パーソナライズ機能を搭載したデノンの完全ワイヤレス・イヤフォン「PerL」を編集部員が半年使ってみた
パーソナライズ機能を搭載した高音質完全ワイヤレス・イヤフォン「Denon PerLシリーズ」が人気です。デノンオフィシャルブログではPerL(PerL AH-C10PL)を約半年という長期間使用した編集部員による直球ストレートなレポートをお送りします。
パーソナライズ機能を搭載したデノンの完全ワイヤレス・イヤフォン「PerL」を編集部員が半年使ってみた
編集部員I が「PerL」を選んだ理由
私(編集部I)が、今回は私物として購入したPerLについてレポートします。まず始めに、なぜPerL ProではなくPerLなのかについて述べたいと思います。
PerLシリーズには、PerL ProとPerLという2つのモデルがあります。PerL ProがフラッグシップモデルとすればPerLはレギュラーモデル。この2モデルにはかなり機能の差も価格の差もあります。詳細は下の比較表を参照していただきたいのですが、大きな所としてはBluetoothコーデックにおいてaptX Lossless / Adaptiveに対応しているか否か、そしてドライバーの違いです。もうすこし細かく言えばバッテリー駆動時間や通話時のコーデックであるaptX Voice対応の有無なども挙げられます。そして結果的にスペックとしても高域再生能力がPerLの20kHzまでに対して、PerL Proは40kHzまでと大きく上回っています。
※1 デノンが2023年10月に実施したテストの結果に基づきます。量産品のPerL Proとソフトウェアをスマートフォンとペアリングし、音源にはステレオのAACファイルを使用しています。実際のバッテリー持続時間は、デバイスの設定、環境、使用状況、およびその他の要因によって異なります。
※2 デノンが2023年10月に実施したテストの結果に基づきます。量産品のPerL Proとソフトウェアをスマートフォンとペアリングし、音源にはステレオのAACファイルを使用しています。音量は50%に設定し、アクティブノイズキャンセリング、空間オーディオ、Bluetoothマルチポイントは無効です。プロファイルはデフォルトモードに設定。低音レベルのスライダーは中央に設定し、動作モードは低電力モードです。実際のバッテリー持続時間は、デバイスの設定、環境、使用状況、その他の要因によって異なります。
このようにPerL Proの方が明らかに高スペックなのに、なぜPerLを選んだのか。正直に言えば発売直後に購入したのでPerL Proの人気が高くてすぐに入手できなかったのもあります。しかしそれ以外にも理由はありました。
1.コストパフォーマンスがいい! たとえばメジャーな他社のノイズキャンセル機能付きのフラッグシップ級の完全ワイヤレス・イヤフォンはだいたい3~4万円くらいです。比べると、PerL Proの価格は1万円以上高いです。しかし、その点、PerLは同じくらいです。予算的にそれならPerLがいいかなという気持ちがありました。
2.iPhoneではaptX Losslessが使えない。PerL Proの音質面の最大ポイントである「aptX Lossless (44.1kHz/16bit)」ですが、私はiPhoneを使っていて、iPhoneはaptX Losslessは非対応、ということもありました。
3.ドライバーの違いによる音質について。これは単に好みでした。PerL ProもPerLもそれぞれ音はよかったのですが、若干控えめな感じのPerLが私の好みでした。
これがPerLを選んだ理由です。
ちなみにPerL Proをゲキ押ししているクラシック音楽ファシリテーター飯田有抄さんによるレビューはこちらです。そちらもぜひご参考に!
飯田さんが個人の動画チャンネルでもPerL Proをとりあげて激賞してくださっています。非常に分かりやすいです。
PerLのパーソナライズ機能を使った音は、まるで自分の視力にピッタリと合わせた眼鏡のように「クッキリ」
ということで発売直後にPerLを買ったわけですが、マルっとしたちょっと可愛らしい素敵なフォルム。僕は普段はAH-C830NCWを愛用しているので、それにくらべるとちょっと大きいです。でも着けた感じは良好でフィット感もあり、重さを感じることは全くありませんでした。
PerL
AH-C830NCW(奥がPerL)
そしてお待ちかねのパーソナライズ機能です。スマホのアプリでの操作です。自宅など静かな場所でやったほうがいい、ということで自宅で測定を行いました。
パーソナライズ機能動作中
PerLによる私のリスニング・プロファイル
私の測定結果はこんな感じ。わりと円形に近かったです。こんな感じならパーソナライズ機能を使っても使わなくてもあまり変わらないかな、と思ったのですが、パーソナライズ後に「ニュートラル」と「パーソナライズ」で比較検聴すると、もう、全く音が違います。パーソナライズのほうが断然いい! これ以来ニュートラルにはしていません。
家族のプロファイル
ちなみにこちらは家族のプロファイル。やはりリスニング・プロファイルは個人個人でかなり違うようでした。そして左右でかなり聴こえ方がケースもあるようです。私も若干左右に差がありました。
いずれにしてもパーソナライズ機能の効果は圧倒的で、視力で例えれば、いままではずっと裸眼で平気だと思ってたけど眼鏡で矯正してみてはじめて世界がこんなにクッキリ見えるのかと驚いた、という感じ。これまでは「ヘッドフォンやイヤフォンはほんとに人によって好みがわかれるな」とよく思っていましたが、考えてみれば各自がそれぞれ自分にあった眼鏡を探していたわけで、人によって「これがいい」と思う製品が全然違うのって当然だよな、と思うようになりました。
