PS5を4K/120p対応のAVアンプAVR-X2700Hのサラウンド環境でプレイしてみた
2020年11月に発売された次世代ゲーム機PS5。店頭での混乱を避けた抽選販売はかなりの倍率だったため、購入できた人できなかった人、悲喜こもごも。たくさんのコメントがSNSに溢れていました。そんなPS5をデノンブログ編集部でも体験! 4K/8K対応のAVアンプ、AVR-X2700Hを使用した贅沢サラウンド環境で編集部員がプレイしてみました。
4K/120p、4.0.2chの贅沢環境でプレイ
次世代の家庭用ゲームコンソールとして、PS5の注目されている機能のひとつが超高速SSD。今までゲーム内の場面転換でデータの読み込みに時間がかかり、ゲーマーたちが密かにストレスに感じていた部分が、どれほど改善されたのか。そして4K/120p対応という点で、より美麗なグラフィックと、これまでコアなPCゲーマーしか味わえなかった“ヌルヌル”した動きがコンシューマー機で体験できることへの期待も大きいです。ただし、4K/120pでプレイできるソフトは限られており現在は「デビル メイ クライ5 スペシャルエディション」(CAPCOM)のみ、4K/120pに対応できるテレビやモニターもまだそれほど多くありません。
ちなみにPS5は8K対応とされていますが今のところ未対応で、今後のアップデートで実装され、8Kソフトが出てくればプレイできるようになる予定とのこと。PS5はサイズ的に歴代PlayStationの中では最大です。縦置きすると大きく見えますが、横置きにしてテレビラック等に収納できればあまり気にならないようにも思いました。AVアンプは2020年に発売された、4K/120p、8K/60p対応のAVR-X2700H。AudioQuestのUltra High Speed HDMIケーブルでそれぞれをつなぎ、スピーカーはフロントL/R、リアL/R、天井にトップミドルL/Rの4.0.2chの贅沢な環境です。
(左)AVR-2700Hの背面。Ultra High Speed HDMIケーブル2本でテレビとPS5につなぐ (右)PS5の背面。
「デビル メイ クライ5 スペシャルエディション」をいろいろな設定で比較体験
さっそく「デビル メイ クライ5 スペシャルエディション」をプレイ。まず驚いたのがロードの速さ。超高速SSD搭載で、スタート画面からのロード時、リプレイ時、マップ移動時など場面転換の速さが格段にアップしたことを実感。PS4まではロードするのに1分近く待たされることもしばしばありましたが、PS5は待ち時間も少なくサクサク次へ進めてストレスを感じません。「デビル メイ クライ5 スペシャルエディション」ではフレームレートを60fps/120fpsから選べることもあり、今回はいろいろな設定でゲームを比較体験しました。
●4K/120fps、4.0.2ch
まずは最高の環境でプレイ。プレイする前は120fpsと60fpsってそんなにハッキリ違いが分かるものなのか…と半信半疑でしたが、オープニングを終え、主人公キャラのネロを動かしてみると、すぐにその動きのヌルヌルさが実感できました。全然違います。縦横360度ぐるっとカメラをまわしても、カクついた動きや引っかかり、画像の粗さも気にならず、スーッと画面がシームレスに動いてめちゃくちゃ感動しました…! 普通に景色を見ているような感覚に近いです。4Kグラフィックも美しく映画のようです。そして何よりも4.0.2chサラウンドで音の迫力がすごい!
