私のオーディオ道 S&M アジア&オセアニアI 「自分のアンプを店に持ち込んでスピーカーを選んだ」
オーディオ機器メーカーで働く人の音楽観や使用機器に興味はありませんか?「私のオーディオ道」第7回は、クラシック中心の少年時代から今では無類のトランス好きになってしまったというS&M アジアアンドオセアニアのIさんにインタビューしました。
オーディオ機器メーカーで働く人の音楽観や使用機器に興味はありませんか?
その疑問にお答えする連載「私のオーディオ道」第7回は、クラシック中心の少年時代から今では無類のトランス好きになってしまったという
セールスアンドマーケティング アジアアンドオセアニアのIさんにインタビューしました。
●音楽好きになったきっかけはどのようなものでしたか?
家族が音楽好きだったことが大きいですね。
母はママさんコーラスをやっていて、3歳年上の兄は中学・高校と吹奏楽部でトランペットやフレンチホルンを吹いていました。
兄とは勉強部屋が一緒で二段ベッドだったのですが、部屋の中では兄貴が権力を持っているから、私もいっしょにクラッシックを聴いていました。
それから親戚に交響楽団のバイオリニストがいたんです。
小さいころよくその人にチケットをもらって、母と兄に連れられて聴きに行ってました。
小澤征爾のサイン色紙をもらったこともあります。
当時兄とよく聴いていたのはカール・ベームとかカラヤン、レナード・バーンスタインやロリン・マゼール。
曲はドウォルザーク、ベートーベン、ブラームスあたりです。
その兄がオーディオのシステムを持ってたんです。
単品のコンポで、ターンテーブルはデノン(当時はデンオン)のDP-59L、アンプはPMA-390、それに3ヘッドのカセットデッキ。
それらをラックに入れてドンと置いていました。
私もそのシステムを借りて、レンタル店の「友&愛」で借りたレコードをカセットテープに落としたりしていました。
●クラシックからはじまって、その後はどんな音楽が好きになっていったのですか?
中高生のときにレンタル店でよく借りたのは映画音楽です。
ジャッキー・チェンの「蛇鶴八拳」、「酔拳」とか、「炎のランナー」など。小さいころから映画はよく見ていました。
中学、高校になるとジャッキー・チェンものや、ホラー映画をよく見に行くようになり、
そのサントラを借りてカセットに録音しウォークマンで聴く、という感じで音楽と接していました。
それと当時CMで流行っていたテリー・デサリオ「Over Night Success 」という曲も大好きでよく聴いてました。
大学生になると松任谷由実はよく聴きましたね。
スキーによく行ったし、東京の立川に住んでいたので、競馬場があって左にはビール工場と「中央フリーウェイ」そのままの環境でしたから。
「サーフ・アンド・スノー」は特によく聴きました……、当時すごいブームでしたね。
あとはブルーハーツなども聴きました。
●社会人になると、どんな音楽が好きになるのですか?
