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 (昭和58年)

「感動は生き続ける」
「MCの歴史を築き上げたDL-103 そしていま新たなる感動の系譜」

MC型カートリッジ
DL-103M
標準価格:27,000円

■1983年6月

はじめに

DL-103Mは放送用・レコードカッティングモニター用として標準使用されているDL-103のフラットな音質バランスを受け継ぎながら軽針圧ハイコンプライアンスタイプにして、トラッカビリティをアップしたNew MCです。
価格は、ワンステップグレードアップ需要層にターゲットをあてた中級ゾーンにありますが、最高級モデルのDL-1000Aや305に採用されているアモルファスボロンをカンチレバーに効果的に使用、また空芯アーマチュアにより軽量化と磁気歪を極限迄抑え込むなど、高級機ならではの設計です。
103ゆずりのフラットな音質、DL-1000Aゆずりの透明感に加え、少し欲ばりですが粒方ちの良い現代感覚も表現すべく音を練り上げました。


DL-103Mの主な特長

A 高品位サウンドを実現する合理的振動系

(1)アモルファスボロンカンチレバーの採用

振動系の中でも音質のキメ手となるカンチレバーにアモルファスボロンパイプを効果的に配置し、中域のたるみの少ないフラットな周波数特性を得ています。

(2)空芯形アーマチュアの採用

発電効率の良さでは磁性体入りアーマチュアに譲りますが、直線性の問題、磁気損失による歪の発生の可能性がないことと振動系の実効質量低減に大きなメリットがあります。

(3)DENON独自の2ウェイダンピング方式

中低域・高域をそれぞれ分担してダンピングし、20Hz〜60kHzに至るまでリニアな周波数特性が得られます。
また、すぐれた温度特性も発揮し、夏と冬とでトレース能力の差が出にくいのも大きな特長です。

B 無共振思想を貫く強靭なボディとフレーム一体構造

有害な共振源を排除するため、サマリウムコバルトマグネットとターミナルを高強度プラスチックにより一体フレーム構造としています。
又、Metal精密仕上ボディの採用により、高級感があることと、シェルへガッチリ取付けられる事も大きな特長です。

C 軽針圧と優れた追従性

合理的な振動系の軽量化と、ハイコンプライアンス化により広帯域にわたり、安定したトレースを維持するとともに、ボディ軽量化とあいまってレコードのそり等による針圧の不規則な変化に対しても十分安定した追従性を示し、混変調ひずみの少ない優れたレコード再生を実現します。


DL-103M主要規格

  • 発電方式:空芯ムービングコイル形
  • 出力電圧:0.12mV(1kHz 50mm/sec水平方向)
  • 左右感度差:1dB以内(1kHz)
  • 左右分離度:25dB以内(1kHz)
  • 電気インピーダンス:40Ω
  • コンプライアンス
    ・ダイナミック:13×10-6cm/dyne(100Hz レコードによる)
    ・スタティック:35×10-6cm/dyne
  • 針先:0.07×0.14角ソリッドダイヤ 特殊楕円針
  • 針圧:1.4g±0.2g
  • 再生周波数範囲:20Hz〜60kHz
  • 自重:5.6g
  • 負荷抵抗:100Ω以上(トランス使用の場合40Ω)F特データ添付


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