超初心者のための「スピーカーの置き方」
音楽は普段、スマホとヘッドホンで、という方も多いと思います。でもしっかりとセッティングしたスピーカーで音楽を聴くと、ヘッドホンでは味わえない広がり感や豊かさを感じることができます。今回は、超初心者シリーズとして、ミニコンポやHi-Fiシステムで活用できる「スピーカーの置き方」についてご紹介します。
正しくスピーカーを接続する
まずスピーカーをセッティングする前に大切なのは、スピーカーとオーディオ機器を正確に接続することです。スピーカー1本につきケーブルをプラス(+)とマイナス(−)2本接続しますので、計4本のケーブルを接続することになります。アンプのLチャンネルは左に、Rチャンネルは右のスピーカーに接続します。
スピーカーケーブルにはプラス(+)とマイナス(−)がありますので、アンプとスピーカーの端子それぞれのプラスとマイナスを間違えないように接続しましょう。下の写真のようにプラスとマイナスで端子やケーブルの色を変えているものが多いので、色を合わせるとミスが防げます。
↑赤色と黒色の2本のケーブルの場合は赤をプラス、黒をマイナスとして使用します
またスピーカーケーブルで気をつけたいのは、LチャンネルとRチャンネルのケーブル長を同じにすることです。セッティングによって左右のスピーカーで必要なケーブルの長さが異なっても、左右のケーブルの長さは同じにしてください。長さが異なると左右で音のバランスが崩れてしまいます。
もう一点大切なことがあります。それは接続ケーブルやその他の電源ケーブルなどを束ねてしまわないこと。ケーブル類がバラバラしていると、つい几帳面にまとめたくなりますが、オーディオケーブルやスピーカーケーブル、電源ケーブルを束ねるとそれぞれのケーブルを流れる信号が干渉し合うことによって音質劣化が発生することがあるので、ケーブルはまとめずに、長さも最小限の長さにしつつ、テンションがかからないように少し余裕を持たせるようにしましょう。
リスニングポジションは正三角形か二等辺三角形の頂点に
正しく接続できたところで、スピーカーのセッティングに入りましょう。
まずリスニングポジションを決めます。基本は左右のスピーカーとリスニングポイントが正三角形、あるいは二等辺三角形になる場所にしてください。ポイントはリスニングポジションから左右のスピーカーが等距離にあることです。
スピーカーの高さを耳の高さにあわせる
次にスピーカーの高さを決めます。
リスニングポジションで音楽を聴く時に使う椅子に座り、スピーカーの高さを耳にあわせてください。
スピーカーのユニットがひとつであれば、耳の高さがスピーカーユニットの中心となる高さに設定します。またウーハー(低音用)とツイーター(高音用)の2ウェイ構成のスピーカー、あるいはそれ以上の場合は、ツイーターに耳の高さを合わせます。
スピーカーの角度は音を聴きながら調整
そしてスピーカーの向きですが、まずは正面から始めてみましょう。メーカーによって正面に向ける、内側(聴き手側)の方向にやや振るなど推奨のセッティングがある場合もありますが、部屋の広さや壁の材質、壁までの距離など様々な要因により影響を受けるため、実際に音を聴きながら好みに合うように調整しましょう。
リスニングポジションが正三角形よりスピーカーに近い場合、またスピーカーの左右の距離が離れている場合は「中抜け」といってセンター部分の音が薄くなることがありますので、その場合はスピーカーをやや内側に振ってみると解消できることがあります。
今回ブログ用の撮影の時にもスピーカーの向きを正面とやや内側に振ったものとで音を聴き比べてみましたが、想像以上に音が変化しました。
スピーカーを正面して聴いているときには豊かで拡がりがある音場が楽しめましたが、やや内振りにすると、音が引き締まり、各楽器の音がシャープになって、正面のボーカルも、まるでそこにいるかのように鮮明になりました。このあたりは聴き手の好みにもよるところですので、ぜひいろいろ試してみてください。
インシュレーターやスピーカースタンドでワンランク上のサウンドに
スピーカーの基本的なセッティングは以上ですが、さらに良い音で楽しむためにいくつかヒントをお教えします。
まずひとつはインシュレーターを活用すること。
スピーカーはドライバーの振幅によって音を出すものですから、どうしても振動します。その振動を抑えるために下の写真のようなインシュレーターをスピーカーと設置面の間に挟みます。これはスピーカーの振動をCDプレーヤーやプリメインアンプに伝えないようにするだけではなく、2つのスピーカー間で振動が伝わるのを抑える働きもします。スピーカーに外部からの余計な振動が伝わらなくなることで、再生される音は見違えるほどクリアになります。
インシュレーターにはさまざまな素材や形状があり、効果もそれぞれ異なりますが、同じ素材で同じ大きさのものが片チャンネルで3つ、合計6個あれば、インシュレーターの代わりになります。オーディオ用のインシュレーターにこだわらず、たとえばコインや硬貨、同じ大きさの木片などを挟んでみて、形や素材、大きさによってどのように音が変わるのか試してみるのも面白いでしょう。
デノンオフィシャルブログ『超初心者のための「インシュレーターって何?」』では、インシュレーターのご紹介をしています。そちらもぜひご覧ください。
そして最後にご紹介したいのはスピーカースタンドです。
棚やオーディオラックにスピーカーをセットした場合は、インシュレーターを使ってもやはり振動が他に伝わる可能性がありますが、しっかりしたスピーカースタンドを使えば振動の影響をより効果的に抑えることができます。また設置する場所も自由に設定できますので、スピーカーのセッティングには最良な方法だと言えるでしょう。
というわけで、今回はスピーカーのセッティングについてご紹介しました。スピーカーは音の出口であり、置き場所や設置方法の工夫で劇的に音が変わります。今回ご紹介したセッティング方法を参考にしながら、ぜひお好みのセッティングを見つけてください。
(編集部I)