【無人島CD】 これならあと一万回聴いても、たぶん飽きないでしょう。
無人島にたった1枚だけCDを持って行けるとしたらどれを選ぶ?デノン社員T2が選んだのは、決して飽きることのない名曲。すでに何百回も聴いているのに飽きないという、その名曲とは?
今回はAPマーケティング部の社員T2が担当いたします。
前回このコーナーに登場したTさんと同様に、私は私で、結構真面目に考えたんですね、無人島生活を。
よくよく考えたんですが、かなり退屈だろうと。深く考えた割には、結論が、当たり前ですか……(苦笑)。
そんで退屈な無人島生活で、何度聞いても決して飽きないであろう、という視点で選んだのが
「パッヘルベルのカノン」という曲です。
この曲が収録されているアルバムは、もちろんたくさんあります。
その中から私は「アダージョ・カラヤン」を持って行こうと思っています。
「パッヘルベルのカノン」って、山下達郎の「クリスマス・イブ」など現代のヒット曲にもアレンジで入れられていたりして、
日本人にとても愛されている曲ではないでしょうか。
また、この曲のコード進行からアイディアを得たポップスも多いと思います。
私がこの曲を好きになったのは、仕事を通じてでした。
デノンに入社して、お客さまに聴いていただくための試聴用にクラシックのCDが必要があったので、
最初に買ったCDが「パッヘルベルのカノン」だったんです。
正直言ってクラシックはそれまで何も知らなかったんですが、
パッヘルベルのカノンだけは知っていたのです。
その時に買ったのはたしかチェンバロ奏者のトレヴァー・ピノックが演奏、指揮をしているCDだったと思います。
もちろんまだ「アダージョ・カラヤン」は出ていませんでした。
実はこの曲、「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」というのが正式な曲名で、
もともとの楽器編成では、チェンバロやチェロなどの通奏低音の上で3本のヴァイオリンがメロディを演奏します。
その後、編成が大きくなり、今ではオーケストラで演奏されることも多くなっています。
このようなクラシックの基礎的な知識や「ヴァイオリンとチェロの違い」、
「チェンバロとピアノの関係」といったことなどを、たくさん勉強させてもらった曲でもあります。
その後、私はいろいろなカノンを聴きました。
「カノン100%」というパッヘルベルのカノンだけが、
いろんな編成の演奏で入っているCDもあるんです。
それ含め、それこそ多くのカノンを聴いたのですが、
中でも一番好きなのが、この「アダージョ・カラヤン」に収録されているカノンでした。
指揮はもちろん帝王・カラヤン、演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。
カノンというと、曲が進むにつれてぐんぐん盛り上がっていくダイナミックなカノンもあるんですよ。
ところが、このカノンはとても粋な感じがします。
心憎いズラしかたをする、老練な演奏といっていいのではないでしょうか。
私がこのカノンに惹かれる理由はそこにありますし、
これが「飽きない」と思える理由かもしれません。
私は、あと一万回聴いても、たぶんこの演奏には飽きないでしょう。
えっ、アダージョ・カラヤンに収録された他の曲ですか?
それが、どれもそんなに好きな曲じゃないんですよ。
このCDで聴きたいのはパッヘルベルのカノン、1曲だけです。
でも全く飽きないと思います。
大丈夫です。
たぶん……。
アルバム・タイトル:『アダージョ・カラヤン DX』 カラヤン
ユニバーサルミュージック