アンプにおいて繊細な表現を可能にするには、できるだけシンプルな構成が理想です。しかしシンプルな回路で大出力を得るには大電流を扱える素子が必要です。
デノンではPOA-S1の開発以来、増幅素子として大電流増幅素子UHC-MOSを搭載。この素子を使用することで、シンプルなシングルプッシュプル回路でありながら大出力アンプという理想の回路構成を採用してきました。
PMA-2000REでは、電流容量のアップした最新型UHC-MOSの採用や、パワーアンプ段・電源周りの回路構成を一新した、「Advanced UHC-MOSシングルプッシュプルサーキット」に進化。「繊細さと力強さを両立したサウンド」という、デノンの理想とする音楽再生環境を実現いたします。
一般のMOS-FETの35個分、バイポーラトランジスタの3個分という電流リニアリティを1つの素子で可能とする、Ultra High Current MOS(UHC-MOS)。
PMA-2000REでは、さらに許容電流を強化した最新版を初めて採用。ピーク電流が従来の120Aから210Aへと大幅に強化。加えて、UHC-MOSとヒートシンクの間に熱伝導効率の高い銅板を追加、放熱性を高めることで、増幅素子の動作を安定させ、微小信号から大きな信号まで音色を変えることなく、さらに余裕のある音楽再生が可能となりました。
パワーアンプの入力段には、新たにDualFETを採用。ペア特性のそろったDualFETを使用することで、温度変化による音質への影響を抑え、安定した動作を可能にしました。また、差動増幅回路の初段に"カスコードブートストラップ回路"を採用することで、高速・高帯域な信号再生時にも、周波数位相ずれの少ない優れた増幅を実現しています。
電源部には、前モデルに対して1.5倍の能力を持つショットキーバリアダイオードを新たに採用。スイッチングノイズが少なく、高速動作による力強いパワーによりUHC-MOSの表現力をサポートしています。
不要な振動が画質・音質に与える影響を徹底して抑えています。筐体は、1.6mm厚鋼板を用いた高剛性構造となっています。 内部では、振動の発生源となるパワートランスの取り付けは複数の制振材を使用したフローティングマウントを採用。また左右のヒートシンクは弾性材とスタビライザーによってダンプしたうえでフットの間近に直付けすることで、大型パワートランスなど他の振動源との干渉を押さえています。本体を支えるインシュレーターの素材には、高剛性で内部損失が大きいBMC(Bulk Molding Compound)製をソリッド構造で採用。底面にはさらに振動を吸収するGSフェルトを張り付けるなど、内部・外部からの振動による影響を徹底して抑えています。
各回路の相互干渉を抑え、優れたステレオイメージを得るためにパワーアンプブロックは、電源トランスを挟んでL/R対象に配置したツインモノラル構成としています。さらに、信号レベルの異なる回路の分離を徹底。厚さ1,6mmの鋼板を使用した6ブロック・セパレーテッド構造を採用し、音場感に優れた再生を実現しています。
2つのトランスを並列接続することで、インピーダンスを下げ非常に良好な電気特性を実現しています。また、2つのトランスの搭載方向をそれぞれ逆向きに配置する、L.C.マウント方式により、お互いの磁気の影響を互いにキャンセル。ノイズ源である磁束の漏洩を低減いたしました。
音質の要となるボリウムにはこのクラスとしては贅沢な27型の大径ボリウムを採用。電動モータードライブによって、リモコンでのボリウム操作にも対応しています。
信号経路のシンプル&ストレート化を徹底。PMA-2000REでは、RECOUTセレクターを廃止することで、よりシンプルな伝送回路となっています。また、ソースダイレクト時にはRECOUT端子への信号出力をカットすることで、更に信号経路の短縮化を図り外部からの影響を抑えます。
AVサラウンドシステムなどとの接続が可能な、パワーアンプダイレクト機能を搭載。 入力切り替えはフロントパネルにあるスイッチで行えるので、様々な用途での使用に対応可能です。また、プリアウト端子からは、MOS-FET出力によるディスクリート構成のフラットアンプより出力することで、より高音質なプリアウト出力となっています。
※パワーアンプダイレクト端子からの入力は常にフルボリウムでの再生となりますので、ボリウムコントロールが可能な機器からの入力が前提となります。
本格的なPhono入力端子を搭載。背面の切り替えボタンにより、MM/MCカートリッジに対応しています。
Phono/CD用の入力端子には、大型の削り出し金メッキピンジャックを採用しています。