松室政哉 インタビュー&お気に入りの映画をAVC-A110で視聴してもらいました
11月1日でメジャーデビュー3周年を迎えた、シンガーソングライターの松室政哉さん。3rd EP「ハジマリノ鐘」は、デノンの「良い音で聴いてみたいレコメンドナンバー」にも選ばれました。大の映画好きでもある松室さんに創立110周年記念モデルのAVアンプ、AVC-A110でお気に入りの映画を視聴していただきました。
松室政哉 プロフィール
1990年1月4日、大阪生まれ。
小学生の頃、カセットテープから流れたサザンオールスターズで身体中の細胞が騒ぎ、音楽に目覚める。それまで欲の無い子供だったが、初めて親に頼み込んでおもちゃのピアノを買ってもらい、独学で作曲を始める。高校生からシンガーソングライターとして活動を始め、10代限定の音楽フェス“閃光ライオット”のファイナリストに。以降、大阪で音楽活動を続け、22歳で上京。
現・所属事務所のオフィスオーガスタ“だけ”に送ったと言うデモテープで見出され、2017年11月1日に1st EP「毎秒、君に恋してる」でメジャーデビュー。
松室政哉 公式ウェブサイト URL:http://matsumuroseiya.com/index.html
キャンプの帰りに買ってもらったおもちゃのピアノで始めた曲作り
●松室さんはプロフィールを拝見するとサザンオールスターズに影響を受けたということですが、いつ頃から聴いていたのですか。
松室:親が好きだったので、子どもの頃から当たり前のようにサザンオールスターズを聴いていました。小学4年生のキャンプに行く時に乗っていた車の中で、いつものようにカセットテープでサザンオールスターズのプレイリストがかかっていた時に、多分キャンプに行くワクワク感が重なってすごい興奮したんでしょうね、サザンの曲を聴いて、鳥肌が立ったというか、細胞が騒いだっていうのははっきり覚えています。それで自分で曲を作ってみたいって思ったんです。キャンプの帰りにおもちゃのピアノを買ってもらいました。
●おもちゃのピアノを買ってもらったとのことですが、ピアノは習っていたんですか。
松室:まったく習ってないです。ギターでも良かったんですけど、ぱっと手軽に買えるのがおもちゃのピアノだった。自分で歌いたいとか楽器を弾きたいっていうよりは、曲を作りたいっていう気持ちが強かったんです。サザンオールスターズの曲はどうやら桑田佳祐さんが作ってるらしいと、じゃあ僕も曲作りをやってみたいなっていうのが始まりですね。最初はサザンオールスターズの曲を耳コピから始めて、ラジカセで録音しながらやってました。曲を作ってラジカセで録音して、再生しながらもう一台のラジカセで録音してダビングしていく方法です。
●ピンクフロイド方式ですね。
松室:それ、結構言われます。ピンクフロイドがやってたのは知らなかったんですけど、最初に歌を録音して、音を重ねていって出来上がった曲を聴くと最初に入れた歌がめちゃくちゃ遠くて(笑)。ダビングを重ねているので、最後のドラムの音がめっちゃ大きいみたいな。
●小学生でマルチトラックレコーディングをやっていたと。
松室:思いついた時、僕は天才だと思いましたね(笑)。ま、同じことをやってる人はいっぱいいたんですけどね。中学に入る前ぐらいにはパソコンのDTMソフトを使い始めてMIDIで打ち込みしてました。本当に夢中になってそればっかりやっていて、小学生の時は友だちが家に遊びに来て皆ゲームをしているんですけど、僕はその横で曲を作ってました。
●その頃は人前でパフォーマンスする、歌手なりたいっていう気持ちはなかったんですか。
松室:全然なかったですね。歌いたいっていうのもなかった。ただ音を入れる時に歌が必要だから自分で歌っていたという感じで。
●何がきっかけで人前でやる事になったんですか。
