オーディオの原点? 電池ナシで聴こえる不思議。 夏休みの自由研究でゲルマニウムラジオを作ってみた
編集部員Yの小学生のころには、クラスの誰かが持っていた鉱石ラジオ。どんな仕組みで聴こえるのかはよくわからなかったが、「あれこそ、オーディオの原点ではないのか!」と、 編集部員の娘(小5)が、夏休みの自由研究で鉱石ラジオの親戚「ゲルマニウムラジオ」を作ってみました。
どんな仕組みで聴こえるのかはよくわからなかったが、あれこそ、オーディオの原点ではないのか。
小5の娘に「夏休みの自由研究でラジオを作ってみたらどうか」と聞いたら
「やる」と本人もやる気です。ネット*で作り方を紹介しているページをいくつか調べた結果、比較的カンタンに成功しそうな「ゲルマニウムラジオ」に
することにしました。鉱石ラジオの親戚みたいなものですね。
部品は秋葉原で調達。電波会館の建物の中にある通路。お店がぎっしり。
そして2階。まさにディープ・アキハバラ。
2階の奥のお店に、ちゃんと全部品揃っていました。アキバ偉大なり!
店員さんに助けてもらい、秋葉原で購入した部品一式。全部で2000円かかりません。
これはゲルマニウムダイオード。1N60という規格。
「これが一番大事な部品で、一方の方向にしか電気を通さない働きがあるのだよ」と娘にエラそうに説明するものの、
それがなぜ聴こえることにつながるのかまでは説明が大変そうなので適当にごまかします。
右がバリコン(バリアブルコンデンサ)で、選局する部品。「AMラジオ用の単連」という規格。左はそのツマミ。
マイクロインダクタ。330マイクロヘンリー。小型のコイル。
小さな端子。アンテナ、アースやイヤホンをくくりつけるのに使います。
クリスタルイヤホン。圧電効果を利用して聴こえるもので、ゲルマニウムラジオの必需品です。
「これ何?」と娘がつまみあげて聞く。これがイヤホンに見えないらしい。
理由を聞けば「だってこれ、ひとつしかないじゃん」
!!!なるほど〜。ステレオがデフォルトか。昭和は遠くなりにけりだなぁ……。
そうこうしている間に、設計図完成。すごくシンプルですね。
まず適当な板切れを用意し、端子を立てるための穴をキリで開けます。
穴をネジの太さに合わせてドリルで広げるところだけ編集部員Yが担当。端子をねじ込んで立てます。
バリコンを両面テープで固定。
ゲルマニウムダイオード、マイクロインダクタを端子に接続。
今回は調子に乗ってすずメッキ線を使ってハンダ付けしてしまったけれど、実際は、配線はビニールコードを
より合わせてつなぎテープで止めれば充分ですね。
【ご注意】ハンダ付けする場合は、コテやハンダが非常に熱くなり危険なので必ず保護者の方が作業してください。
最後にバリコンにも配線して、配線完了!
設計図を描き始めてから1時間以内でできあがりました。
そして、組み立てに入ります。
アンテナ、アース、イヤホンを端子に接続。
バリコンにつまみをくっつけたら……、
あっさりと完成!
アンテナは部屋から出し、ベランダの手すり沿いに長くはわせます。
ベランダの手すりも金属なのでアンテナの役割を果たしてくれるかも。アースは部屋の中に。
いよいよ聴いてみます。
果たして聴こえるのか……、
「……あれ」
「なんか聴こえる!」
「音楽が鳴ってる!」
「人がしゃべってるのと、演歌みたいのが聴こえる!」
娘よ、それはきっと某第1放送に違いないと思うぞ。
イヤホンを借りて編集部員Yも聴いてみました。
確かに、お昼のAM的な番組がしっかりと聴こえます。
はかなげだですがハッキリとした音で、アナウンサーが話している内容もよくわかりました。
とにかく成功し父親の面目も立ってよかったです。
娘は電池も入っていないのに、音が鳴るのが不思議だったようです。確かに、電力を使わず、
そのヘンを漂っている電波の力だけで音が聴こえるのは、大人にとっても不思議で、ちょっと泣けてくるぐらい感動的な体験でした。
大満足のゲルマニウムラジオ作りでありました。
みなさんも時間があればぜひ試してみては??
*ゲルマニウムラジオの作りかたに関しては、こちらのページを参考にさせていただきました。感謝いたします。
http://www.zea.jp/audio/ge3/ge3_01.htm
(Denon Official Blog 編集部Y)