AH-GC25NC(ノイズキャンセリング)とAH-GC25W(ワイヤレス)を編集部で使ってみた
デノンの新しいヘッドホンの兄弟モデルAH-GC25NCとAH-GC25Wは見た目がほとんど同じ。ではどちらを選べばいい? 今回はデノンブログ編集部がシチュエーション別にそれぞれの使い勝手などについて比較してみました。
ノイズキャンセリングモデルのAH-GC25NCとワイヤレスのAH-GC25W
まずはAH-GC25NCとAH-GC25Wについて簡単にご説明しておきましょう。
AH-GC25NCとAH-GC25Wはいずれもワイヤレス機能とデジタルノイズキャンセリング機能の両方を搭載したAH-GC30の弟モデルです。
AH-GC25NCはAH-GC30のデジタルノイズキャンセリング機能を受け継いだモデル。ワイヤレス機能を持っていないので有線接続となりますが、AH-GC30譲りのフリーエッジダイナミックドライバーを搭載しており、ハイレゾ対応の高音質を実現しています。デジタル方式によるノイズキャンセリング機能を搭載しており、「飛行機」「シティ」「オフィス」の3つのモードからシチュエーションに応じて選ぶことができます。
AH-GC25WはBluetoothによるワイヤレスモデル。こちらはBluetooth Ver.5.0に対応しており、送信出力も強力なクラス1で安定した再生が可能です。またワイヤレスでハイレゾ相当の高音質が楽しめるaptX HDなど、最新の高音質コーデックにも対応しています。またAH-GC25WをパソコンなどとUSB接続すると本体内のUSB-DAC機能により48kHz/16bitでD/A変換が可能です。
まず共通点から。AH-GC25NCとAH-GC25Wは兄弟モデルで、外観はほぼ同一のデザインとなっています。装着時に耳に優しく、耐久性も高い人工皮革を採用したイヤーパッド。長時間ヘッドホンをしていても疲れません。
また優美なアルミダイキャストハンガーなどのデザインも共通となっています。ヘッドホンをしているときだけでなく、机の上に置いた時なども高い品質感で目を楽しませてくれます。この美しい形状、つい触りたくなります。
AH-GC25NCとAH-GC25Wはいずれもブラックモデルとホワイトモデルがラインナップ。お好きな色が選べるのも嬉しいポイントです。
ということで、ここまでが製品の概要です。ここからはシチュエーションごとにAH-GC25NCとAH-GC25Wの使い勝手をレポートしていきます。
AH-GC25NC、AH-GC25Wどっちを選ぶ?@オフィス
最初はオフィスでの使い勝手を試してみました。今回はホワイトモデルがワイヤレスのAH-GC25W、ブラックモデルがノイズキャンセリングのAH-GC25NCと、わかりやすく色分けしてみました。
まず装着したところはこんな感じ。ホワイトは華やか、ブラックはシック。いずれにしても大人っぽいシンプルで落ち着いたデザインなのでオフィスで装着していても、いかにも「仕事のために使ってるんです感」が出ています。
↑編集部女子にホワイトモデルを装着してもらった。軽やかで清潔感があり、デザイン的にも重くならない。
↑同じくブラックモデル。シックで落ち着きがあり、しかも本格感もある。
そして肝心のオフィスでの使い勝手です。まずはノイズキャンセリング機能搭載のAH-GC25NCから使ってみましたが、やはりノイズキャンセリング機能はオフィスではかなり有効でした。AH-GC25NCのノイズキャンセリングモードは3つのモードの中でも最も効果が控えめな「オフィス」が最適でした。エアコンの音や雑談などオフィス内の暗騒音が聞こえなくなるので、一気に集中度が高まります。個人的には取材テープを聴きながら原稿を書くのに最適でした!