入社したての頃はユーロビートなどのノリのいい曲を好きになっていて、クルマを運転しながらよく聴きました。
それから一時期、DJ用業務機器の営業をやっていたおかげでトランスも大好きになりました。
アジアのディスコやクラブで「デノン・ナイト」と銘打ったイベントを現地スタッフと企画したりしていたんですが、
そこでトランスを浴びるように聴きました。
当時、東南アジアのディスコはものすごかったです。
日本ではすでに「クラブ」が中心に変わっていましたが、東南アジアでは相変わらず耳が割れるような大音量で
トランス系のダンスミュージックを鳴らしていて、お立ち台の上で女性がガンガン踊ったりしてました。
もともとトランスが好きだったのですが、その仕事がらみで大音量で浴びるように聴いたことで、もっと好きになりました(笑)。
●オーディオに関しても聞かせてください。Iさんが自分のオーディオを買ったのはいつですか。
学生時代はウォークマンやラジカセ中心でしたから、初めて自分のオーディオシステムを買ったのは社会人になってからです。
最初はたしか、デノンのミニサイズのAVレシーバー、AVR-F100, POA-F100(海外モデル)に5.1chのスピーカーを繋げていました。
次に実家のためにPMA-S10と、DCD-S10と、あと、黒いピアノのフィニッシュのSC-E757を買って、親にプレゼントしました。
その後、6年前にシンガポールに赴任していたんですが、
そこではまずAVアンプのAVR-4308A(海外モデル)を買って5.1chのサラウンド再生環境にしました。
ただ音楽はHi-Fi用の機器で再生したかったので、それに加えてプリメインアンプのPMA-1500AEと
CDプレーヤーのDCD-1500AE(いずれも海外モデル)を揃えました。
それからスピーカーですが、自分のアンプで鳴らしていちばんいい音がするスピーカーを選びたかったので、
かなり重かったのですが、自分のアンプをオーディオショップに持ち込んで、さんざんいろいろなスピーカーを試聴しました。
それで最終的に選んだスピーカーが、フロントはB&Wの805。センターがHTM4。リアがB&W 685でした。
サブウーファーはボストンアコースティックスです。
基本はAVR-4308Aを核としたサラウンド再生のシステムですが、フロントの2chはAVR-4308Aからプリアウトで出して、
PMA-1500AEで増幅して鳴らすようにしていました。
シンガポール赴任中は、CDを買ってたくさん音楽を聴いていましたね。
こういうシステムにしたのは、現地でよく見ていたMTVが影響していたと思います。
シンガポールはテレビ番組が日本のように多くはないのでMTVをよく見ていました。
テレビでMTVを見る時は2chに切り替えて、アンプはPMA-1500AEを使って音を聴いていたんです。
フロントをHi-Fi用にシステム化することで、パワー感というか余裕が感じられるので、私は好きでした。
●かなり凝ったシステムですね。日本に帰ってからもそのシステムを使っているのですか?
それが・・・ぜんぶシンガポールの電圧が230V仕様だったので、日本ではそのまま使えないんですよ。
それで2年前に帰国するときに友人にあげてしまいました。ただしスピーカーは日本で使えますから持ち帰り、
今はプリメインアンプがPMA-1500RE、CDプレーヤーがDCD-1500REで組んでいます。
●今後はどんなシステムにしていこうと思いますか?
今は、「そろそろハイレゾ!」という気持ちなんです。
DCD-1500REはUSB-DAC を搭載しているので、パソコンと接続するだけでハイレゾ音源が再生できます。
ただ、まだこれからという感じで、やっとケーブルを注文したところです(笑)。
●ハイレゾではたとえばどんな音楽を聞いてみたいですか?
I:やっぱりヴォーカルものですかね。綺麗でまったりとした曲を聴いてみたいですね。
たとえば、サラ・マクラクランの「エンジェル」や、男性ヴォーカルでは中国の趙鵬(Jing Tang Mu Band)などは、
製品のプロモーションをする時、テストディスクとして必ず持っていく曲でもあります。
そういったヴォーカルものをハイレゾで聞いてみたいと思います。
サラ・マクラクランは、社内の人がおすすめするディスクの中に入っていたのが出会いだったと思います。
声が透き通って、しかも低音も結構出ていて、一度聴いただけで好きになってしました。
趙鵬は、シンガポールで仲のよかった友人が聴いていたのがきっかけ。
中国語で歌っているので、意味はわからないんですが、とても人情味あふれるメロディーが好きです。
それから最近の超イチ押しが、ジョン・レジェンドの「All Of Me」。
最近オーストラリアに出張で行ったときに現地のスタッフがたまたまかけたのを聴いて、すごいなと思って。
ピアノとヴォーカルのシンプルな曲ながら、その美しさに感動しました。
Iさん、ありがとうございました。このコーナーではこれからもいろいろなオーディオ道を紹介してきます。乞うご期待!
「All Of Me」を収録したアルバム
アーティスト名:ジョン・レジェンド
アルバム・タイトル:『ラヴ・イン・ザ・フューチャー』
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
【Iさんの使用機器】
CDプレーヤー: DCD-1500RE
プリメインアンプ: PMA-1500RE
(Denon Official Blog 編集部 I)