
デノンのワイヤレス・ヘッドホンでテレワークをどのくらい快適にできるのか?

ビデオ通話を主としたオンライン会議に使用するヘッドホンは、テレワーク必須アイテムと言える存在です。今回は編集部でデノンのオーバーイヤータイプのワイヤレス・ノイズキャンセリング機能付きヘッドホンAH-GC30と、インイヤータイプのワイヤレス・ヘッドホンAH-C820Wをテレワーク環境で使用してみました。
「声」の鮮明さが大事なビデオ通話
新型コロナウィルス流行の影響で、新しい働き方として定着つつあるテレワーク。普段の会議もビデオ通話を使用したオンライン上で行うという方も多いはず。そんなテレワークの必須アイテムといえば、PCやタブレット端末、スマホですが、さらに快適にビデオ通話を行うためにマイクやヘッドホンも実は重要なアイテムなんです。
ビデオ通話では、対面で相手の顔を見て話すわけではありません。画質の粗い映像、音声と映像の時差があったりもしますので、話している相手の表情は対面に比べるとわかりづらくなります。ですので、より注意深く相手の「声」に耳を傾ける必要があります。
そんな状況の中で、音声が聞き取りにくい…となるとなかなか会議の内容に集中することが難しくなりますね。実際、相手の声が割れて聞こえたり、周りの音まで拾ってしまって聞き取りづらかったり、反対に自分の声も届きづらかったり、そういったことの積み重ねがちょっとしたストレスになってしまいます。
特に参加者が多い会議では、何度も聞き返して話を中断してしまうことで、スムーズな進行を妨げてしまうこともあるでしょう。有線のヘッドホンを使っていることを忘れて、立ち上がった際に耳からヘッドホンが外れてしまったり、ケーブルがPCから抜けてしまったりといった失敗を経験した人も意外と多いのではないでしょうか。
テレワークを快適にするヘッドホンに求められる要素とは?
テレワークになってから、オフィス勤務ではできなかった自分の好きな音楽を聴きながら仕事をしている方も多いと思います。また、Amazon Music,、Spotify、AWAといった音楽ストリーミングサービスを使い始めたという方も少なくないのではないでしょうか。
テレワーク用とはいえ、ヘッドホンの本来の使い道である音楽をしっかり楽しめるというはまず大前提としてマストな要素です。
ここでテレワークを快適にするヘッドホンとしての必要な要素をまとめてみます。
- ビデオ通話を使用したオンライン会議で、相手の声(自分の声)が途切れることなく、ハッキリ明瞭に聞こえること
- 音楽を十分に楽しめる性能があること
- さらにワイヤレスであればなおヨシ…
といったところでしょうか。今回は音楽試聴も含め、デノンのワイヤレス・ヘッドホンAH-GC30とAH-C820Wを使用して、テレワークが快適にできるかを試してみました。
AH-GC30とAH-C820Wの機能やこだわりについては下記の開発者インタビューをご覧ください!
ノイズキャンセリング+周囲音ミックスで集中できる仕事環境に!AH-GC30

音楽を聴いた感想
AH-GC30はオーバーイヤータイプです。耳全体を覆う柔らかなイヤーパッドと相まって、音の響きがエレガントに広がっていくような感覚があります。ポップスからクラシックまでいろんなジャンルの音楽を聴いてみましたが、上品な音質と低域から高域までのバランスの良さが、どんな曲でも心地よく響きます。Bluetooth接続によるワイヤレスですが、ヘッドホンをつけたまま家の中を歩き回っても、接続も安定していました。(接続の安定性に関しては住居環境により異なる場合があります)
詳しい製品を使ってみた感想はこちらをご確認ください。
↑ヘッドホンの再生/一時停止ボタン長押し、PC側のBluetooth設定でカンタン接続
オンラインのビデオ通話で使用
AH-GC30の大きな特長のひとつは、ノイズキャンセリング機能です。今回はそれを使用してビデオ会議をしてみました。ノイズキャンセリング機能には、「飛行機」、「シティ」、「オフィス」と周囲の環境に合わせて3種類の中から選べるようになっていて、今回は自宅でのテレワークでしたので、「オフィス」に設定。
ノイズキャンセリング機能をオンにすると、エアコンの動作音や、窓の外から聞こえていた騒音などがきれいにシャットアウトされ、相手の声が今までになくハッキリと聞こえました。オンラインでのビデオ会議は、お互いの環境によって、周りの音を拾ってしまったり、声の聞こえ方が変わったりもしますが、AH-GC30を使用することで少なくとも自分が聞こえる音のノイズをシャットアウトすることで、思った以上に相手の声がクリアに聞こえることに驚きました。
特に大人数が参加する大事な会議で聞き漏らしたくない時や、オンライン取材などで集中する必要があるときには、ノイズキャンセリングはとても役立ちます。
そして逆もしかり、大人数での会議中に自分の声が届きにくい、というのは避けたいのでマイクの性能も大切です。シンプルで洗練されたデザインのAH-GC30は、一見どこにマイクがあるのか…と思うのですが、ハウジングに小さな穴が開いており、そこがマイクになっています。これできちんと聞こえるの?と不安になりましたが、実際に会議に出席しているメンバー全員から、ノイズもないし、ボリュームも特に問題なくクリアに聞こえる、という報告をもらいました。全然マイクっぽくないところがカッコいいですね。
↑この小さな穴がマイクになっています
AH-GC30のノイズキャンセリングの「周囲音ミックス」機能が使える!
ノイズキャンセリングタイプで困るのは、周囲の音がほとんど聞こえなくなってしまうことです。以前自宅で別のノイズキャンセリング・イヤホンをつけて仕事をしていたことがあったのですが、宅配便のインターホンに気づかずスルーしてしまったり、家族の呼びかけを無視し続けてムッとさせてしまったりしたことがありました。
たくさん人がいるオフィスほどではないにしても、自宅でも周りの音に気を遣わなくてはいけないケースは意外とあります。そんな時に便利なのが「周囲音ミックス」機能です。右側のハウジングを2回「コツ、コツ」と指先でタップするだけで周囲音ミックス機能がオンになります。
これは、ハウジングの外側に搭載されている収音マイクで取り込んだ音を音楽にミックスして再生できるので、この機能のおかげで、仕事中にノイズキャンセリングで音楽を聴いていても、家族の呼びかけを無視せずに済みました。
装着していることを忘れてしまうつけ心地。AH-C820W

