
雪が降ると静かに感じる理由

冬、特に雪が降っていると、屋外がいつもより静かに感じますね。視覚的な効果や寒さなどによる感覚のせいだけではなく、とても寒い日や雪の日には本当に音が響きにくく、静かになるのです。
冬、特に雪が降っていると、屋外がいつもより静かに感じますね。
視覚的な効果や寒さなどによる感覚のせいだけではなく、とても寒い日や雪の日には本当に音が響きにくく、静かになるのです。
今回は「振動」についてお話しようと思います。
物が震えることによって空気が振動し、その振動が主に鼓膜に届くことによって「音」として認識される。それが、音が聞こえる仕組みです。
しかし、雪が降ったり積もったりしていると、雪が空気の振動を吸収してしまうので、その分遠くまで音が届かなくなります。
これが、雪の日は静かだと感じる理由だったのです。
では、どうして雪が空気の振動を吸収してしまうのでしょうか。
その秘密は、雪の結晶の形にあります。
みなさんも写真やモチーフなどでご覧になったことがあるように、雪の結晶は八角形や六角形、その他さまざまな複雑な形をしています。
あの結晶の隙間の部分に音の振動が閉じ込められてしまい、遠くまで音が届かなくなるのです。雪は条件によっては80%以上の音を吸収してしまうそうですから、「静かだ」と感じるのも納得ですね。
雪が積もっている場合は特に、いつもは地面などに反射しながら遠くまで届く音が、ほとんど雪に吸収されてしまいます。電車の音でさえ聞こえにくくなる時があるほどだと言います。
しかし一方で、ぐっと冷え込んだ時や雪が降り積もった時にいつもより遠くからはっきりと音が聞こえてくる時もあります。遠くの列車の音や、沖に出た船の音などです。
これは、音がより冷たい空気の方向に向かって進むことから起こる現象です。通常なら上空へ向かうはずの音が、放射冷却や雪によって上空より冷やされた地表近くの空気に向かって進んでくるために、地上にいる私たちに届きやすくなるのです。
普段何気なく耳にしている音も、このようにいろいろな仕組みをもって私たちの耳に届いているのですね。