プロフェッショナルチョイス テレオン第2店
いつも音楽に触れているプロに、本当にいい音楽を教えてもらおうという新企画。第2回はオーディオ&ビジュアル専門店テレオン第2店の山口大介さんにお気に入りの音源を教えてもらいました。
オーディオ&ビジュアル専門店でいつも音楽や映画に触れているプロフェッショナルに、本当にいい音楽やいい映画を教えてもらおう、という新企画がはじまりました!
第2回は株式会社テレオン第2店の山口大介さんにご登場いただきましょう。
テレオンは秋葉原からほど近い位置にお店を構えたオーディオ&ビジュアル専門店です。
「選り抜いた世界の<音>をお届けする」をスローガンに掲げて秋葉原で3店舗を展開しており、アナログオーディオから最新のPC&ネットワークオーディオまでの幅広いジャンルで、エントリークラスからハイエンドまで様々なグレードの製品を扱っています。
テレオン公式ウェブサイト: https://tereon.co.jp/
山口さんはテレオン第2店の4階にいらっしゃいます。
↑テレオン第2店
↑株式会社テレオン 第2店(sound 110)山口大介さん
●今日はデノン公式ブログの新コンテンツ「プロフェッショナルチョイス」の第2回です。よろしくお願いします。
山口:よろしくお願いします。
●さっそくですが、今日はプライベートで気に入っている音源をご紹介いただけるということでお伺いしました。
山口:自分でよく聴いているという観点から、2枚ほどご紹介しようと思います。まず最初はビートルズの「アビーロード」です。
アーティスト名:ビートルズ
アルバム・タイトル:アビーロード
●ビートルズの名盤中の名盤ですよね。これを選ばれたのはどうしてですか。
山口:私の父がオーディオマニアだったんですが、父がビートルズが好きで。
それこそ、膝に抱えられて小さい頃からこのアルバムをずっと聴かされていたんですよ。
●親子二代のオーディオマニアというわけですか。
山口:そうなんです(笑)。父の時代はLPの時代でしたし、レコーダーはテープデッキ、オープンリールでした。
オーディオシステムも揃えてありましたし、スピーカーも 2セットありましたね。
●お父様はほかにどんな音楽を聴かれていたのですか。
山口:ビートルズ以外ではベンチャーズやビーチボーイズ。
それにクラシックではベートーベン、チャイコフスキー、ブラームスなど。けっこうベタでした(笑)。
●それでアビーロードが気に入ったのはどうしてですか。
山口:このアルバムはビートルズが解散する直前に作ったものですが、とてもそうは思えない完成度ですよね。
これを作っておいて解散するか? って思うぐらい。
メンバー間では仲違いしていたのかもしれませんが、この音楽はそれとは全く違う次元の素晴らしさだと思います。
音楽って不思議だなって思いますね。
●特に気に入っている曲はあるのですか。
山口:このアルバムはトータルアルバムですから、どの曲というのはなくて、いつもA面、B面を通しで聴いています。
●ということはアナログレコードで聴いているのですか。
山口:はい。CDもボックスセットなどで持ってはいるのですが、聴いていませんね。
アナログレコードでは3枚持っています。1つは父が聴いていた当時のもの。
そして10年ほど前に記念で出たアナログ盤、そして最近リマスターされてリリースされたアナログ盤です。
●その3枚は聴き比べると音は違うのですか。
山口:ちがいますね。新しいものはノイズが無くなって聴きやすくなっている、というのもあります。
それとリマスターされた新しいものは一つ一つの音が磨かれて変わっているので、音は最先端のものになっています。
LPというフォーマットは同じですが、入っている音は違うんです。
●どちらがいいですか。
山口:時代を感じるなら古い盤がいいと思いますし、今の音でビートルズを聴きたいなら、ぜひ新しいものをお勧めします。
できれば音の違いをぜひ聴き比べていただきたいですね。
●なるほど、やってみたいです。ところでもう一枚はなんでしょうか。
山口:今度はジャズで、キース・ジャレットの「ウィスパー・ノット」です。
アーティスト名:キース・ジャレット
アルバム・タイトル:ウィスパー・ノット
●このアルバムを選ばれた理由を教えてください。
山口:父の影響で自分もオーディオが好きになっていくなかで、ジャズやクラシックも聴きたくなってきました。
そのころ地元のCDショップの方でご自身もオーディオマニアの方がいたんですが、その方に「ジャズを聴いてみたいんですが」って相談したんです。
そうしたらビル・エバンスとキース・ジャレットを紹介されました。その時にこの「ウィスパー・ノット」を勧められました。
●キース・ジャレットのトリオは、たぶん現在最高峰のピアノトリオですね。
山口:それ以前もキース・ジャレットのCDを買ってはいたんですが、このアルバムがそれまでの私のイメージとは違っていて、すごく良かったんで
●印象が違うというと?
