浜端ヨウヘイ インタビュー「カーテンコール」を、リアルウッドシリーズで聴き比べてもらいました
192cmの長身から力強く豊かな歌声を響かせる、シンガーソングライターの浜端ヨウヘイさん。デノンオフィシャルブログでは音楽をはじめたきっかけや、これからのことなどをインタビュー。さらにメジャー1stシングルであり、デノンの「良い音で聴いてみたいレコメンドナンバー」に選ばれた「カーテンコール」をデノンヘッドホン、リアルウッドシリーズで聴き比べていただきました。
浜端ヨウヘイ プロフィール
1984年1月27日生まれ。京都出身のシンガーソングライター。2013年、山崎まさよし全国ツアーのオープニングアクト抜擢がきっかけとなり、2014年にオフィスオーガスタ内のレーベルからデビュー。全国各地で精力的にライブを重ねていく中で出会った寺岡呼人[JUN SKY WALKER(S)]をプロデューサーに迎え、2019年1月、シングル『カーテンコール』で満を持してメジャーデビューを飾った。年間400食以上を食べ歩いたり自作するほどの無類のカレー好き。心から愛する音楽とカレーが出会い、2020年8月、コロナ禍にあって“何もないところからでも自分の手で「幸せ」を創り出すことができるんだ”という力強いメッセージを込めた新曲『世界にひとつの僕のカレー』を配信リリースした。2020年3月には親交の深いアコーディオン奏者・桑山哲也とのタッグでKis-My-Ft2に楽曲『種』を提供したことも話題になった。
浜端ヨウヘイ 公式ウェブサイト URL:https://www.office-augusta.com/yohei/
柔道を辞めた直後に見たライブで「ライブハウスっていいな」と思った
●最初に浜端さんの音楽活動についてうかがいます。音楽との出会いは、どんな感じだったのですか。
浜端:両親が音楽好きだったんです。母は長渕剛さんとか、さだまさしさんなどフォークが中心。父はビートルズや井上陽水さん。とにかく家では一日中音楽が鳴りっぱなしの環境でした。3歳からピアノを習い、10歳頃には父のギターを弾いてましたね。
●浜端さんご自身はどんな音楽が好きだったのですか。
浜端:親の影響で広く浅くという感じでしたが、自分でギターを弾き語りしたかったので、ミスターチルドレンやスピッツをよく聴いていました。あと、やっぱり山崎まさよしさんは本当に好きなアーティストとして追いかけていました。
●では、学生時代は音楽に没頭していたわけですか。
浜端:実は僕は学生時代、音楽ではなく柔道に打ち込んでました。でも音楽も続けてましたよ。中学、高校の時は、柔道の稽古から帰ると指にテーピングをグルグル巻きのままでピアノのレッスンを受けていました。大学時代はさらに柔道に打ち込んだので、音楽の比率が下がり、部屋でギターをちょっと弾く程度でしたね。
でも残念なことに柔道は怪我でやむなく引退することになってしまったんです。それで、ちょうど柔道を辞めた頃、大学の先輩がライブハウスに出るからってチケットを買わされたので見に行って、バリバリのロックバンドだったんですけど、それがめっちゃかっこよかったんですよ。その時「ああ、ライブハウスっていいなあ」と思ったのをよく覚えています。
●その後、どうして自分で音楽を始めることになったのですか。
浜端:大学を卒業後、1年だけ沖縄に住んでいたんですけど、そこで「ギターで曲を作りたい」という気持ちが芽生えました。その後、地元の京都に戻って、仕事をしながら少しずつライブをするようになり、24歳の頃から本格的に音楽の道に進みたいと思うようになりました。そのまま働きながら趣味で音楽を続けても良かったかもしれませんが、ツアーを自分で組んで、日本中のライブハウスを巡るということに憧れていたので、そんな気持ちのまま30代、40代になるっていうイメージが持てず、29歳の時に会社を辞め、プロになる決心をしました。
●その後デビューされたわけですよね。すごいですね。
浜端:最初は自分でブッキングした全国のライブハウスを回るという活動をしていました。そんな中、ある時、山崎まさよしさんのバンドでドラムをされている江川ゲンタさんとセッションする機会に恵まれました。その夜に江川さんから「ちょっと来いよ」と誘われて、打ち上げかと思ってついて行ったら、そこはなんと山崎まさよしさんのご自宅だったんです。それがきっかけになって山崎まさよしさんのツアーのオープニングアクトを務めさせていただくことになり、2014年にオフィスオーガスタからデビューシングル「結-yui-」をリリースしたのが、プロのシンガーソングライターとしての第一歩となりました。会社を辞めて、次の年末にはもう東京にいましたから、あっという間の出来事でした。
●今回、デノンの「良い音で聴いてみたいレコメンドナンバー」に選ばれた「カーテンコール」は、どんな曲なのですか。
浜端:「カーテンコール」は2019年にメジャー1stシングルとして発表した曲で、寺岡呼人さんに初めてプロデュースしていただいた作品です。寺岡呼人さんとは、ツアーでライブハウスを回っているとき、寺岡さんのライブにゲスト出演させていただいたのがきっかけで出会いました。その日の打ち上げで盛り上がって「一緒に曲を作ろう」という話になり、さっそく作ったのがこの「カーテンコール」です。もともとは次のライブに向けて作った曲でしたが、たまたまレーベルの方の耳に届いて気に入っていただき、この曲でメジャーデビューという運びになりました。
AH-D5200はモニター的、AH-D7200は音場が広い、AH-D9200はバンドの中にいる感じがする
●では浜端さんの「カーテンコール」をヘッドホン「リアルウッドシリーズ」でご試聴いただき、感想をうかがいたいと思います。
