
超初心者のための「HDMIって何?」

BSで8K放送も始まり、デノンからも8K対応のAVアンプが登場するなど8Kの普及が本格化しています。ところで4Kから8Kに変わっても今までのHDMIケーブルは使えるのでしょうか。そもそもHDMIってどういうものなのでしょうか? そんな疑問にお答えします。
そもそもHDMIって?
テレビ、ゲーム機、AVアンプ、Blu-rayレコーダーなどを接続するために使われているHDMIケーブルですが、そもそもHDMIとは何でしょうか。
HDMIとはHigh-Definition Multimedia Interface(高精細度マルチメディアインターフェース)の略称で、デジタル家電やAV機器間で高品位な映像や音声をやり取りするため、2002年に半導体メーカーや家電メーカーが中心となって策定したインタフェースの規格です。
HDMIの特徴は、音声と映像が1本のケーブルで伝送できることです。HDMIは PCとディスプレイを接続する際の標準規格であるDVIをベースにした規格ですが、DVIは映像のみの規格で、音声は別のケーブルで伝送する必要がありました。
HDMIはフルデジタル伝送のため、信号劣化が少ないこと、しかも送信できるデータ容量が多いため映像・音声を非圧縮でプレーヤーなどからテレビ、プロジェクター、AVアンプへと伝送できます。
また「HDCP」というデジタルコンテンツの不正コピーを防ぐことを目的とした著作権保護技術を持っていることも重要です。HDCPにより、映画やテレビなどのコンテンツの不正コピーを防ぎながら高精細なデジタル映像信号を伝送することが可能になりました。
HDMIケーブルでいろいろつながる
ではHDMIとは実際にどんな端子で、具体的にどんな点が便利なのでしょうか。8Kに対応したデノンのAVサラウンドレシーバーAVR-X4700Hのリアパネルを見てみましょう。
こちらがAVR-X4700Hのリアパネルです。
この上端の黄色く囲った部分がHDMI端子です。拡大してみるとHDMI端子がずらりと並んでいるのがおわかりでしょうか。
ここにはCBL-SAT(ケーブルテレビ/衛星放送チューナー)DVDプレーヤー、Blu-rayプレーヤー、メディアプレーヤー、ゲーム、CDプレーヤーなど、さらに8K入力用の端子も用意されています。また出力に関してもAVR-X4700Hでは3系統用意されています。
HDMIケーブルにより様々なデジタル機器と簡単に接続できる
接続図を示すとこんな感じになります。
このように全ての機器がHDMIケーブルで接続できるので、機器によって様々な種類のケーブルを用意する必要はありません。しかも映像と音声を1本のHDMIケーブルでつなげるため、配線がとてもシンプルでわかりやすく、ケーブルの本数も減るのですっきり配線できます。
とにかく全てをAVアンプにつないでおけば、映像も音声もすべてAVアンプで一括コントロールできます。
HDMIにはバージョンがあり、最新版のHDMI 2.1では8Kに対応
HDMIは2002年に初めて「HDMI 1.0」としてリリースされました。そしてその後の技術の進展やデジタル機器の進化にあわせてバージョンアップを続けています。
現在流通している機器の主なHDMIバージョンは「HDMI 1.4」「HDMI 2.0」そして最新版の「HDMI 2.1」です。
その主な特長は以下です。
・HDMI 1.4
フルHD対応、フレームレートの低い4K映像にも対応、最大伝送帯域10.2 Gbps
・HDMI 2.0
本格的に4K映像に対応、最大伝送帯域18 Gbps
・HDMI 2.1
非圧縮で8K対応、高解像度、最大伝送帯域48 Gbps
特に気になるところは最新のHDMI 2.1とその前のHDMI 2.0の違いですよね。バージョン番号としては0.1だけしか違わないのですが、以下の表を見れば格段に向上していることがおわかりいただけるでしょう。解像度は4Kから8Kに向上し、帯域幅も2.6倍になっています。話題の8Kは、最新版のHDMI規格であるHDMI 2.1によって実現したものです。
HDMI 2.0と2.1の主な違い | HDMI 2.0 | HDMI 2.1 |
---|---|---|