山口:キース・ジャレットって、いわゆる知的でクールという印象があったんですが、このアルバムはキースが一度病気か何かで演奏ができなくなった時期があり、そこからもう一度立ち直って弾き始めた頃に録音されたライブアルバムなんですね。
そのせいか非常に勢いがあるというか、とても熱い印象だったんですよ。
●ちなみにテレオン2号店の4 階は高級オーディオのフロアですが、このようなアルバムをいいオーディオで聴くと楽しみが増しますか。
山口:ビートルズに関しては、そうはいっても古い音源ですので、リマスターでどう良くなったのか、などを聴きこむ楽しさがありますが、キース・ジャレットの「ウィスパー・ノット」あたりだと、オーディオによってかなり違って聴くことができます。
↑テレオン2号店4 階に展示されているアンプ、プレーヤー類
●それはどんな風に変わってくるのでしょうか。
山口:たとえば臨場感であるとか、楽器の存在感であるとか、ですね。たとえばキース・ジャレットのライブだと大きなホールで演奏していることが多いのですが「ホールで演奏している臨場感を味わいたいならこのシステム」とか、「楽器にグッと寄った音にするならこのシステム」など。
システムの選択でけっこう音は変わってくると思います。例えば「ベースを効かせたいなら、このスピーカーがいいでしょう」とか。
私たちとしては、そういうアドバイスをしたいと思っています。
↑テレオン2号店4 階に展示されているスピーカー類
●山口さんが考えるオーディオの楽しさとはどんなものでしょうか。
山口:オーディオを楽しむ方って、3つのタイプがあると私は思うんです。
まずは音楽に興味がある方。
そして音そのものに興味がある方、さらにメカが好きな方。この3つがある割合で混ざり合っていたりしますが、私たちとしてはそれぞれのタイプにあったオーディオ機器を選んでいただけるようにアドバイスしたいと考えています。
●ちなみに山口さんはどのタイプですか。
山口:私は音楽そのものと、音そのものとが両方好きなタイプです(笑)。
私自身、小さい頃はバイオリンを習っていて、中学からはギターでロックバンドをやったりしてました。
それらが落ちついたらオーディオに戻ってきたという感じです。ですから音楽が好きですし、音楽がない暮らしは考えられないですね。
●ちなみにこのフロアにはデノンのPMA-SX1とPMA-SX11が並んでいます。デノンの音にはどのような印象をお持ちでしょうか。
山口:PMA-SX1とPMA-SX11は聴き比べて選んでいただけるように用意しています。
デノンのサウンドは一言で言えば「厚みがあって、中低域に量感のあるゆったりとした音」という印象です。
最近はそれに加えてHi-Fi的な要素、オーディオマニアが言うところの細かい音、分解能、ステージイメージがぐっと出てくる表現力を身につけてきているように感じます。聴き心地の良さとHi-Fi的な要素のバランスがよく取れていると思います。
あとCDプレーヤーでもデノンにはかつてDCD-1650という銘機があってオーディオファンに高く評価されたのですが、それでデノンへのメカへの信頼性が高いんです。
ここのお客さまでも今デノンを使っているが、次もデノンで、と後継機を買われたり、グレード的にデノンのCDプレーヤーで買い上がりされる方が多いです。
●オーディオ&ビジュアル専門店としてのテレオンの特長はどんなところにあるのでしょうか。
山口:Hi-Fiオーディオというと非常に高価なものもありますが、極端に高価なものではなく、なるべく手に取りやすい価格帯のもの、そしてできるだけ長く使っていただけるようにオーバーホールや修理の面でよく対応してくれるメーカーさんの製品を中心にご提供するという立場でやっています。
●なるほど、そうするとお客さまとも長いお付き合いになりますよね。
山口:はい、お馴染みになってくださる方も多いです。ぜひ一度遊びにきていただければと思います。
↑用品などを中心としたテレオン3階フロア
↑ミドルグレードを中心としたテレオン2階フロア
↑エントリーグレードを中心としたテレオン1階フロア
●本日はご多忙中お時間をいただき、ありがとうございました。
(Denon Official Blog 編集部 I)