一番よく「会話」しているアルバムを持って行く
無人島に1枚だけCDを持って行けるとしたらどれを選ぶ? APマーケティング部 Oが無人島で聴くのは、なんとスタイリッシュなアンビエント・テクノです!
無人島CD第6回は、APマーケティング部の社員Oが担当いたします。
無人島に持っていくならこの1枚、前回までを読み直してみたら
みなさん昼間のイメージなんですね。なんだかすっごいポジティブな感じじゃないですか?
でもね、考えてみたら、誰もいない無人島って夜がとても怖いんじゃないかなと。
不安だったり、独りぼっちですごく寂しかったり……
なんでそんな事を考えたかというと、音楽をしっかりと聴くのってだいたい夜じゃないですか?
昼間って仕事をしていればもちろん、学生の方も勉強だったり、
友達とのおしゃべりに夢中であんまり音楽聴いていないんじゃないかな?
聴いていてもBGM的な聴き方なんじゃないかなと思います。
でも、夜にひとりで聴くのってちょっと違いますよね。
音楽と一体一で向き合って会話するような、そんな感じ。
「やぁ、また会いにきたよ」って、いつもの曲を聴いたりして。
今回選んだAphex Twinの「Selected Ambient Works 85-92」は、まさに私にとってのそういう1枚。
CD世代なので、「レコードが擦り切るまで」という表現は使えないけれど、
高校生にときに出会ってから約20年、今でも一番よく「会話」しているアルバムかもしれません。
(正確には、アナログ盤も持っているので擦り切れるぐらい聴いているんですけど。)
アンビエント・テクノの名盤といわれるこのアルバムは、音はチープで、ローファイで……アンビエントでエモーショナルだけど、すごくハード。
Aphex Twinの代表曲でもある1曲目の「Xtal」は、全体的には名前の通り透明感がある叙情的なトラックですが、
ドラムのキックに深いリバーブがかかっているのがとても印象的です。
そして2曲目からは……聴いていくうちにどっぷりハマってしまいます。
癒されるというのか、聴いているうちに心が研ぎ澄まされていくような感覚。
聴いているうちに、きっと無人島の夜だって怖くないって思えるかな。
ちなみに同じ系統で、細野晴臣さんの「N.D.E」というアルバムも考えたんですが、残念ながら却下。
だって、「N.D.E」って「Near Death Experience(臨死体験)」って意味なんだもん。
無人島に持っていくには怖過ぎます(笑)
万人にオススメできるCDではないかも知れないけど、
そもそも「自分が無人島に持っていくなら」なんだからいいのだ、と強気でセレクトしてみました。
今?
もちろん「彼」と会話中。きっと、夜遅くまで話し込んでしまうんだろうな。
アーティスト名:Aphex Twin
アルバム・タイトル:Selected Ambient Works 85-92
R&S Records