超初心者のための ネットワークスピーカー(Wi-Fiスピーカー)って何?
ワイヤレス接続が行え、アプリの操作でストリーミングサービスが単体で楽しめるネットワークスピーカー「Denon Home」が登場! ところでネットワークスピーカーとBluetoothスピーカーってどこがどう違うのでしょうか。人気の『超初心者シリーズ』では、ネットワークスピーカーについてとりあげます。
そもそもワイヤレススピーカーって?
ネットワークスピーカーはいわゆるワイヤレススピーカーの一種ですが、そもそもワイヤレススピーカーにはどんな種類があるでしょうか。まずそこからご紹介します。
●Bluetoothスピーカー
1つはスマホなどと気軽に接続できるBluetoothスピーカーで、いま世の中で一番多いワイヤレススピーカーと言えるでしょう。バッテリーを内蔵し、気軽に持ち運べるコンパクトなものが多いようです。デノンのBluetoothスピーカーにはDSB50BT、DSB150BT、DSB250BTの3サイズが揃ったEnvayaシリーズがあります。
●ネットワークスピーカー(Wi-Fiスピーカー)
もう一つはWi-Fiネットワークにワイヤレス接続するタイプのスピーカーで(有線接続できるものもあります)、これが今回ご紹介しているネットワークスピーカーです。自宅やオフィスなどのWi-Fiに接続することを想定しているため、持ち運びを想定したBluetoothスピーカーより大きめなものが多いようです。
●スマートスピーカー(AIスピーカー)
スマートスピーカーは対話型の音声操作に対応したスピーカーです。Amazon Echo、Google Nestなどが代表的で、AIアシスタントが使えるため、AIスピーカーとも呼ばれています。
この3つを図で説明してみると、こんな感じになります。
実際のところ、ネットワークスピーカーの多くのモデルはBluetooth機能を搭載しているので、ネットワークスピーカーはBluetoothスピーカーも兼ねていると思っていいでしょう。またスマートスピーカーはWi-Fiネットワークを介し、インターネットに接続するので、ネットワークスピーカーの一部です。
ネットワークスピーカーとBluetoothスピーカーの最大の違いって?
では、ネットワークスピーカーとBluetoothスピーカーはどんな点が違うのでしょうか。
最大の違いは、Bluetoothは一対一での接続であるのに対し、ネットワークスピーカーはルーターに接続したネットワーク接続となる点です。
たとえばBluetoothスピーカーであれば、音源であるスマホとは、このように一対一で接続されます。シンプルに完結したシステムなので、Bluetoothスピーカーがバッテリー内蔵型であればそのまま屋外などにも持ち出すことができます。
一方、ネットワークスピーカーは、Wi-Fiを経由してルーターに接続されます。それを図にすると以下のようになります。
ネットワークスピーカーは上図のようにWi-Fiルーターに無線でつながります。ルーターにつながっている同一のネットワーク上のデバイス、たとえばスマホ、タブレット、パソコン、Wi-Fi機能搭載のAVアンプやその他のWi-Fiスピーカーなどとも連携できます。
ネットワークスピーカーのメリットって?
それでは、ネットワークスピーカーのメリットはどんな点にあるのでしょうか。
●音質が良い
まずは音質面。Bluetoothは無線で伝送できるデータ量が限られているため、様々な音声圧縮方式(コーデック)を使うことで音声を圧縮して伝送します。そのため音質はコーデックに依存しますが、一般的にWi-Fiスピーカーより音質は劣ります。(※CD並みの音質を実現したコーデックもあります)
一方ネットワークスピーカーはWi-Fiの伝送容量が大きいので音質的には有利で、CDと同等の音質、あるいはハイレゾに対応しているものもあります。ちなみにDenon Homeはハイレゾ音源に対応しています。
●ワイヤレスで使える距離が長い
またワイヤレスの通信距離ですが、Bluetoothには通信範囲をClassという規格で規定しており、Class 2で約10メートル程度、最も長距離のClass 1で100メートルとされています。ただし、これは建物の壁やドアなどの遮蔽物の影響が含まれていないため、実際にBluetoothスピーカーで音楽を再生している時にスマホを持って隣の部屋に移動すると音切れが起こることもあります。
一方Wi-FiはWi-Fi機器の性能や設置の状況によりますが、障害物がなければ100メートル程度、戸建てであれば2階建て、マンションであれば3LDK程度までの距離を無線伝送できると言われています。また、家庭内で電波の届きにくい場所があればリピーターやエクステンダーと呼ばれる機器を追加して家の隅々まで電波を届けることができます。いずれにしてもBluetoothより通信距離が長く安定した再生ができると考えていいでしょう。
●同一ネットワーク上の他機器との連携が可能
Bluetoothはシンプルな一対一での接続となりますが、ネットワークスピーカーは同一ネットワーク上の様々な機器と接続できます。そのため他の機器とのさまざまな連携が行えます。
たとえばスマホのアプリでストリーミングサービスを再生したり、ネットワーク上のパソコンやNAS(ネットワークHDD)の音源を再生したりできます。
またDenon Homeでは2台のDenon Homeをステレオペアに設定することで、コンパクトなステレオシステムとしても使用できます。
↑Denon Home 150をステレオペア設定した超コンパクトなステレオ再生システム
ステレオだけでなく、1台をリビングに、もう1台をベッドルームに置き、それぞれのスペースで再生する曲や音量をスマホアプリで一括してコントロールするマルチルームオーディオ機能などもあります。
↑Denon Home製品発表会のスライドより
●Alexaなどの音声コントロールが可能なモデルも
ネットワークスピーカーの一部はSiri、Alexaなどの音声コントロールにも対応しています。
たとえばDenon Home 150、Denon Home 250はAmazon Alexaに対応しているので、Amazon EchoなどのAlexaが使えるデバイスに話しかけることで、曲の再生や停止、音量変更、Amazon Musicからの曲の再生などが行えます。
デメリットというわけではありませんが、ネットワークスピーカーはWi-Fi接続を前提としているので、持ち運びを前提としたBluetoothスピーカーほどコンパクトではない、ということはいえるかも知れません。
最後にネットワークスピーカーとBluetoothスピーカーの比較を表にしてまとめてみました。
Bluetoothスピーカー | ネットワークスピーカー | |
---|---|---|
Wi-Fiルーター | 不要 | 必要 |
音質 | 帯域が狭いため圧縮音源。 音質はコーデックに依存するが、 一般的にネットワーク スピーカーよりは劣る |
帯域が広く一般に Bluetoothスピーカーより 高音質 |
伝送距離 | 見通し距離 10m~100m程度 |
Wi-Fiは障害物のない状況で 直線距離100m程度。 伝送距離の拡張も可能。 |
他機器とのネットワーク | 1対1 | 同一ネットワーク上の 機器と接続可能 ステレオペアリング、 マルチルームオーディオ機能など 高度なネットワーク再生が可能 |
音声コントロール | 非対応 | モデルによって対応可能 |
可搬性 | バッテリー内蔵の コンパクトなものが多い |
据置型のものが多い |
さてネットワークスピーカーについて、Bluetoothスピーカーとの比較でご説明してきましたが、いかがだったでしょうか。近々、デノンの最新ネットワークスピーカー、Denon Home 150を実際に編集部で使ってみる予定です。そのレポートもぜひお楽しみに!
(編集部I)