浜端:ヘッドホンの試聴、すごく楽しみにしてたんですよ。このコロナ禍でずっと家にいたんですけど、家で音楽制作の機材を揃えて、ずっとヘッドホンを使って曲作りをしていたので、いいヘッドホンには興味があります。今日はじっくり試聴させてください。
デノンのリアルウッドシリーズ「AH-D9200」(左)「AH-D7200」(中)「AH-D5200」(右)
●リアルウッドシリーズはいずれもハウジングに天然木の素材を使っていますが、素材がそれぞれ違います。それぞれの音の違いをぜひ味わっていただきたいと思います。まずAH-D5200から試聴をお願いします。これはハウジングにゼブラウッドという素材を使用しています。
ヘッドホンアンプとしてDA-310USBを使用
浜端:まずフィット感がいいですね。それと遮音性もすごすぎて、周りの音があんまり聞こえないです。
浜端:(試聴が終わって)なるほど、僕にはすごくプレーンなサウンドに聴こえました。最初、一番小さい音量で聴いて、一気に音量を上げてみたんですけど、音が崩れないし、耳に負担がないんです。一番小さくても全部の音が聴こえるし、大きな音にしてもどこかにピークが出るわけでもなく真っ直ぐでどこにも味付けがない、録音したありのままの音が聴ける感じがしました。
●モニター的という感じですか。
浜端:そうですね。レコーディングや音楽制作に使えそうです。
●続いて、アメリカンウォールナットがハウジング素材のAH-D7200を試聴していただきましょう。
浜端:(試聴が終わって)これはいいなあ。さっきのAH-D5200よりも空間感があって、広いステージで聴いているような感じがしますね。会場の空間がぐっと大きく広がって、楽器のレンジも広くなったように聴こえます。「カーテンコール」は、後半にストリングスが入るんですが、そのテクスチャーが、さっきは平面的に感じたのに対して、AH-D7200で聴くと、奥行き感が増した気がします。僕の勝手なイメージで、いいヘッドホンは低音が強いみたいに思っていましたが、逆ですね。上のキラッとしたところはしっかり聴こえて、低音も無理に出しているというよりは自然で、結果として広い感じ、空間が広がった感じがします。
●最後はAH-D9200です。こちらはハウジングに、高知県で加工した孟宗竹を使用しています。
浜端:高知ですか! 僕は高知大学に通っていましたし、「カーテンコール」が生まれるきっかけとなった寺岡呼人さんとの出会いも高知のライブハウスでしたから、なんだか不思議な縁を感じます。
●ではお願いします。
浜端:(試聴が終わって)うーん、凄いです。これは全然違いますね。はっきり違う! さっきの2モデルはステージの広さが変わったと形容しましたが、このヘッドホンはもう客席じゃないですね。横も後ろも音に囲まれて、バンドの中にいる感じです。楽器がさらに近くなったし、解像度も高い。ミスがすぐ分かっちゃうぐらい近いです。これはヤバイですね!
●リアルウッドシリーズの3モデルでは、どれが浜端さんのお好みですか。
浜端:僕の使い方ならAH-D5200かな。僕は家で制作するときも移動中でも一回聴き始めたらずっと聴いているので、着け心地が良くてフラットに聴けるヘッドホンが好みです。もし仕事でAH-D9200を使ったら、全部の音が聴こえすぎていつまでたってもレコーディングが終わらないかもしれないです(笑)。
●「カーテンコール」でヘッドホンを試聴する時の聴きどころを教えていただけますか。
浜端:「カーテンコール」のサビの部分には、曲の深さや厚みを表現するために、聴こえるか聴こえないか分からないぐらいのバランスでストリングスの6連符のフレーズが入っています。その音がヘッドホンでどう聴こえるか、ぜひチェックしてほしいですね。さっきAH-D9200で聴いたら、フレーズだけでなくレコーディングした時の息遣いや緊張感みたいなものまで蘇りました。どんな音源にも実際には聴こえないけど、ドキドキしながら楽器を弾いている心臓の音や、緊張しながらするブレスの音とか、いろいろなものがパッケージされていると思うので、そういった要素を見つける楽しみもあるんじゃないかなと思います。
「それ、浜端ヨウヘイならやるかもね」って
納得されるようなアーティストに
●直近ですと、今後どんな活動がありますか。
浜端:直近の活動としては「Augusta HAND × HAND」(オーガスタ ハンドバイハンド)という、オフィスオーガスタ所属のアーティストたちによるコラボレーションアルバムを12月16日にリリースします。どの曲にもいっぱいアイディアが隠されているので、ただ音楽を聴くだけじゃなくて、ヘッドホンでじっくりと丹念に聞いてみてほしいと思います。
あとは、自分で曲を書いて、演奏も録音も、ジャケットのイラストも動画作りも、1から10まで全部自分でやった「ROUGH SKETCH -HOMEMADE EDITION-」という作品を夏にYouTubeで公開したんですが、そういう実験や新しいことは今後も続けていきたいと思っています。
●最後に、将来こんなことやりたい、というようなことがあれば教えてください。
浜端:大きな夢としては、音楽という一点のみで世代やジャンルを越えて人を結びつける活動をしていきたいと思っています。たとえば寺岡呼人さんが、カーリングシトーンズというバンドで大御所ばかりのバンドをやられてますが(カーリングシトーンズのメンバーは寺岡呼人、奥田民生、斉藤和義、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本)そういう試みって僕はすごいと思っていて。先輩たちはそういう姿をたくさん見せてくれているので、僕もそういう新しい試みをしたいですし、しかも「なんであいつが」じゃなくて、「それ、浜端ヨウヘイだったらやるかもね」って納得してもらえるようなアーティストになりたいと思っています。
●今後のご活躍を期待してます! 本日はありがとうございました。
(編集部I)