熱気を感じられる…RCD-N12とES55のおかげで、そんな贅沢な体験をしちゃいました。
ラジオも聞けて、CD再生やHEOSのネットワーク再生に対応するRCD-N12の機能性も考えれば、20万円以下でこんな体験が叶えられるなんて、やっぱりお得でしかないです。
杉浦みな子 プロフィール
1983年生まれ・たまに絵も描くライター。慶應義塾大学環境情報学部卒業。家電やオーディオ・ビジュアル専門サイトの編集/記者/ライター職を経て、2023年に独立。コンシューマーエレクトロニクスから月刊ムーまでを網羅し、各種媒体でAV機器・家電のレビューやオカルト映画のコラムを執筆中。読書と音楽&映画鑑賞が好きで、自称:事件ルポ評論家のオタク系ミーハー。
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