超初心者のための「スピーカーって何?」Part.1
オーディオシステムの中でもスピーカーは、オーディオにおける音の出口。収録された音楽の信号がアンプを通り、最終的に耳で聴くことができるように空気の振動にする大切な役割を果たす装置。 実際のところスピーカーはどういう仕組みか、どんな種類があるのか、そして繋ぎ方やセッティングなど、スピーカーについて基本の基本からご説明しましょう。
オーディオシステムの中でもスピーカーは、いちばん身近な存在かもしれません。
スピーカーはオーディオにおける音の出口。
CDなどに収録された音楽の信号がアンプを通った後で、最終的に耳で聴くことができるように空気の振動にする大切な役割を果たす装置です。
しかし実際のところスピーカーはどういう仕組みになっているのか、どんな種類があるのか、
そして繋ぎ方やセッティングなど、意外とよくわかっていなかったりしませんか?
そこで今回はスピーカーについて、基本の基本からご説明しましょう。
スピーカーの構造
冒頭にも書きましたが、スピーカーは電気信号を人の耳に聞こえるように空気の振動に変える役割を果たしています。
そのため、一般的なスピーカーはこんな構造になっています。
上の図は音を出す部分、いわゆる「スピーカーユニット」を横から見た断面図です。
ボイスコイルに電流が流れると周囲のマグネットと反応して振動が生まれます。
それがコーン紙を振動させ、さらには空気を振動させることで音を出します。
流れる電流の大きさによりコーン紙の振動の幅は変わります。
これがスピーカーから音が出る基本的な原理です。
そしてスピーカーユニットを通常ハコ状のキャビネットに固定したものが、スピーカーというわけです。
スピーカーの種類
ではスピーカーにはどんなタイプがあるのでしょうか。
もちろん大きいモノから小さいものまで、形状も大きさもさまざまです。
しかしまず押さえておきたいのはキャビネットにスピーカーが何個ついているかです。
キャビネットに固定されたスピーカーユニットが1つだけのものを「フルレンジスピーカー」といいます。
1つのスピーカーですべての音域をカバーするからフルレンジ(=全帯域)です。
↑フルレンジスピーカー
それに対して音域を分割して複数のスピーカーユニットで再生するのがマルチWay(ウェイ)スピーカー。
低音用と高音用の2つのスピーカーユニットがあるものを2Way、
さらに中音用のスピーカーを加えて3つのスピーカーで構成されているものを3Wayといいます。
↑2Way(左)、3Way(右)
フルレンジスピーカーの特長は、スピーカーユニットが1つだけなので構造がシンプルで音に濁りがなく、クリアなサウンドが楽しめることです。
デメリットは2wayや3wayに比べると低音や高音の再生が弱くなります。
一方の2wayスピーカーや3wayスピーカーは、高音用・低音用スピーカーでそれぞれ音域を分担して再生するので、広い音域の音が再生できる点がメリットです。ただし複数のスピーカーで異なる帯域を再生するため、低域と高域のバランスが崩れたり、音像がぼやけてしまうことがあります。
上の写真はデノンのスピーカーシステム SC-CX303。これは2wayスピーカーです。
またキャビネットの構造にも違いがあります。
↑密閉型(左)、バスレフ型(右)
上のは、スピーカーを横からみたところですが、箱形のキャビネットにスピーカーユニットがついています。
左のタイプは、キャビネットが密閉されているので「密閉型」といいます。
右のタイプは、バスレフ型といいます。
スピーカーキャビネットに穴が開けられており、キャビネットが密閉されていません。
その穴(バスレフポート)からも音がでます。バスレフポートからは主に低音が出ますので、低音の補強に役立ちます。
ところで、バスレフ型はなぜ低音が補強できるのでしょうか。その点をカンタンにご説明しましょう。
スピーカーユニットのコーン紙は前後に振動しているので、実は前だけでなく後ろ側にも音を出しています。
バスレフ型は、このスピーカーユニットの後ろから出る音を上手く使うために音の通り道を設計し、
主に波長が長く音が曲がりやすい低音をバスレフポートから出るようにしています。
ちなみにバスレフとはBASS REFLEXの略で、文字通り低音を反射させるという意味になっています。
バスレフポートは設計によって、前にある場合も後ろにある場合もあります。
デノンのスピーカーシステム SC-CX303 もバスレフ型ですが、下の写真のようにバスレフポートが後ろ側にあります。
スピーカーの接続方法
最近はアンプ内蔵型のスピーカーも増えているので、ピンとこない方もいると思いますが、スピーカーはアンプと接続しなければ音が出ません。
ステレオであれば左チャンネル(L)と右チャンネル(R)の2本のスピーカーをアンプと接続します。
上の図はアンプとスピーカーを接続端子の側から(裏側から)みている図です。
中音の緑色がプリメインアンプです。
RチャンネルとLチャンネルの2つのスピーカーに接続していますそれぞれのスピーカーに+と−がありますので間違えないように注意してください。
たとえば、この図ではLチャンネルの+と−が間違ってしまっています。
こうなるとLとRのスピーカーの関係が「逆相」という状態になります。
LとRのスピーカーがお互いの音を打ち消し合ってしまう状態となりますので、センターの音がヌケてしまってスカスカした音で再生されてしまいます。
オーディオを設置するときに、スピーカーを繋いでみたけど、
なんか音がヘンだと思ったら、まずは逆相でないかお確かめいただくといいかもしれません。
Part.1はここまで。
Part.2ではスピーカーの設置する場所や高さなど、具体的なことをご説明する予定です。お楽しみに。
(Denon Official Blog 編集部I)