音楽試聴の感想
インイヤータイプのAH-C820Wは採用されているComply™社のイヤーチップのつけ心地が良く、耳の奥のほうまでしっかり装着できるので音漏れを気にすることなく、音楽が楽しめました。こちらでもポップスからクラシックまで、ひととおり試聴してみました。ネックバンド方式を採用しているので特徴的な形ですが、使わないときは耳から外して首からかけておけるので、意外と便利です。音は特に低域が太くパワフルな印象で、インイヤータイプでもベースやドラムなどがしっかり響きます。そこから高域までもバランス良くまとまり、どんな曲でも楽しめました。こちらも接続の不安定さをあまり感じませんでした。
オンラインのビデオ通話で使用
あくまで個人的な感想ですが、インイヤータイプなのでイヤーパッドの圧迫感がなく、長時間の通話や会議でも全く苦になりません。ネックバンド式で気になっていたのが、通話中に動いたりすると首まわりの洋服などに擦れてノイズになってしまうのでは? という点でしたが、AH-C820Wはノイズキャンセリング機能付きの通話用マイクが搭載されており、こちらの音声のノイズを減らしてくれる仕様になっているので安心です。通話相手に確認したところ、特にノイズが気になることもなく明瞭に聞こえるとのことでした。
圧倒的なラクさでテレワークにピッタリ!
AH-C820Wで特筆すべきはやはり、着けた時の気軽さ、ラクさ、そして連続再生時間10時間と、バッテリーの持ちが良いことです。
朝から夜まで、ときどき休憩をはさんだとしてもオーバーイヤータイプのヘッドホンをずっと着けたまま仕事をするのは、ちょっとしんどいかもしれませんが、インイヤータイプは、その点で仕事に使いやすいと言えるでしょう。さらにネックバンド式なので、耳から外しても首からかけておけるので無くしたりしないし、ケーブルが絡まりにくいです。首にかけているのを忘れるぐらいの軽さなので、日常的に、長時間の使用という観点ではテレワーク環境にピッタリだと思います。
ネックバンドタイプはその大きさから敬遠される理由の一つではありますが、逆に大きなバッテリーを搭載することができるというメリットを持っており、連続再生時間が長いことも大きな特長です。ワイヤレスのインイヤータイプはバッテリーの持ちが数時間というものも結構あり、朝から使ってお昼過ぎに充電しなければいけないなどとなると、ちょっと不便ですよね。
自宅で使うにはやっぱりワイヤレスが◎
今回どちらもワイヤレス・ヘッドホンで試してみましたが、有線タイプと比べると、つけたままどこへでも行けるという機動力が思った以上に、テレワークを快適にしてくれると確信しました。
オフィスより自由度があるテレワークとはいえ、椅子に座りっぱなしは健康に良くありませんから、飲物を取りにキッチンへ行きたい時、場所を変えて少しリフレッシュしたい時、軽くストレッチをしたい時、近所のコンビニへ行く時でも装着したままで問題ありません。気軽に席を離れられるのがとても便利です。
ニューノーマル時代のテレワークをより快適にするアイテム、ワイヤレス・ヘッドホン、ぜひ使ってみてください。くれぐれも、会議中こっそりトイレに行ったりする際は、ご自身の音声をミュートにすることをお忘れなく。
(編集部S)
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