デノンのレコードプレーヤー名鑑&おすすめシステム
アナログレコード専門店が続々とオープンするなど、レコードの人気はますます上昇中。そろそろレコードプレーヤーを買ってみたい、という方も多いのではないでしょうか。そこで今回はデノンのレコードプレーヤーのラインナップを一挙にご紹介。さらに編集部お勧めのシステムもご提案します。
ダイレクトドライブを採用した伝統の銘機の系譜
DP-1300MKII
デノンは現在7機種のレコードプレーヤーをラインナップしています。レコードプレーヤーの製造をいったん中止していたメーカーも多いのですが、デノンはこれまで一度もやめることなくレコードプレーヤーを作り続けてきました。そして現在のデノンのレコードプレーヤーの最上位モデルがDP-1300MKII。美しい天然木仕上げキャビネットは、銘機の系譜を感じさせます。
デノンはかつてDP-3000という「銘機」と謳われるレコードプレーヤーを発売していました。DP-3000は、その安定性と信頼性、そして音質の高さが高く評価され、FM放送の送り出し用として多くの放送局で採用されていたモデルです。
放送で特に高く評価されたのは「ダイレクトドライブ」という回転方式の正確さでした。放送局の番組制作では、次の曲の頭出しのために針が予め置かれていて、再生スイッチを押したらすぐに曲が正確に再生できる必要があったのです。
このダイレクトドライブの正確さと安定性において、DP-3000は他の追随を許しませんでした。DP-1300MKIIはその直系であり、デノンレコードプレーヤーの伝統を継ぐモデルだと言えるでしょう。
DP-3000についての詳細はこちらをごらんください。
DP-500M
DP-500MもDP-1300MKIIと同じくダイレクトドライブ方式のレコードプレーヤーです。2018年の年間売れ筋ランキングでレコードプレーヤー部門のトップを獲得したモデルで、高い評価を得ている人気のモデルです。
【Phile web】2019年03月25日掲載
<年間売れ筋ランキング 2018>レコードプレーヤー部門は1位デノン、2位テクニクス
「レコードプレーヤー」部門の年間売れ筋ランキングでトップに立ったのはデノン「DP-500M」。
抜群のコストパフォーマンスで他を圧倒した。
デノンは「DP-300F」が3位、「DP-1300MKII」が5位とここでも強さを見せつける。
上級機譲りの木製キャビネット、トーンアームを備え、サウンドも上級機に匹敵する本格派です。デノンの伝統のサウンドを楽しみたい方にオススメしたい1台です。
さて、ここまでの2つのモデルに共通したことで、注意しておきたい点があります。それは、「フォノイコライザー」についてです。レコードを再生するためにはフォノイコライザーというレコード再生専用の回路が必要です。DP-1300MKII、DP-500Mにはフォノイコライザーが搭載されていないので、これらでレコードを再生するためにはフォノイコライザーを搭載したプリメインアンプなどと接続しなくてはなりません。ミニコンポや普及価格帯のAVアンプなどに接続する予定の方は、それらの機器にフォノイコライザーが搭載されているかどうかをご確認ください。
フォノイコライザーの役割については以下のブログエントリーで詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
ミニマルデザインのニューコンセプトレコードプレーヤー
DP-450USB
DP-400
DP-400、DP-450USBは、昨年発売されたばかりの、デノンのレコードプレーヤーとしては最新のモデル。他のレコードプレーヤーと一線を画すのがデザインです。DP-400、DP-450USBはいずれもデザインシリーズの一環として開発されており、装飾が排除されたミニマルなデザインで、モダンなインテリアにマッチします。キャビネットはホワイトとブラックの2色展開で、どちらも艶やかな光沢仕上げ。レコードスタンドにもなるダストカバーも付属しています。
また、性能としてはレコードプレーヤーの基本性能が磨き上げられた本格志向で、音質的には上級機に迫るものがあります。DP-400、DP-450USBはフォノイコライザーを内蔵しているので、お持ちのミニコンポやAVアンプなどのアナログ入力端子にそのまま接続できます。
さらにDP-450USBには再生したレコードの音源をUSBメモリーへダイレクトに録音できる機能を搭載しています。対応フォーマットはMP3(44.1kHz/192kbps)またはWAV(44.1kHz/16bit)。デジタル編集ソフトMusiCut for Denonを使うと、USBメモリーに録音したレコード片面のデジタルファイルの分割や、曲名などの自動取得や編集が可能です(MP3のみ)。
DP-400、DP-450USBについてはこちらのエントリーをぜひごらんください。
ビギナーに最適、ハイコストパフォーマンスなレコードプレーヤー
DP-300F
DP-300Fは高音質ながらハイコストパフォーマンスも実現したレコードプレーヤー。美しい光沢塗装で仕上げられた肉厚4mmの厚肉成形材は強度・密度に優れており、安定感があります。またスイッチ一つで自動的にアームが移動してレコードを再生し、再生終了後アームが戻るフルオートシステムです。フォノイコライザー内蔵で、接続する機器を選びません。
こちらも先ほどの2018年の年間売れ筋ランキング、レコードプレーヤー部門で3位となっている人気のモデルです。
DP-200USB