敵がポップした時のベチャっとした不気味な音、ズリズリとかすかに動く音が、後方や横の近い位置から聴こえてくるので、敵の存在がよりリアルに感じられ緊張感に包まれます。左後方スピーカーから敵の蠢きが聴こえてきた時には、思わず振り向いてしまったほど。これは、今までゲームをしていて感じたことのない臨場感です。ボスのバトルシーンでは重低音が響くハードロック調のアップテンポな音楽に、風などの環境音が微かに上空の方から混じりつつ、ガンアクションや剣が激しくぶつかる音、金属がこすれる音などすべての音が立体的にバランスよく響く、そんな大迫力の音に包まれながら、ヌルヌルと動く画面で華麗にコンボ技を決めると爽快感マシマシで本当に最高です! 雨のシーンがとても気持ちよくて、前後左右から雨が降る音、上下で雨がアスファルトにはねる音、音の定位も良く、実際に雨の中に立っているような錯覚さえしてきました。
●4K/60fps、4.0.2ch
120fpsを体験した後に、60fpsでもプレイ。やっぱり「あー!? 違う!」と言ってしまうほど明らかに画面の滑らかさが違います。もちろん60fpsが悪いわけではなく、現在ほとんどのゲームやテレビが最大60fpsですので、家庭用ゲームとしては一般的な仕様です。それでも、120fpsに比べるとカメラを回した時のカクつきや、ぼやっとした画像の粗さを感じてしまうのです。ちなみにPS5でもPS4と同じで「画質優先モード」「パフォーマンス優先モード」が設定でき、前者を選択すると多少パフォーマンスは落ちますがより美しいグラフィックとなります。カッコいいスクリーンショットを撮りたいSS勢には楽しめる機能ですね。
●4K/120fps、DTS Virtual:X
次に4.0.2chではなくフロント2chで、DTS Virtual:X(バーチャルサラウンド)でプレイ。バーチャルサラウンドは、天井や後方など家庭で全てのサラウンドスピーカーを揃えるのは難しい環境でも、バーチャルで立体的なサラウンド体験を可能にする技術。詳しくは下記の記事をご覧ください。
これもすごくイイ!
前方にあるたった2つのスピーカーだけで鳴らしているとは思えない音に包まれてプレイできる爽快感と、ゲームに没入できるリアルな感覚はそのままに楽しめます。ただどうしても実際のサラウンドで聴いた後に試すと、音自体の迫力、パワーの面でやはり少し落ちる印象です。とはいえ限られたスペースでサラウンド環境でのゲームプレイを試してみるのには、DTS Virtual:Xでも十分だと思います。
●4K/120fps、テレビのスピーカーのみ
最後にAVアンプを介さず、テレビのスピーカーのみでプレイ。これが言わば最も一般的な状態といえばそうなのですが、やはりサラウンドで聴いた後は物足りなさがすごいです。せっかくのPS5、高画質でサウンドも作り込まれている作品が十分楽しめないようにも思います。映画と同じように、ゲームでも音が語ることの大切さを実感せざるを得ません。ちなみにPS5で採用しているサウンドシステムは「Tempest 3Dオーディオ」というもので、これは推奨のヘッドセットなどを装着すると、より3Dサウンドが楽しめるとのことです。
後方互換機能でPS4のタイトルもプレイ
PS5ではPS4のソフトも後方互換機能で楽しめます。PS4のソフトから「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(CAPCOM)も試してみました。世界中で大ヒットしている人気のタイトルです。モンスターハンターの拠点となる村は、水の音の表現が豊かなところが印象的です。滝が落ちる音、遠くから響く波の音など、キャラクターが場所を移動すると、自然に聴こえ方も変わり、音がしっかり定位しているのが分かります。風の音、草の上を歩く音など、環境音は実際に全国各地へロケに行って録音してきたものを採用しているので、映画のようなリアルさと奥行きを感じます。
こちらもクエストを受けてからや、フィールドが変わる時の場面転換のロード時間がとても速く、ストレスなく進められます。もともとモンスターハンターはPS4 Proでも4K/60fpsでプレイできるため、PS5でプレイしたとしても数値的には同じです。しかし明らかにPS5で見るほうが動きも滑らかで、グラフィックも美しく見えます。これはなぜかというと、PS4 Proが4K/60fpsで出力していても、画面にオブジェクトがたくさんある場合、負荷がかかりすぎてコマ落ちをすることがあることが原因だとか。PS5ではそのような現象が少ないことから、PS4より安定した動きやグラフィックでゲームを楽しむことができます。
次世代ゲーム機をサラウンド環境でプレイするのは、これまでに経験したことのない贅沢な体験で、まさに次世代の、新しいエンタテインメント時代の幕開けという感じもしました。個人的にはPS5はまだ購入できていないのもあり、今回のお試しプレイはとても楽しめました。いつかサラウンド環境を整えたいなと思うようにも…。 せっかくなので好きなアサクリシリーズの最新作、「アサシン クリード ヴァルハラ」(UBISOFT)はPS5でやってみたいと思い、PS4版のものを買えずにいます。いつ発売になるかわからない「Final Fantasy XVI」(スクウェア・エニックス)が出る頃には入手できていると良いなと思います…!
(編集部S)