カブらないクリスマスソング
街を歩くと、クリスマスソングが流れる季節になってきました。しかし音楽好きのみなさん、この季節になるとどこへいっても「またあの曲か、次はこの曲か……。」と同じ曲ばかり。「たまには違うクリスマスソングが聴きたいなぁ」なんて思いませんか? というわけで今回は定番ソングとはまずカブらない、通好みのクリスマスソングをご紹介しましょう。
街を歩くと、クリスマスソングが流れる季節になってきました。
しかし音楽好きのみなさん、この季節になるとどこへいっても「またあの曲か、次はこの曲か……。」と同じ曲ばかり。
「たまには違うクリスマスソングが聴きたいなぁ」なんて思いませんか?
というわけで今回は定番ソングとはまずカブらない、通好みのクリスマスソングをご紹介しましょう。
「NIAGARA CALENDAR」大瀧詠一
ソニー・ミュージックレコーズ
まずはユニークなこの曲からご紹介しましょう。
大瀧詠一の「NIAGARA CALENDAR」に収録されている「クリスマス音頭」です。
「クリスマス」で「音頭」ですからね。さすが、日本ポップス界の巨匠、大瀧詠一です。
1981年には「A LONG VACATION」でミリオンセラーを飛ばしますが、
このアルバムのリリースは1977年。まだ知る人ぞ知る、といったアルバムでした。
「カレンダー」というタイトルどおり、このアルバムには1月から12月までを
テーマとした曲が1曲ずつ、1月の「Rock’n’Rollお年玉」から始まって
12月が「クリマス音頭」まで、計12曲が収録されているという洒落た趣向です。
どの月も名曲揃いですが、クリスマス音頭は歌詞の内容も抜群に面白く、
昭和のクリスマスの風景が頭をよぎります。
「CHANSONS EXTRAITES DE DEGUSTATION A JAZZ」菊地成孔
イーストワークスエンタテインメント
次にご紹介したいのは、最近ラジオパーソナリティとしても人気の
ジャズミュージシャン菊地成孔が2004年にリリースしたアルバム
「CHANSONS EXTRAITES DE DEGUSTATION A JAZZ」です。
このアルバムにはUA、カヒミ・カリィなどがゲストとして参加しており
実に素晴らしいボーカルを披露していますが、
2曲ほどサキソフォンプレイヤーである菊地成孔自身が歌う曲が収録されています。
その中の1曲がジャズのスタンダードでもある「The Christmas song」。
この曲はナット・キング・コールやメル・トーメが朗々と歌うバージョンが有名ですが、
専門のボーカリストではない菊地成孔による、決して上手とは言えない個性的な歌い方が
ゴージャスなバッキングと奇妙なアンバランスを醸し出します。
そこが妙にアンニュイで、ちょっと退廃的な大人のクリスマスを感じさせます。
「クリスマス」オムニバス(吉田拓郎、泉谷しげる、井上陽水、小室等)
フォーライフミュージックエンタテインメント
最後は、日本のフォークレジェントたちが遊び心一杯で作った
クリスマスアルバムをご紹介しましょう。
歌謡曲全盛の1975年、日本を代表する若き4人のフォークシンガーによって
フォーライフ・レコードが設立されました。
創立メンバーは小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげる。
彼らがフォーライフ設立1年を記念して作ったのがこのアルバムです。
クリスマスソングやオリジナル曲を、それぞれが自分流に歌っているのですが、
たとえば1曲目の泉谷しげるの「赤鼻のトナカイ」は、
力の抜けた投げやりな歌い方が実に洒脱で、まるでオールドロック的な仕上がり。
また吉田拓郎の「諸人こぞりて」は、アレンジも抜群で拓郎のオリジナルとしか思えません。
いまは全員ゆるぎない大御所となりましたが、まだ若くてギラギラしていた時期の彼らの、
クリスマスならではの粋な音楽遊びを、ぜひご一聴ください。
(Denon Official Blog 編集部 I)