↑ノイズキャンセリング機能搭載のAH-GC25NC(ブラックモデル)
また周りの音が聴きたくなったときにハウジングをコツコツと指で叩くだけで周りの音が聞こえるようになる「周囲音ミックス機能」もオフィスでは便利。自分の仕事に関係ありそうな話の時は、周囲音ミックス機能を駆使しました(笑)。
AH-GC25Wもオフィスで使ってみました。こちらの持ち味は、なんといってもワイヤレスによる身軽さです。見通しのいいオフィス内程度であればデスクにスマホを置きっぱなしで移動しても問題なく再生してくれます。
↑今回使用しているワイヤレス機能搭載のAH-GC25W(ホワイトモデル)
AH-GC25NCとAH-GC25W共通の感想ですが、イヤーパッドが柔らかくてよくフィットするので、長時間装着していてもあまり疲れませんでした。このあたりはスペックには出ない点ですが、オフィスで集中して仕事をするときには大切な点ではないでしょうか。
AH-GC25NC、AH-GC25Wどっちを選ぶ?@カフェ
次はカフェでの使い勝手を実証してみましょう。カフェは私にとって貴重な寛ぎの場所でもあり、アイディア出しなどをする場所でもあります。そして、ここではヘッドホンは欠かせないところ。さて、AH-GC25NCとAH-GC25W、どちらが使いやすいでしょうか。
まずノイズキャンセリングモデルのAH-GC25NCから使ってみました。
カフェではノイズキャンセリングのモードの「シティ」を使ってみました。やはり周囲の話し声や店内のBGMといった周囲の雑音が魔法のように消えてビックリします。AH-GC25NCはデジタルノイズキャンセリング機能を搭載していますが、旧モデルに比べるとやはり効き具合の向上が感じられます。カフェはオフィスのように急に話しかけられる可能性が低いので、ノイズキャンセリングで雑音を消し、どっぷり音楽に浸りながらアイディアを練ったり、メモしたりと、結構仕事がはかどりました。
そして、AH-GC25W。
Bluetoothのワイヤレス接続に慣れると、カフェなどで音楽を聴くときにケーブルでつながれていることが煩わしく感じられてしまいます。AH-GC25Wは送信出力がクラス1なので、途切れも少なく快適に使えます。
カフェではノイズキャンセリング機能も有用ですし、ワイヤレス機能も快適。敢えて言えば、煩わしさがないワイヤレス機能の方が、私としては便利な気がしました。(※あくまで個人の感想です)
AH-GC25NC、AH-GC25Wどっちを選ぶ?@街中&電車
次は街歩きと電車や駅での使い勝手について。ノイズがかなり多い環境で、しかも歩いたり体を動かしたりするシーンでもあります。ここではAH-GC25NCとAH-GC25W、どちらが使いやすいでしょうか。街中もまずAH-GC25NCから使ってみました。
街中ではAH-GC25NCのノイズキャンセリングモードはカフェと同じく「シティモード」を使ってみました。こちらでもノイズキャンセル効果がマジックのように効きます。道路を走る自動車の音や街の喧噪がフワっと消えてしまって、ちょっと怖いぐらいです。ノイズキャンセリング機能を耳元でON/OFFできるので何度かやってみましたが、街のノイズってこんなに大きいのか、と驚かされます。
そして今度はAH-GC25NCを持って電車に乗り込んでみました。こちらでは最もノイズキャンセリング効果の高い「飛行機モード」を使ってみました。
驚くほどノイズがすーっと消えていって、電車に乗っているという感覚が薄れていきます。「電車に乗っている感」というものは、電車の音による心理的な効果も大きいと言うことがよくわかります。こちらもON/OFFをするとノイズの大きさは相当あって、電車の中でスマホの音楽を聴くとき、再生音がついつい大きくなりがちなのも良くわかります。AH-GC25NCのようにノイズキャンセリング性能が高ければ、電車の中でも再生音を小さくできるので、ノイズキャンセリングは耳にも優しいのだなと気づきました。さらに「周囲音ミックス機能」を使えば、駅名のアナウンスなど外の音を聞きたい時も、ヘッドホンをしたまま聴き取ることができます。
