アンプにおいてディテールの表現力を高めるには、シンプルなシングルプッシュプル方式が理想であるとデノンは考えています。しかし、シンプルな回路構成で大出力を得るには極めて大きな電流を扱える素子が必要となります。デノンは、POA-S1の開発以来、増幅素子として大電流を扱うことができる「Ultra High Current-MOS」を使い続けています。この素子を使用することで、シンプルなシングルプッシュプル回路でありながらパラレルプッシュプル回路に匹敵する大出力を得られる理想的な増幅回路を実現しました。PMA-1500REには、上級機であるPMA-2000REと同様に、最新のUHC-MOSの採用や、パワーアンプ段および電源回路の構成を一新した「Advanced UHC-MOSシングルプッシュプルサーキット」を搭載。デノンの理想とする「繊細さと力強さを両立したサウンド」を実現します。
2つの大容量トランスを並列接続することでインピーダンスを下げ、電流供給能力を向上。大音量での再生時にも安定したサウンドを実現。さらに、2つのトランスを逆向きに配置する、L.C.マウント方式により、互いの漏洩磁束をキャンセルし、周辺回路への影響を防止しています。
パワーアンプの入力段には、新たにDual FETを採用。特性のそろったDual FETをペアで使用することにより、温度変化による音質への影響を抑え、安定した動作を可能にしました。また、差動増幅回路の初段に「カスコードブートストラップ回路」を採用することで、高速、高帯域な信号再生時にも、周波数位相ずれの少ない優れた増幅を実現しています。
サウンドイメージの再現やディテールを描くために、細心の注意を払って回路パターンとレイアウトをシンプル&ストレート化。PMA-1500REでは、REC OUTセレクターをなくし、信号経路をさらに短くすることで音の純度を向上させました。
パワーアンプ回路への電流供給の要であるブロックコンデンサーには新開発パーツを採用。新しい増幅素子や回路のパフォーマンスを存分に引き出せるよう何度も試聴を重ねてまとめあげました。
パワーアンプの心臓部ともいえる増幅素子には、上級機PMA-2000REで採用されたUHC-MOSと同シリーズのパーツを採用しました。加えて、UHC-MOSとヒートシンクの間に熱伝導効率の高い銅板を追加。放熱性を高めることで増幅素子の動作を安定させ、微小信号から大きな信号まで音色を変えることなく、さらに余裕のある音楽再生が可能となりました。
このクラスのアンプには贅沢ともいえる大型ボリウムを採用しています。この高性能ボリウムは操作感までも一クラス上のフィーリングを備えています。電動モータードライブによって、リモコンでのボリウム操作にも対応しています。
大きなアルミ製ボリウムノブは外観のためだけに採用されたものではありません。このボリウムノブの重量が操作感をアップし、さらにはボリウムシャフトの振動を抑制することによって音質の向上にまでも貢献します。
オーナーに持つ喜びを感じていただくため、これまでのロゴバッジから彫り込み式のロゴに変更しました。高級感を与えるこのデノンロゴは100年を超えるブランドの歴史と積み重ねてきた技術への自信を象徴しています。
質感の高いアルミフロントパネルから不必要な装飾やボタンを減らし、よりクリーンなイメージに仕上げました。上級機の持つエレガントな方向性を踏襲した新世代のデザインが、高音質な音楽と過ごす至福の時間を演出します。
デノン製CDプレーヤーおよびネットワークオーディオプレーヤーの操作ができるシステムリモコンを付属しています。
音声の入力がない状態で本機を30分操作しないとき、自動的にスタンバイモードになる地球にやさしいエコ機能です。お休み前でも電源の切り忘れを心配する必要がありません。この機能はリモコンのパワーボタンの長押しでON/OFFが可能です。(工場出荷時はONです)
取扱説明書の他に、最初のセッティング用に簡単セットアップガイドを用意しました。また説明書本書はデノンのホームページからPDFファイルをダウンロードして、タブレットやPCでご覧いただくことが可能です。
スピーカ端子にはL/Rを大きく表示。また、ドットパターンの印刷により、出力端子と入力端子、スピーカーA端子とB端子を見分けやすくしています。