「コーラス映画」で思いきり泣こう!!
芸術の秋。各地で合唱コンクールが開催されるのもこの季節です。映画にも「コーラス」をテーマにした作品があります。どの作品も大いに泣けてしまう感動作ぞろい。この秋、ホームシアターでコーラス映画の感動に浸ってみませんか?
秋は、各地でいろいろな音楽の発表会や美術の展覧会が開催されます。
コーラス部が参加する対外コンテストや学校内の合唱祭まで、各所で合唱コンクールが開催されるのもこの季節です。
映画にも、コーラスをテーマにした作品があります。
いろいろな国でときどき思い出したように作られ、たいてい結構なヒット作になっています。
ひとつのジャンルといえるほどの作品数ではありませんがどの作品も泣けてしまう感動作ぞろいで、ほとんど「ハズレ」がありません。
今回は芸術の秋にちなんで、そんな「コーラス映画」を東西から集めてみました。
「天使にラブ・ソングを2」 ブルーレイ
価格:2,381円+税
発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)2014Disney
何かしら問題をかかえた集団があります。そこへワケありの合唱コーチが現れて歌の指導にあたります。
集団の一員であるトラブルメーカーは最も優れた歌い手でもあります。
最後はそのトラブルメーカーも心を改め、みんなの結束も一層強くなって歌います・・・
これが「コーラス映画」の、お約束といってもいい設定。話の筋はわかっているのに感動させられてしまうのです。
このお約束を忠実に守っているのが「天使にラブ・ソングを2」(1993年アメリカ)です。
ウーピー・ゴールドバーグ扮するデロリスが修道院の聖歌隊を率いる「天使にラブ・ソングを…」の続編です。
舞台となったサンフランシスコの高校の生徒は悪ガキぞろい。しかも学校は閉校の危機に直面しています。
そこへ本当はラスベガスの歌手なのに修道女に扮したデロリスが合唱コーチとして送り込まれ生徒の聖歌隊を指導します。
コメディー色が強かった前作とは一味違う、感動の青春ドラマに仕上がっています。
全米からオーディションで選ばれたという生徒たちによる合唱シーンが素晴らしく、
なかでも、トラブルメーカー役だった当時まだ10代のローリン・ヒルの歌は圧巻です。
価格:4,700円+税
発売元:株式会社KADOKAWA 角川書店
販売元:アミューズソフトエンタテインメント
(C)2004-Galateé Films-Danvalley Film AG-Pathé Renn Production-France 2 Cinéma-Novo Arturo Films-CP Medien-Tous droits réservés.
「コーラス」(2004年フランス)の舞台は第二次世界大戦の終戦まもない1949年のフランスの片田舎。
孤児や問題児を集めた寄宿学校に、教師マチューが赴任してきます。
音楽家になる夢をあきらめ都落ちしてきたマチューでしたが、問題をかかえた生徒たちに合唱を教え、立ち直らせようと奮闘します。
少しずつ上達し演奏会を開くまでになる生徒たち。
問題児の一人だったモランジュが素晴らしい歌声と音楽の才能を持っていることに気づいたマチューは、
モランジュを厳しいながらも温かい目で指導し、やがて音楽学校への入学をすすめるまでになります。
モランジュを演じたジャン=バティスト・モニエ少年をはじめとする子供たちの天使のような歌声が、観客の心に深く染みわたってきます。
派手なコンテストのシーンもなくハッピーエンドとも言えない内容なのに涙がこぼれて止まらない、そんな映画です。
「アンコール!!」
発売元:アスミック・エース
販売元:TCエンタテインメント
発売日:好評発売中!
(C)Steel Mill (Marion Distribution) Limited 2012 All Rights Reserved.
時と場所は変わって現代のロンドン。「アンコール!!」(2013年イギリス)の主人公、
無口で気難しい72歳のアーサーは、最愛の妻マリオンが地域の合唱団「年金ズ」の練習に出かけるのをあまり快く思っていません。
病弱なマリオンの健康状態が心配だからです。
しかも、年金ズのメンバーは歌の練習中に体調を崩して救急車で運ばれたりする高齢者だらけなのに、
美人のくせに変わり者のコーチ、 エリザベスは、ヘヴィメタルなど激しい曲や、セクシーでキワどい歌詞の曲ばかり次から次へと歌わせます。
そんなある日、マリオンの癌が再発してしまい、練習にいけない彼女の代わりに夫のアーサーが年金ズで歌うことになります。
イギリスを代表する二人の名優テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイヴが共演。
「2013年最高の『泣ける』感動作」というキャッチフレーズはダテではありません。
高齢や死さえも笑いとばしてしまおうというコメディーの根底を、音楽の喜びとは何か、
生きるということはどういうことなのかという深いテーマが支えています。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
最後に日本の作品をひとつ。
「うた魂(2008日本)」は、コンクールに向け日々練習に励む北海道の高校コーラス部を描いたさわやかな青春映画です。
このコーラス部が直面する問題はふたつ。顧問の教師が産休で不在なことと、
主人公のソプラノリーダー(夏帆)が自分の歌声と容姿に酔いすぎてチームの輪を乱していること。
新しい顧問である産休補助教員(薬師丸ひろ子)は全く指導に関心がありません。
ライバル校合唱部のリーダー(ガレッジセールのゴリ)との出会いが主人公を変えていく、というストーリーです。
映画の前半はテンポがスローで面白味を感じず、主人公が自分を美少女だという割にはちっとも美少女に見えないのでむしろ反感を持ってしまいます。
ところが彼女が心を入れ替えて、部の下積みから再出発するあたりから表情が変わり、
最後のコンテストシーンで胸が熱くなるころには、本当に美少女に見えてしまいます。
それもこれもひとえに彼らの「歌」が素晴らしいから。ものすごく上手というのではありません。
ただ、心のこもった歌声と真摯に歌う姿に素直に感動してしまうのです。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
バイオリンやロックバンドなどの楽器演奏は、誰もができる、というものではありません。
でもコーラスならたいてい学校時代に経験しているはずですから、物語のなかにすんなり入り込めます。
人間が有史以前から親しんできた芸術であるがゆえに、歌は私たちの心の奥深いところに響いてきて、誰もが自然と涙してしまうのかもしれません。
「コーラス映画」は探せば他にもいろいろあります。
この秋はホームシアターで、ぜひその魅力を再確認してみてはいかがでしょうか。
(Denon Official Blog 編集部Y)