P’s STUDIO見学記1 デノンAVアンプ「AVC-A110」が導入されたスタジオを見学
デノンのフラッグシップAVアンプ「AVC-A110」がDolby Atmosに対応した「P's STUDIO」に導入されました。デノンブログでは、改装されたスタジオを見学に行ってきました。
東京・麻布台にあるポニーキャニオンエンタープライズのMAスタジオ「P’s STUDIO」。P’s STUDIOにはすでにDolby Atmosに対応したスタジオがありますが、今回新たに『MA-2』というスタジオがDolby Atmos対応に改装されました。このスタジオにデノンのフラッグシップAVアンプ「AVC-A110」が導入されたと聞き、見学へ行きました。今回は株式会社 ポニーキャニオンエンタープライズ 営業部営業グループ(兼)ポスプロ担当 近藤貴春さんにお話をうかがいました。
ポニーキャニオンエンタープライズ 営業部営業グループ(兼)ポスプロ担当 近藤貴春さん
AVC-A110が導入されたP’s STUDIOのスタジオ『MA-2』
●本日はお招きいただき、ありがとうございます。さっそくですが新スタジオ『MA-2』の特徴を教えてください。
近藤:もともとここは6.1chサラウンドミキシングなどに対応したMAスタジオでしたが、いまDolby Atmosのミキシング需要が急激に増えているため、それに対応するために改装しました。最近は映画だけでなく、音楽やアニメなどのジャンルでもDolby Atmosでの制作が増えています。
●この制作環境はいわゆる「ダビングステージ」ということですか。
村上:ダビングステージではありません。Dolby Atmosには映画館用のDolby Atmos Cinemaと家庭用のDolby Atmos Homeがありますが、ここは主にホームシアターなどで試聴する家庭用のDolby Atmos Homeのミックスを行います。映画用のダビングステージにはもっと広いスタジオを使いますし、スタジオの形状も映画館のように立方体であることが一般的です。ここは部屋がホームシアターぐらいのサイズ感で、スピーカーのレイアウトも完全にサークルで、スピーカーは試聴するポイントから1.8メートルの正円でセッティングされています。
ポニーキャニオンエンタープライズ P’s STUDIOミキサー 村上智広さん
※P’s STUDIOの村上智広さんには、デノンブログのエントリー「AVC-A110とDenonHome Sound Bar 550でサラウンド作品を聴く」にもご登場いただきました。こちらもぜひご覧ください。
●このスタジオのスピーカーのチャンネル数はどうなっているのでしょうか。
村上:9.1.4chです。サブウーハーが2発ありますが、送っている信号は同一なので表記としては9.1.4chでいいと思います。
スピーカーのレイアウトはスイートスポットから1.8mの正円となっている
●Dolby Atmosに対応したMAスタジオに、デノンのAVアンプ、AVC-A110を導入いただいたのはなぜですか。
近藤:プロ用の制作環境にコンシューマー用の再生機を入れ込むのはシステム的にはかなり難しかったのですが「民生機で再生した音をプロ用のスピーカーできちんと聴きたい」というニーズが結構あったのでなんとか入れ込みました。というのも最近はApple Musicの空間オーディオやAmazon MusicでもDolby Atmos対応の曲が増えてきています。アーティストがDolby Atmos対応の楽曲を制作している時に、すでに発表されているDolby Atmosの楽曲をリファレンスしたいとか、Blu-ray用のDolby Atmos Mixを制作している時に既発のDolby Atmosのパッケージソフトをリファレンスしたいということがよくあるんですね。そんな時のためにDolby Atmosに対応した民生用AVアンプのリファレンスモデルとして、デノンのAVC-A110を選びました。
P’s STUDIOのスタジオ『MA-2』に設置されたAVC-A110
●それでは、このスタジオの音をさっそく試聴させてください!
近藤:ではDolby AtmosのトレーラーとApple Musicの空間オーディオの作品をご試聴ください。
●(試聴して)完全につながっているというか、正円にスピーカーが設置されているだけあって、全球感がありますね。それとデノンの試聴室よりもより近いというか、ニアフィールドな感じがします。解像度も非常に高いですね。Dolby Atmosをこんな解像感で聴いたのは初めてかもしれません。
村上:ここはホームシアター環境に向けて音楽を制作するスタジオなので、確かにニアフィールドの再生です。解像度も上がっていると思います。
近藤:今まで自分がずっと聴いていた音と解像度が違っていて、すごいサウンドがくっきりしていると感じました。
●イマーシブオーディオ独特のふんわりとした「包まれ感」がもっとあるかと予想していましたが、研ぎ澄まされたプロ用の再生環境だと、ここまでくっきりと音像が表現できるものなんですね。ちょっと驚きました。
(「P’s STUDIO」の見学記その2「NeSTREAM LIVEのDolby Atmosのストリーミング配信をDenon Home Sound Bar 550で聴いてみた」に続きます)