編集部のオススメハイレゾ音源 畠山美由紀「歌で逢いましょう」
編集部がお勧めのハイレゾ音源をご紹介するこのコーナー。今回は昭和の名曲たちを抜群の歌唱力と最高のサウンドで一発録音したという畠山美由紀「歌で逢いましょう」をご紹介します。
オーディオ関連の話題だけではなく、最近では雑誌やCMなどでも耳にする「ハイレゾ」。
デノンからもハイレゾ対応のポタアンDA-10や
USB-DAC / ヘッドホンアンプ DA-300USBが発売されるなど、
高音質のハイレゾ音源が、手軽に楽しめる環境が急速に整いつつあります。
とはいえ、ハイレゾ音源は、通常のCDのようにお店で買うことができない場合が多いです。
ではどうやって入手すればいいのか? どこからダウンロードすればいいのか、
そしてどんな音源があるのかなど、まだまだハイレゾ初心者にはわかりにくい面があるのも事実です。
そこで、編集部がオススメの音源を、入手方法を含めてご紹介しよう、というのがこのコーナーです。
まずハイレゾ音源の入手についてですが、
主にインターネット経由でダウンロードして購入することが多いと思われますので、
ダウンロードサービスを行っている主なハイレゾ音源の配信サイトを
ご紹介しておくと
VICTOR STUDIO HD-Music.
HQM STORE
OTOTOY
e-onkyo music
mora
などが挙げられます。
また上記はいずれも日本国内での音楽配信サイトですが、海外にも多数ありますので、
ぜひご自身でそれぞれチェックしてみて、お好みのサイトを見つけてみてください。
さて、そんなわけで今回ご紹介したいハイレゾ音源は、
畠山美由紀「歌で逢いましょう」です。
アーティスト名:畠山美由紀
アルバム・タイトル:歌で逢いましょう
この音源は昭和の名曲を、抜群の歌唱力を誇る畠山美由紀が、
実力派ミュージシャンを集め、歌も演奏も「せーの」で一発録りしたという素晴らしいアルバムです。
収録曲は
01. シクラメンのかほり(布施明)
02. それぞれのテーブル(ちあきなおみ)
03. 時の流れに身をまかせ(テレサ・テン)
04. 花の夜舟
05. おんな港町(八代亜紀)
06. 圭子の夢は夜ひらく(藤圭子)(※選曲: 森雅樹[EGO-WRAPPIN’])
07. 悲しい酒(美空ひばり)
08. 越冬つばめ(森昌子)
09. かもめはかもめ(研ナオコ)
10. 紅い花(ちあきなおみ)
11. 歌で逢いましょう
※カッコ内はオリジナルアーティスト
どーですか!泣けてきませんか。私も泣いています。
04と11はオリジナル曲ですが、それ以外の曲は、歌謡曲や演歌の名曲中の名曲。
歌詞を見なくても歌えてしまう曲がほとんどじゃないですか?(ちなみに私はほとんど歌えます)
私(編集部I)が畠山美由紀さんを知ったのは、冨田ラボの「耐え難くも甘い季節」
という曲でのフィーチャリングボーカリストとして、でした。
日本のスティーリー・ダン、といっていいのではないかと思うほどオシャレな
冨田ラボの洗練された曲、メロディを、さりげなく、余裕を感じさせながら、
しかし見事に歌い上げる畠山さんの歌は素晴らしく、印象的でした。
その畠山さんが昭和を代表する名曲を歌うのだから、素晴らしくないはずはない、という確信を胸に
今回はe-onkyo musicで、音源をダウンロードしてみました。
こちらがe-onkyo musicのトップページです。
そしてクリックすると、このようなダウンロードページへと画面が変わります。
「歌で逢いましょう」は、ハイレゾと一口で言っても、
以下のような多彩なフォーマットから選ぶことができます。
WAV96kHz/24bit
WAV192kHz/24bit
flac96kHz/24bit
flac192kHz/24bit
DSF2.8MHz/1bit
DSF5.6MHz/1bit
WAVはいわゆるCDと同じPCM録音ですが、CDは44.1kHz/16bitですから、
かなり解像度が高いと言えるでしょう。
flacは元の音声データからの音質の劣化が無い可逆圧縮のデータ。
理論上はWAVデータと同じ音質です。通信環境やデータ量を気にする方はこちらがいいのでは。
そしてDSFとは、DSDのファイル形式。こちらはPCM方式とは異なる録音方式。
SACDで採用されている方式であり、よりアナログに近いと言われています。
こちらも2.8MHzよりは5.6MHzのほうがより解像度が高くなります。
このあたりのフォーマットによる音質の違いはぜひ、ご自身の耳でご確認いただきたいところ。
ちなみに「歌で逢いましょう」は、通常のCDでも発売されていますし、
また日本を代表するサウンドエンジニア“オノ セイゲン”監修による
180gの重量版のアナログレコードでもリリースされていますので、
同じ曲をさまざまなフォーマット、メディアで聴き比べるのも
オーディオファンとしては、かなり面白いのではないでしょうか。
http://www.rambling.ne.jp/catalog/utadeaimasyou/
さて、肝心の内容ですが、聴いてみました。
いや、歌も、演奏も、録音もすばらしいです。
派手さはありませんので、違いがわかる大人向きの贅沢さですが、
「本当にいい歌」を「本当にいい演奏」が伴奏し、それを「本当にいい音」で聴く。
そんな贅沢な体験が味わえます。音楽好きには堪らない素晴らしいクオリティです。
曲がいいのはもちろんなのですが、畠山美由紀さんの歌が、素直で、力みやハッタリのない、
自然な情感がこもっています。
聴いていて思うのは、演奏と歌との一体感のすばらしさですが、
歌にぴったりあった当意即妙の演奏の理由は、
演奏と歌をすべて一発録音で収録したからでしょうね。
これは、誰かが間違ったら全部録音しなおしですから、すごい緊張感。
しかし、それゆえに、全ミュージシャンが集中しきった緊張感、
そして、その時に生まれる、静謐な陶酔感のようなものを感じることができます。
リハーサルもナシの一発録音らしいですから、
もう同じ演奏は多分二度とできないでしょう。
奇跡的な演奏といっていいのではないでしょうか。
ちなみに参加ミュージシャンたちも、その筋では有名な、実に渋い本格派ばかり。
・ 沢田穣治(ベース他) ・ 笹子重治(アレンジ/ギター)
・ おおはた雄一(ギター) ・ 秋岡欧(バンドリン) ・ 芳垣安洋(ドラム)
・ 鶴来正基(ピアノ) ・ 井上“JUJU”博之(サックス他) ・ 竹内直(サックス)
・ 向島ゆり子(ヴァイオリン) ・ 田中景子(ヴィオラ) ・ 橋本歩(チェロ)
演奏しているのは昭和の演歌や歌謡曲ですが、原曲のイメージを保ちつつも
アコースティックかつコンテンポラリーな演奏を聴かせてくれます。
私が特に気に入ったのは「圭子の夢は夜ひらく」ですが、
冒頭のエレキと歌だけの部分は、パンキッシュでアバンギャルドなニュアンスがあり、
ジム・ジャームッシュの映画で使われていたような
90年代ニューヨークのような硬質なサウンド。
これが不思議と「圭子の夢は夜ひらく」の世界観にマッチしています。
音楽、歌、録音、そして音源のクオリティ含め、
非常に素場らしい作品です。
ぜひみなさまも、ハイレゾでご一聴ください。
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(Denon Official Blog 編集部I)