リケーブル対応ヘッドホンの利点と楽しみ
リケーブルとはヘッドホンのケーブルを取り替えること。今回は、リケーブルの利点とオーディオマニアならではの楽しみについて紹介します。
「リケーブル」ということば、ご存知ですか?
ヘッドホンには、ケーブルが一体になっているものと、取り外し可能な着脱式のものあります。
そして着脱式であれば別のケーブルと交換することができます。
冒頭で紹介したリケーブルとは、「着脱式のヘッドホンを使ってケーブルを差し替える」という意味です。
デノン製品でも、AH-D7100、AH-D600などリケーブル対応の着脱式ヘッドホンがあります。
ワイヤレスヘッドホンであるグローブクルーザーAH-NCW500、AH-W200も、電池が切れたときのために
ケーブルで接続できるので、リケーブル対応といえます。
それらをリケーブル対応にした理由には、
●用途によって、長さや太さの異なるケーブルを使い分けられる
●ケーブルが壊れても取り替えるだけなのでメンテナンスが楽
●ケーブルによる音質の変化を楽しめる
などが挙げられます。
1つずつ紹介していきましょう。
まずは1つ目の用途による使い分け。たとえばAH-D600、AH-D7100には
●外出用に1.3mのiPhone用リモコン付きの細いケーブル
●屋内用に3mの太いケーブル
の2本のケーブルが付属しています。
太くて長いほうは安定していて、3mという長さも部屋でオーディオを聴くのに最適です。端子もHi-Fiオーディオセットなどに
接続しやすいように標準ステレオプラグがついています。
細くて短いケーブルは、取り回しもよく、持ち歩くのに便利です。端子もiPhoneなどにつなげるステレオミニプラグがついていて、
iPhone用のリモコン機能もあります。
このようにケーブルを付け替えることで、室内でも屋外でもお気に入りのヘッドホンが便利に使えるわけです。
次に、2つ目のメンテナンス。ヘッドホンも壊れることがあります。特にケーブルはうっかり何かに引っかけたりして断線することもあり得ます。
そんなとき着脱式であればケーブルを交換するだけで本体はまだ使用することができます。
3つ目、音質を変化させるためのリケーブルは、最近オーディオマニアの間で流行ってきた楽しみ方です。
オーディオケーブルには、それぞれ音に個性があります。材質とその純度、構造のちょっとした違いで音質が変わってくるからです。
Hi-Fiオーディオの世界ではその音質への影響力から、以前からケーブルにこだわる方は多かったのですが、近ごろヘッドホンでもケーブルにこだわる方が増えて、
リケーブル対応製品が注目されています。中には非常に高価なケーブルもあり、その繊細な音の違いを追求されるマニアもいらっしゃいます。
オーディオマニアでない方の中には、「たかがケーブル」と思う方もいるかもしれません。
しかし「たかがケーブル」ではありますが、種類は非常に豊富です。
たとえば材質の導体ひとつとっても、高価な「単結晶高純度無酸素銅(PCOCC)」、それを改良した「PCOCC-A」、一般的な「無酸素銅(OFC)」、
リーズナブルな「タフピッチ銅(TPC)」などがあります。そして、この材質には純度が関係します。純度が高ければ信号の伝導効率も向上します。
これらの差によって、信号の正確さ(歪みの少なさ)に違いが生まれ、結果として音の伸び、奥行き、解像度などといった個性となります。
ところがこの純度を高めるとコストが跳ね上がります。
純度を表すのに9の多さを表すNという単位を使います。たとえば、6Nなら99.9999%、7Nなら99.99999%となります。
この数字がひとつ増えるだけで、価格が何倍にもなる世界なのです。
こういうことはケーブルを見ただけではわからないので、意外に知られていないのですが、実に奥深いですよね。
ちなみに、デノンのAH-D7100には標準で「7Nケーブル」が付属しています。
「自分だけの音」を追求したいという方は、ご自身の予算と相談の上、一度リケーブルに挑戦してみてはいかがでしょうか。
実際、AH-D600に付属する2本のケーブルを交換して音の違いを聴き比べてみても、かなり音の個性が感じられて面白いと思いますよ。
リケーブルに対応したデノンのヘッドホンはこちらから。
(Denon Official Blog 編集部O)