こちらもフルオートでレコードが楽しめるレコードプレーヤー。フォノイコライザー内蔵。さらにUSB端子を装備しており、USBメモリーを差し込み、録音ボタンを押すだけでMP3(192kbps)のデジタルデータに変換します。デジタル編集ソフトMusiCut for Denonを使うと、USBメモリーに録音したレコード片面のデジタルファイルの分割や、曲名などの自動取得や編集ができます(MP3のみ)。
DP-29F
圧倒的なコストパフォーマンスを実現したレコードプレーヤー。フルオート機構を搭載し、こちらもフォノイコライザー内蔵で、接続する機器を選びません。
というわけでデノンのレコードプレーヤーのラインナップを概観してみました。最後に各機種の要点をまとめた表を作成しましたので、機種選びにお役立てください。
DP-1300MKII | DP-500M | DP-450USB | DP-400 | DP-300F | DP-200USB | DP-29F | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
希望小売価格(税抜) | ¥200,000 | ¥85,000 | ¥70,000 | ¥58,000 | ¥43,000 | ¥30,000 | ¥14,500 |
駆動方式 | クォーツサーボ式 ダイレクトドライブ |
クォーツサーボ式 ダイレクトドライブ |
ベルトドライブ | ベルトドライブ | ベルトドライブ | ベルトドライブ | ベルトドライブ |
カートリッジ | 別売 | MM型カートリッジ付属 | MM型カートリッジ付属 | MM型カートリッジ付属 | MM型カートリッジ付属 | MM型カートリッジ付属 | MM型カートリッジ付属 |
フォノイコライザー | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
USB端子 | × | × | ○ | × | × | ○ | × |
オート/セミオート/マニュアル | マニュアル | マニュアル | ルセミオート (オートリフトアップ &ストップ機能) |
セミオート (オートリフトアップ &ストップ機能) |
フルオート | フルオート | フルオート |
駆動方式とフォノイコライザーの有無が重要なポイントになるのではないでしょうか。またレコードの音源をMP3などにデジタル化したいのであれば選択肢はDP-450USB、あるいはDP-200USBとなります。
レコードプレーヤーお勧めシステム
#1「スタイリッシュ!システム」
最後にデノンブログ編集部おすすめの、レコードプレーヤーのシステムをご提案します。
システム1は題して「スタイリッシュ!システム」。
レコードプレーヤーは最新のDP-450USBのホワイトモデルをセレクト。白のターンテーブルは美しくミニマルで、モダンな家具にもフィットします。またUSBメモリーへのダイレクトに録音できる機能を搭載しているので、アナログレコードのデジタル化もワンタッチ。MP3などにデジタル化した音楽データをスマホで楽しむこともOKです。
プリメインアンプはデノンHi-FiのプリメインアンプPMA-800NEをセレクト。レコード再生用のフォノ入力も装備しており、ハイグレードなサウンドでレコード再生が楽しめます。
DP-450USBはフォノイコライザーを内蔵していますが、このシステムではプリメインアンプPMA-800Nのフォノイコライザーを使うので、DP-450USBのフォノイコライザー(背面のEQUALIZERスイッチ)はオフに。ミニコンポなどフォノ端子を持っていないオーディオと接続する場合はオンにします。
スピーカーにはDALIのブックシェルフ・スピーカーOBERON1をセレクト。コンパクトながら高品位なサウンドを再生します。
ブックシェルフ・スピーカーOBERON1
というわけで、こんなオシャレで、かつ本格的なレコード再生用のシステムが組み上がりました。
レコードプレーヤーお勧めシステム
#2「ハイコストパフォーマンス!システム」
最後にご紹介するのは、「ハイコストパフォーマンス!システム」です。
黒とシルバーで統一されておりこちらもスタイリッシュなデザインですが、実は驚きのコストパフォーマンスを実現しています。
まずレコードプレーヤーにDP-29Fをセレクト。こちらの定価が税抜¥14,500です。
そして再生系には「価格を超えた高音質」で話題をとなっているミニコンポD-T1をセレクト。こちらが定価で税抜き¥35,800。
D-T1
DP-29はフォノイコライザーを内蔵していますので、フォノ端子がないD-T1にも接続可能。アナログ端子に入力します。
D-T1についてはこちらのエントリーをぜひごらんください。
このDP-29F+D-T1のシステムですが、なんと定価ベースで¥50,300!
これでレコードも、CDも、ラジオも、Bluetoothでスマホなどの音楽も聴けてしまうシステムが手に入ります!
しかもサウンドはデノンならではの高音質。すごいコストパフォーマンスです。
というわけでデノンのレコードプレーヤーのラインナップとオススメのシステムをご紹介しました。デノンはハイグレードなものから、気軽にレコードを聴き始めることができるモデルまで、さまざまなレコードプレーヤーをラインナップしています。初めての方も、久しぶりの方も、ぜひこの機会にレコードプレーヤーをご検討ください。
※本文中の価格はいずれも2019年3月末現在のものです。
(編集部I)