パーソナライズ機能の仕組み、耳音響放射についてはデノンブログの以下のエントリーで詳しくご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
カフェでPerLのノイズキャンセリングを試してみた
ここからは使用レポートです。まずはカフェで仕事する時に使い始めましたが、ノイズキャンセリングがよく効いて、実に使い心地がいいです。AH-C830NCWよりもノイズキャンセリング効果は高いように感じました。(AH-C830NCWもかなりいいです!)。それと音質が自分の耳の特性にあっているからでしょうか、長時間使っていても聴き疲れを感じたことはありませんでした。
ちなみPerLのノイズキャンセリングの考え方はAH-C830NCWとは若干違いました。
AH-C830NCWのモードは、ノイズキャンセリングON、外音取り込みモード、そしてノイズキャンセリングOFFです。そして各モードで音楽の音量はほとんど変化しません。一方PerLではデフォルトがノイズキャンセリングで、外音取り込みモードに相当するのが「ソーシャルモード」です。そしてソーシャルモードの時は音楽の音量はかなり小さめに抑え込まれます。たとえば誰かに話しかけられたときなどには、ソーシャルモードでは外音が聞こえ、しかもノイキャンON時よりも音楽の音量が小さくなるので便利です。逆に外の音も聞きたいし音楽も聴きたい、という時にはソーシャルモードを使うと全体の音量を上げることがあります。
飛行機を使った出張でPerLを使ったらバッチリだった
先日飛行機を使った出張でPerLを使い倒したので、その様子をレポートします。
まず電車で空港へ。電車の中でのノイズキャンセリングのお陰で実に快適なリスニング環境を提供してくれます。行き先などを確認したいときはソーシャルモードにしました。ソーシャルモードとの切り換えは後述するタッチボタンに1回触れるだけで切り換えられるように設定しました。
PerLで音楽を聴きながら電車で空港へGO!
そして空港着。飛行機に乗る前に何本か空港ロビーから電話をしました。雑然としたノイズの多い場所でしたがPerLの通話性能も良好、ノイズキャンセルの効果でこちらが相手の話を明瞭に聞き取れるだけでなく、大声で話したわけでもなかったのですが、こちらの声も明瞭に伝わっているようでした。
残りの飛行機の待ち時間は音楽を聴きながら過ごしました。空港ではいつも環境音楽の金字塔的なアルバム、ブライアン・イーノの「Music for Airport」を聴いています。PerLのノイズキャンセルが効いた静寂な環境で「Music for Airport」が聴けるとは、実に贅沢な時間です。
そしていよいよ機内へ。機内モードに切り換えても音楽が聴けるようにスマホに数曲ダウンロードしておいたので機内※ではそれらの音楽を聴いて過ごしました。飛行機特有の大音量の低音のノイズを、PerLのノイキャン機能は魔法のようにかき消してくれました。あまりに静かなのでときおりノイキャン機能を切ってみると、機内のノイズは轟音に聴こえ聞こえます。その強力な消音効果に驚かされました。それとイヤフォン本体で連続6時間駆動できるのも安心なところ。国内の飛行機や新幹線移動ならバッテリーが切れることはなさそうです。
※飛行機内でBluetooth接続を使用する際は、各航空会社の規定に沿ってお使いください。
無事に目的地の空港に着いたところで、ちょうどリモート会議の時間となりました。空港のロビーの隅のほうで会議にアクセスしましたが、ここでもPerLを使ってみました。PerLのマイク性能はやはり優れていて、騒音がある場所であるにもかかわらず、わりと小さな声でもきちんと声を拾ってくれました。聴く方もノイズキャンセリングの効果で小音量でもクリアに相手の声が聞こえて、ワイヤレスの自由度とあいまって、長時間の会議でも疲れを感じませんでした。
Bluetoothの切り換えの速さとタッチボタンの多彩な機能
ということで、パーソナライズ機能のこと、そしてカフェや出張での使い勝手についてリポートしてきました。具体的には、パーソナライズ機能での音質向上やノイズキャンセリング、通話性能などについて書きましたが、最後に書ききれなかった部分を補足しておきます。
まずこれまでのBluetooth対応製品に比べて圧倒的に便利だと感じたのが「Bluetooth Quick Switch機能」です。PerLにはマルチポイント機能はついていないのですが、そういう機種は接続先を換えるときに今使っている機器との接続を解除する手間があり、イライラすることもありました。ところがPerLは、ペアリング済みの機器間であれば、接続中の機器から切断の操作をすることなく、接続したい機器から接続の操作をするだけ。切り替えは瞬時に行えます。このメリットは非常に大きくて、スマホからPC、そしてタブレットと、すいすい切り換えられるのは本当に助かります。感覚的にはマルチポイントにとても近い挙動だと思います。
もうひとつはタッチボタンで多彩な機能が使えることです。タッチボタンで使える機能はアプリで左右それぞれに4つずつアクションを割り当てることが可能で、再生/停止から、通話の応答/終話、ボリュームの上下、次の曲/前の曲へのジャンプ、ソーシャルモードのON/OFF、低音モードのON/OFF、低音のレベルを上げる、などがあります。PerLはボタン部分が平らで大きいのでタッチがしやすく、いちいちスマホを出して操作しなくても大抵のことがタッチボタンでできてしまうのもとても便利です。
タッチボタン設定画面
というわけでPerLの編集部Iによるレビューはいかがだったでしょうか。
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(編集部I)