PMA-60試聴会@アコースティックラボ蔵前ショールーム
9月22日、アコースティックラボ蔵前ショールームにおいてプリメインアンプPMA-60の試聴イベント「オーディオライブin蔵前Village【Denon PMA-60】」が開催されました。価格差約50倍の高級スピーカーB&W 802D3の駆動に挑戦!
去る9月22日、アコースティックラボ蔵前ショールームにおいて「オーディオライブin蔵前Village【Denon PMA-60】」と題したプリメインアンプPMA-60の試聴会が開催されました。
今回はその様子をリポート。PMA-60は価格にして約50倍のハイエンドスピーカーB&W 802D3の駆動に挑みました。はたしてPMA-60は802D3を鳴らしきれたのでしょうか!
卓越した音響空間で試聴ができる(株)アコースティックラボの蔵前分室、通称「蔵前ヴィレッジ」。
抜群にいい音が聴けるこの空間で、去る9月22日、コンパクトなプリメインアンプPMA-60の試聴会が行われました。
アコースティックラボとは、音楽家のための防音工事専門会社アコースティックグループのモニタールーム。オーディオルーム関係分野を分野とする一方、音響実験・研究を目的とする会社です。
「蔵前ヴィレッジ」はJR浅草橋駅からほど近いビルの1階にある隠れ家的なショールーム。
そのメインルームである「ミュージック&オーディオ&シアタールーム」でPMA-60の試聴会が開催されました。
↑蔵前ヴィレッジのミュージック&オーディオ&シアタールーム
↑4.2mの天井高を持つミュージック&オーディオ&シアタールームの天井。形状もオーディオ用の音響に最適化され、ノイズを排除するためエアコンは室外に置かれダクトで換気を行っている。
そして今回の主役がこちら。コンパクトサイズながらデノンのHi-Fiの粋を集めたプリメインアンプ、PMA-60(左)とPMA-30(右)です。
そして今回PMA-60、PMA-30が鳴らすスピーカーが、オーディオファンの憧れとも言える高級スピーカーB&W 802D3(左)と805D3(右)。
スピーカーの価格はB&W 802D3がペアで約360万円、805D3がペアで約90万円。
PMA-60が7万円ですから、約50倍の価格のスピーカーを鳴らすことになります。
音源の再生用にはCDプレーヤー DCD-50、およびPMA-60でのハイレゾ音源再生用にMacbookAirが用意されました。
まずはデノンスタッフがPMA-60、PMA-30の概要をご説明しました。
その後、ウッドベースとボーカルだけという音数の少ないMusica Nudaの音源や、シンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルのアルバム「風のインディゴ」で、一つ一つの音の解像度と空間感の再現性を805D3で試聴します。
最初はアナログ接続でのDCD-50→PMA-30、その後光デジタル接続でのDCD-50→PMA-30の音を同じ音源を使用して聴き比べましたが、デジタル接続の方が解像感、明瞭度が明らかに向上しました。
フルデジタル・プロセッシングの明瞭度はここまで違うのかと驚かされました。
その後同じ音源をPMA-60で再生すると、さらに音にまとまりが出つつ、より高解像度で繊細な音表現となりました。
PMA-60とPMA-30は兄弟機でともにフルデジタルアンプではありますが、PMA-60は帰還型のDDFA™、PMA-30は非帰還型と、デジタルアンプのソリューションが異なっているためでしょうか、出音のキャラクターがかなり違うな、という印象を受けました。
アーティスト名:Musica Nuda
アルバム・タイトル:Complici
この試聴会にはPMA-60に採用されたデジタルアンプソリューション「DDFA」の開発元であるクアルコム社の大島勉氏が参加。DDFAの技術の概容や、先代のPMA-50に搭載された第一世代のチップとPMA-60に採用された第二世代のチップの違いなどについて詳細な解説をしていただきました。
ちなみに大島氏によればDDFAの開発中にクアルコムが試聴用に制作した試作ボードの音とPMA-60の仕上がりの音とはかなり違うとのこと。
DDFAというソリューションだけでなく、デノンが培ったHi-Fi技術との組み合わせでPMA-60のサウンドが作り上げられていることがよくわかります。
そして、いよいよ試聴も本番。
オーディオ評論家の鴻池賢三氏が登場し、厳選された多彩な音源をPMA-60と805D3で再生していきます。
まずジャズボーカルのダイアナ・クラールで試聴。PMA-60は驚くことに大型のトールボーイスピーカーの802D3をしっかりとドライブしています。
ウッドベースの豊かな低音、ピアノの倍音豊かな中音域、ライドシンバルのキラキラした高音がクリアに再生されており、ボーカルにも美しい艶があります。
さらにハイレゾ音源で松田聖子の曲を聴いてみます。高音も低音もCDよりもはるかに出ていて情報量が多いのが良くわかりますが、それを忠実に受けとめて 音像を崩すことなく高品位に増幅し、しっかりと802D3をドライブ。昔さんざん聴いたはずの音源ですが、ハイレゾ音源のクリアな音で聴くと、こんな音で録音されていたのか、という新鮮な驚きがあります。
そしてその後に再生された音源が、平井堅の下記アルバムに収録されている『切手のないおくりもの』。
アーティスト名:平井堅
アルバム・タイトル:Ken’s BarIII(初回生産限定盤B)
この曲は最初、ほとんどノーエフェクトの平井堅のボーカルのアカペラから始まり、次第にスーザフォンやトランペットなどの管楽器が入ってきて、さらに曲が進行するにつれてドラム、パーカッション、トロンボーンなど演奏人数がどんどん増えてくるというスタイルの楽しいアレンジです。
最初はボーカルだけ、そして次々と楽器演奏者が802D3のスピーカーの前に現れてくるようなリアルな音像が表現されていました。
その後もストラヴィンスキーの『春の祭典』など、大規模なオーケストラでの演奏曲も試聴。PMA-60のポテンシャルをじっくりと堪能した試聴会となりました。
デノン製品の試聴会などの情報は
デノンの公式ウェブサイトの試・視聴会/イベント情報のページ
FaceBookのデノンのページなどに随時掲載されています。
ぜひブログ読者の皆様もPMA-60、PMA-30の音を実際にご体験いただければうれしいです。
(編集部I)