編集部でAH-GC30を使ってみた
デノンから、大人のためのポータブルヘッドホン、GCシリーズが3モデル登場。ワイヤレスのAH-GC25W、ノイズキャンセリングモデルのAH-GC25NC、そしてワイヤレス&ノイズキャンセリングのAH-GC30というラインナップですが、デノンブログ編集部ではワイヤレス&ノイズキャンセリングをいち早く入手。ロードテストしました。
落ち着きのあるスタイリッシュなデザイン
デノン編集部Iです。今回デノンから発売される新しいGCシリーズは、ノイズキャンセリングモデル、ワイヤレスモデル、そしてノイズキャンセリング&ワイヤレスモデルの3タイプ。今回はノイズキャンセリング&ワイヤレスモデルのAH-GC30をロードテストします。
まずAH-GC30の外観ですが「大人のためのポータブルヘッドホン」というキャッチコピーがぴったりの、シックで落ち着きのあるシックなデザインです。ハウジングはマット塗装、金属部分はアルミダイキャストのサテンフィニッシュ。カジュアルにも、ビジネスシーンでも似合いそうな佇まいとなっています。
またAH-GC30、AH-GC25NC、AH-GC25Wはいずれもブラックだけでなく、ホワイトのモデルもラインアップ。お好みでカラーが選べます。
AH-GC30(ホワイトモデル)
というわけで、ブログ編集部でAH-GC30を入手しました。
AH-GC30はこんなケースに納まっています。オーバーイヤーヘッドホンというと、大きなケースを想像しますが、意外にコンパクトなケースなので、出張などでケースごと持ち出す時でも、あまり気にならないサイズですし、セミハードケースなので安心です。
そしてケースを開くと、こんな感じ。
AH-GC30は2軸の折り畳み機構によって、このようにコンパクトにしまうことができます。空いているところには、充電用のコードや有線接続用のケーブルなどを入れるスペースとして使えます。
疲れ知らずの快適な着け心地
本体をケースから出してみましょう。
イヤーパッドは柔らかくて感触がとてもいいです。またヘッドバンド部分にもクッションがタップリと使われていて、かけ心地がとても快適。ヘッドホンは普通、長時間使っているとけっこう疲れてきますが、AH-GC30のイヤーパッドとヘッドバンドはとてもよく仕上がっており、長時間使用しても疲れることなく音楽を聴くことができそうです。
イヤーパッドの素材はハイエンドモデルAH-D9200と同じもので、形状を記憶するフォームを使用しているため、眼鏡などをしていてもストレスなく耳にフィットします。集中して仕事をしたいときなどにも便利そうです。
AH-GC30はノイズキャンセリングオン+Bluetoothオンの状態でも1回の充電で最大約20時間連続再生が行えます。また付属のケーブルを使えば有線接続でも使用でき、万一電池がなくなった場合でも有線で使用できます。有線接続用のケーブルは通常のオーディオケーブルに加えて、リモコンマイク付きオーディオケーブルも付属しています。
リモコンケーブルでは、音楽の再生/一時停止が行えますし、スマホなどに接続している場合はリモコンマイクで会話ができます。また付属のUSBケーブルを使ってパソコンに接続した場合は、本体の電池を充電しながらパソコンで再生している音楽を聴くことができるUSB-DAC機能(48 kHz / 16 bit)が使えます。
↑付属のマイク付きリモコンケーブルを接続
ウェルバランスの落ちついたサウンド
さて、肝心のサウンドをチェックしてみます。私がいつも使っている試聴用の音源はドナルド・フェイゲンの『ナイト・フライ』ですが、AH-GC30のサウンドは、低域も高域もバランス良く鳴り、とても上品で落ちついたサウンドだと感じました。また、ロック系のラウドな音源、アコースティックなジャズ、そしてクラシックも聴いてみましたが、いずれもいい感じで、落ちついた再生音が楽しめます。AH-GC30のサウンドは色づけが少ないフラットな音質なので、ジャンルを選ばず様々な音楽が楽しめそうです。このあたりも「大人のためのポータブルヘッドホン」というキャッチコピーどおりのサウンドだといえるでしょう。