帯域幅 | 18 Gbps | 48 Gbps |
解像度/リフレッシュレート | 4K静的HDR/60Hz フルHD静的HDR/240Hz |
8K/60Hz 4K動的HDR/144Hz フルHD動的HDR/240Hz以上 |
VRR | × | ○ |
ARC | ARC | eARC |
DSC | × | ○ |
対応する HDMIケーブル認証 | プレミアムハイスピード | ウルトラハイスピード |
HDMI 2.1の詳細については以下のデノンオフィシャルブログのエントリーをご覧ください。
結論:8K/60Hzの再生には48 Gbps伝送に対応したケーブルが必要
このように進化を続けているHDMIですが、HDMIのケーブルは同じものが使えるのでしょうか。
たとえば最新の8K/60Hz映像信号の再生に従来のHDMIケーブルは使えるのでしょうか。
答えはノーです。最新のHDMI 48 Gbps伝送に対応したHDMIケーブルを用意する必要があります。データ量が飛躍的に増大した8K/60Hzの伝送には、48 Gbpsに対応したHDMIケーブルが必要になります。
HDMI2.0では18 Gbps だった帯域幅がHDMI 2.1の帯域幅では48 Gbpsと飛躍的に向上し、HDMI 2.1ではHDMIケーブルも48 Gbpsに対応したものが必要となった
HDMIはケーブルもそれぞれのバージョンに対応したものがあります。ただしバージョンが明記されていないものもあるためご注意ください。
HDMIケーブルの種類 | 解像度 | 最大伝送帯域 |
---|---|---|
ウルトラハイスピード (HDMI 2.1) | 8k/60Hz | 48 Gbps |
プレミアムハイスピード (HDMI 2.0) | 8K/30Hz | 18 Gbps |
ハイスピード (HDMI 1.3~1.4) | 3D対応(1.4) 4K/30Hz対応(1.4) | 10.2 Gbps |
スタンダード (HDMI 1.2以前) | 1080i(1920×1080) 720p(1280×720) |
4.95 Gbps |
※表記はメーカーにより異なる場合があります。
これらのケーブルには下位互換性はありますが、上位互換性はありません。上の表の右列の最大伝送帯域をよく確認してHDMIのケーブルを選ぶ必要があります。特に8K/60Hz対応の機器を接続する場合は「ウルトラハイスピード」、あるいは「48 Gbps対応」と明記されているHDMIケーブルを使用しましょう。
ちなみにHDMIケーブルは端子形状にも主に3つの種類があります。
・タイプA
いわゆる標準サイズのもので、最も多く使われているHDMIコネクターです。
・タイプC
HDMI-miniと呼ばれるもので、デジタルビデオカメラなどに主に採用されているやや小型の端子です。
・タイプD
HDMI-microと呼ばれるものでタイプCよりさらに小振りなもの。スマホなどで採用されていることがあります。
※ご注意! HDMIケーブル以外にも、USBケーブル、ミニUSBケーブル、マイクロUSBケーブルなど様々な形状の端子がありますので、購入時、使用時にはよく確認することをお勧めします。
D&Mホールディングスではアメリカの高級ケーブル専門ブランド「AudioQuest」の製品を扱っています。ウルトラハイスピード(48 Gbps)に対応したHDMIケーブルもリリースされましたので、そちらもぜひご覧ください。
(編集部I)
Recommend for you. この記事を読んだ人におすすめの記事
HOME THEATER 同じカテゴリの記事

まっさらな気持ちで迎えたい新生活におすすめ! ホワイトシリーズ

ステレオ・スマートスピーカー 2機種体験レポート「Denon Home350とDenon Home250を聴…

ワイヤレスサブウーハー「Denon Home Subwoofer」の迫力を体験してみた。

サウンドバー Denon Home Sound Bar 550でDolby Atmosコンテンツ「ザ・ビート…

松室政哉 インタビュー サウンドバー聴き比べ【後編】 Denon Home Sound Bar 550を中心…
