徹底したユーザー目線で開発したインナーイヤーヘッドホン AH-C120MA/C120MとAH-C50MA
高音質を追求したハイエンドスタイルヘッドホン、MUSIC MANIAC シリーズから、AH-C120MA/AH-C120MとAH-C50MAの2モデル3機種のインナーイヤーヘッドホンが発売されます。開発背景などをCSBUデザインセンターの冨田洋輔が語ります。
デノンの高音質なヘッドホン、MUSIC MANIAC <ミュージックマニアック>シリーズから、
AH-C120MA/AH-C120MとAH-C50MAの3モデル4機種のインナーイヤーヘッドホンが発売されます。
開発の背景やエピソードについて、開発チームの冨田洋輔が語ります。
ディーアンドエムブランドグループジャパン
CSBU デザインセンター 冨田洋輔
■まず「AH-C120MA/AH-C120M」「AH-C50MA」についてご紹介いただけますか。
冨田:AH-C120MA/AH-C120MとAH-C50MAは、いずれもHi-Fiな音楽再生をめざした
<ミュージックマニアック>シリーズのインナーイヤーヘッドホンです。
これまでこのシリーズでは、オーバーイヤー、オンイヤー、バランスド・アーマチュアタイプのインナーイヤーという
3タイプのヘッドホンをラインナップしていました。
今回発売になるのは、シリーズ初となるダイナミック型のインナーイヤーヘッドホンです。
3モデルとも<ミュージックマニアック>らしく、フラットで原音に忠実な、解像度の高いサウンドが特長です。
リモコン付きのAH-C120MAとAH-C50MAは、iPhone、iPod touch、iPadだけでなく、
新たにAndroid™のスマホに対応しました。またAH-C50MAはブラックとシルバーのカラーバリエーションがあります。
■インナーイヤーヘッドホンならではのこだわりはありますか。
冨田:耳に差し込むものなので、装着したときにフィットするよう、形状を工夫しています。
耳の形状を数字で把握するのは難しいので、なるべく多くの人間に装着してもらったり、
補聴器メーカーと提携してさまざまな耳型を使って試したりもしました。
たとえばハウジングから出ているノズルも真っ直ぐではなく、耳に入りやすいような角度に計算しています。
↑耳の形状を考慮した角度のノズル
■今回の開発で特に重視したことは何ですか。
冨田:一番大切に考えたのは「ユーザー目線」ということです。
自分がユーザーだったら「こうあってほしい」ということできるだけ実現しようと思いました。
たとえばパッケージひとつとっても、手にしたときの高揚感や品質、そして箱を開けるときのワクワク感などを演出したいと考えました。
これまでヘッドホンの箱はけっこう開けにくいものが多かった気がするのですが、今回のモデルはパッケージを横開きにし、
開ける部分を大きくすることで、中身が取り出しやすくなるように工夫しています。
■「ユーザー目線」で発想したものとしては、ほかにどんなものがありますか。
冨田:今回新しく1ボタン式リモコンを採用しました。使用時にリモコンが邪魔にならないよう形状をシェイプアップし、
かつボタンを簡単に見つけられるように指がピッタリフィットする凹み形状にしました。
またリモコンにはマイクが内蔵されており、イヤホンをつけたまま通話が可能です。
付属のアダプターを使うことによって、今までリモコンをあきらめていた一部のAndroid™ユーザーの方でも、使用することができます。
AH-C120MAとAH-C50MAのリモートコントロール(左)、 従来の3ボタン式のリモートコントロール(AH-C400)(右)
次にこだわったのはイヤーピースです。
インナーイヤータイプのヘッドホンの場合、耳の大きさとイヤーピースのサイズがあっていることが音質上、非常に大切です。
よくレビューなどで「低音が出ない」と書かれていることがありますが、
イヤーピースのサイズがあっていないために「音が抜けていただけ」ということがあるんです。
かくいう私も、この会社に入るまでは「低音が出ない」と思っていたインナーイヤーヘッドホンが、
実はイヤーピースのサイズがあっていないだけだった、ということもありました(笑)。
耳型を調べてみると意外と人によってバラつきがあり、耳穴の大きさが倍以上異なる場合もあります。
ですからイヤーピースがあっていないケースは多いと思いますし、
逆にイヤーピースのサイズがピッタリと合うと、劇的に音質が改善することがあるんです。
それで今回は、できるだけイヤーピースが耳の大きさにあうように、素材やサイズに工夫を凝らしています。
AH-C120MA/AH-C120Mは、S、M、Lサイズに加えてComply™製の低反発素材のイヤーピースが付属しています。
低反発素材は体温で温度が上がると柔らかくなる性質をもっているので、耳に入れてしばらくすると、耳の穴の形状にぴったりとフィットします。
またAH-C50MAではS、M、Lサイズに加えて小型のXSサイズを付属させて4種類のサイズとしました。
XSは特にインナーイヤーの圧迫感が苦手な方、耳が小さい女性の方などにお使いいただきたいと思っています。
■自分の耳にあうイヤーピースはどうやって見つければいいのでしょうか。
冨田:付属のイヤーピースを付け替えて試聴していただき、一番音が良いと感じたものが正しいサイズだと考えていいと思います。
ただしイヤーピースが大きすぎると痛くなったり、耳に負担が掛かったりしますので、長く装着していてもストレスがないサイズにすることも大切です。
多くの方は、購入時に取り付けられていたイヤーピースをそのまま使っているのではないでしょうか。
でもなるべく使う方の耳に適したサイズのイヤーピースを使っていただきたいと思ったので、
従来は全サイズが1つの袋に入っていてどれがどのサイズかわからないという声もあったので、今回からはサイズごとに袋を分け選びやすくしました。
ちょっとしたことですが、これもユーザー目線の発想で実現したことです。
↑AH-C120Mの取扱説明書より
(AH-C50MA/AH-C120MAの取扱説明書は、デノンHPより今後ダウンロード対応予定)
AH-C120MA/AH-C120M同梱イヤーピース(左)、AH-C50MA同梱イヤーピース(右)
※両モデルMサイズは購入時、製品に取り付けられています。
「AH-C120MA/AH-C120M、AH-C50MA開発者インタビュー」は、その2に続きます
製品情報の詳細について:
インナーイヤーステレオヘッドホン AH-C120MA/AH-C120M
インナーイヤーステレオヘッドホン AH-C50MA
(Denon Official Blog 編集部I)