ドライバーにはリアルウッドシリーズと同様に、広帯域で優れた音質が再現できるフリーエッジドライバーを使用しており、さらにワイヤレスでも高音質が楽しめるaptX HDなどのコーデックにも対応(デノン初!)しています。
このあたりがAH-GC30の落ちついた高音質に貢献しているように思います。
3つのノイズキャンセリングモードを試してみた
さて、それではいよいよAH-GC30ノイズキャンセリングモードを試してみましょう。AH-GC30のノイズキャンセリング機能は、環境に合わせて選択できる3つのモードが装備されました。「飛行機」、「シティ」、「オフィス」の3モードです。まずはノイズキャンセリングをオンにします。ノイズキャンセリングボタンはハウジングの下側、光っている部分がノイズキャンセリングボタンです。
ヘッドホンをかけたままでも操作しやすい位置に装備されており、スイッチを入れると「ノイズキャンセリング・オン」というナレーションが流れるので、ヘッドホンをしたままでもノイズキャンセリングが操作でき、ON/OFFが確認できます。
まず最初に試したのが飛行機モード。ロードテスト中に残念ながら飛行機に乗る機会がなかったので、電車などで試してみましたが、最もノイズキャンセリング効果が高いモードのようです。特に低音のノイズによく効くようで、乗り物特有の低音系のゴーッというノイズは相当低減されます。ヒップホップやソウルなどの低音が強い音楽を聴いてみましたが、電車の騒音にかき消されることなく、パワフルな低音が心地良く楽しめました。
乗り物でノイズキャンセリングを使った時に不安なのが「車内の放送などが聞こえない」というものです。特にAH-GC30のようにノイズキャンセリング効果が高いヘッドホンの場合は、駅名の聞き逃しなどに気をつけたいところ。AH-GC30には、そんな時に便利な「周囲音ミックス」の機能があります。これはハウジングの外側に搭載されている収音マイクで取り込んだ音を音楽にミックスして再生できるという機能。
特別なスイッチはなく、右側のハウジングを2回「コツ、コツ」と指先でタップするだけで振動センサーにより瞬時に周囲音ミックス機能がオンになります。実際に使ってみたところ、人の会話の帯域だけがミックスされるような印象で、ちょっと驚きました。タップするだけで使える、とても便利な機能です。これはぜひお試しいただきたいところ。
ノイズキャンセリングボタンを押すとモードが切り替わります。
次はシティモードを試しました。シティモードでは街の喧騒などのノイズを低減してくれます。実際に繁華街でノイズキャンセリング機能を使ってみましたが、雑踏の音がフワっと消えて音楽だけが立ち上がってくるという、ちょっとSFチックな体験でした。周りの騒音が低減されるので、低めの音量で再生していても音楽が良く聴こえてきます。
まるで歩きながら見る風景が映画のサウンドトラックのように感じられて、今までにない体験ができました。
そして最後はオフィスモード。もっともノイズキャンセリング効果を抑えたモードですが、オフィスモードだと適度に自分の周りの雰囲気がわかるので、デスクワークなどの際にはこのモードがいちばん使いやすいと感じました。
とはいえ、エアコンや換気扇の音、外からの騒音といったいつも気になっている雑音としての生活音のレベルはぐっと低減されます。オフィスだけでなく、家でも使ってみましたが、ノイズキャンセリング機能とワイヤレスとの組み合わせ効果は絶大で、掃除や台所仕事、洗濯などをAH-GC30のワイヤレス&ノイキャンで音楽を聴きながらすると、いつもよりずっと楽しくできました。適切な音量のBGMがあると、家事もぐっと楽しくなります。
というわけで、AH-GC30のロードテスト、いかがだったでしょうか。
質感の高いデザイン、有線接続に迫る高音質を実現したワイヤレス機能、そして用途に応じて3つのモードが選べるノイズキャンセリング機能を、ぜひお近くのお店でご体験いただきたいと思います。
(編集部I)