一方のAH-GC25W。こちらはやはりワイヤレスだけあって、自由さが身上。街中で歩きながら使うと、ケーブルが体に触れるタッチノイズもなく、スマホなどの音源もカバンに入れておいても問題なく使えるので、やはりケーブルがないことが大きなメリットだと感じます。また最近のスマホはヘッドホンジャックが省かれているものが多く、その場合有線ヘッドホンを使うためには変換ケーブルが必要となるので、さらに煩わしくなってしまいました。Bluetoothであれば最近のスマホやタブレットなら簡単につなぐことができて便利です。
そしてAH-GC25Wも電車で使ってみました。
ノイズキャンセリング機能はありませんが、イヤーパッドの密着度が高いため比較的遮音性が高く音漏れも少なく感じます。そして何より、人が多い電車内でのワイヤレスのメリットは大きく、ケーブルが人に当たって迷惑をかけたり、コードが引っかかってヘッドホンジャックから抜けてしまったりという心配がありません。しかもAH-GC25Wのハウジングにあるボタンで曲の再生や停止、音量調整もできるので、わざわざスマホを出して音量の調整などをする必要がないのも便利です。
AH-GC25NC、AH-GC25Wどっちを選ぶ?@音質について
さて最後に、純粋に音質を聴き比べてみましょう。AH-GC25NCはドライバーにリアルウッドシリーズなどの上級機種で採用されているフリーエッジのドライバーを搭載しています。つまり高音質なヘッドホンにノイズキャンセリング機能を追加したモデルだと言えるでしょう。
一方のAH-GC25Wは、ワイヤレスでありながらハイレゾ相当の高音質を実現したaptX HDをはじめ高音質のコーデックに対応しています。
またパソコンのUSB端子などに接続すると、本体内のUSB DAC機能により、48kHz/16bitまでの音源を高精度にアナログ変換します。パソコンに入った音源が高音質で聴けて、同時にヘッドホンの充電もできるので便利です。
というわけでAH-GC25NCもAH-GC25Wもそれぞれの手法で高音質を実現しています。
ただAH-GC25NCとAH-GC25Wの音質の違いはあって、個人的にはAH-GC25NCは落ち着きのある音で、ジャズやクラシックに向いてるように思いました。ジャンル的にも大音量できくものではないのでノイズキャンセリングを使って小さめの音で聴けるのが良かったです。もう一方のAH-GC25Wは元気のある音で、ロックやJ-POPが似合うと感じました。ワイヤレスなので屋外で使えることもあり、活動的な時に聴くジャンルとしてもピッタリだと思います。とはいえ音の好みには個人差がありますので、そのあたりは実際に店頭やオーディオショーなどで試聴していただき、どちらがお好みかぜひ確かめていただきたいと思います。
今回のAH-GC25NCとAH-GC25Wの比較はいかがだったでしょうか。最後にAH-GC25NCとAH-GC25Wのスペック上の違いが一覧できる表を作成しましたので、お好みのモデル選ぶにぜひお役立てください。ちなみに、もしワイヤレスとノイズキャンセリングの両方の機能がほしい方には、両方の機能を持っているAH-GC30がありますので、ぜひそちらをお選びください!
AH-GC25NC | AH-GC25W | |
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ドライバー | 40mm、フリーエッジ・ドライバー | 40mmドライバー |
再生周波数帯域 | 5 – 50,000 Hz | 5 – 40,000 Hz |
連続再生時間 | 30時間 (ノイズキャンセリング機能ON) |
約30時間 (Bluetooth 機能ON) |
USB-DAC 対応フォーマット | – | PCM 16 bit / サンプリング周波数 32 / 44.1 / 48 kHz |
Bluetooth 規格 | – | Bluetooth Ver. 5.0 |
送信出力クラス | – | 最大10mW(Class 1) |
A2DP 対応コーデック | – | aptX HD、aptX、AAC、SBC |
ハイレゾ対応 | ハイレゾオーディオ対応 | – |
Noise Cancelling | 3モード・デジタル・ ノイズキャンセリング機能 周囲音ミックス機能 ストレートケーブル& リモコンマイク付きケーブル |
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(編集部I)