松室:中学3年生の時にバンドをやってたんですよ。中学にいた先生が「餃子大王」っていう、学校の先生をやりながら音楽をやってることで話題になっていた人で、森先生っていうんですけど。うちの中学に転勤してきた森先生が、僕が曲を作って遊んでいることを知って、明日から軽音楽部を作るからメンバー4人集めて来いって言ってきたんです。そこからバンド活動をスタートして、はじめて人前でやりました。コンテストがあってその年に出てみたんですが、ポンポンと進んで決勝大会で渋谷公会堂まで行ったんですよ。それが中学3年生の時でした。それまでは人前で歌いたいとか思っていなかったんですが、その頃から自分には音楽っていう道があるんかなーって思い始めましたね。
●その時のバンド名はなんだったんですか。
松室:「インディゴ29」というバンドですね。高校へ進学した後はメンバーが皆バラバラになったんで活動休止になって、そこから一人でやってます。
●松室さんのブレイクポイントはいつだったのでしょうか。
松室:やっぱり今の事務所(オフィスオーガスタ)へ入ってからじゃないでしょうか。大阪で一人で音楽活動をしていたんですが、うまくいってる感じがなかったので、もう東京へ行こうって。何かが決まって東京に行くわけじゃなくて、行ってからどうにかしようみたいな感じだったんです。そして上京してから、曲を作って、事務所にデモテープを送りました。オーガスタはやっぱりシンガーソングライターとか、音楽をやっている人ばかり所属しているイメージがあったので、そこでやらせてもらえたらいいなと思って、オーガスタだけにデモテープを送ったんです。上京したのが2012年で、その年の終わりにはオフィスオーガスタに所属することになりました。
●今回の視聴曲「ハジマリノ鐘」を聴かせてもらいました。すごく綺麗な曲だなと思ったんですけれども、どの辺が聴きどころでしょうか。
松室:まさに今話したことに通じるんですが、この曲はもともとオーガスタに送ったデモテープに入れていた曲なんですよ。だから僕の中ではこの曲が原点というか。もちろんみなさんに聴いていただいているのはオーガスタに入ってからアレンジして録音したバージョンですが、レコーディングしたのも5年前ですし、錚々たるミュージシャンの方に参加いただいたので感慨深いですね。
●ベースがすごく派手に動いていてカッコイイです。
松室:そうなんですよ。ドラムがどっしりビートを支えている上で、ベースがガンガン動いているのが面白いですよね。
●ギターもかっこいいです。
松室:かっこいいですよね。結構隙間がある曲なんですよ。歌以外の隙間があって、パーカッションやピアノなどいろんな楽器がいろんなことをやってるので、聴きどころが沢山あります。
●ヘッドホンでの聴き所が多い曲だなと思いました。
松室:後半のベースなんて一小節ごとにめちゃめちゃ動いてるんです。普通のオーディオでは少し聴こえにくい部分ですが、デノンのヘッドホンで聴けば鮮明に聴こえると思います。ぜひヘッドホンでじっくり聴いてほしいです。
アーティスト名:松室政哉
アルバム・タイトル:「ハジマリノ鐘」
全5曲収録 ¥3,300-(税抜)
[通常盤]
CD+DVD:UMCA-10073
2020.3.11発売
学生時代に観た映画は年間300本以上!大の映画好きな松室さんがAVC-A110で映画を観た感想は…
●今回はデノンの新しいAVアンプのフラッグシップモデル、AVC-A110で映画を視聴いただくわけですが、松室さんは映画やホームシアターについて何か思い入れはありますか。
松室:僕は実は映画が大好きで大学生の時には年間300本以上の映画を観てました。ほとんど毎日です。今でも時間があれば映画を観に行きますね。
●それはすごいですね。そんなに映画が好きな理由は何ですか。
松室:それも音楽と一緒で、いつか映画を作りたいと思ったんですよ。基本的に僕は飽き性で、ものごとが続かない人間なんですが、熱中するものは自分もやってみたいとか、作ってみたいと思うんです。実際にできるできないっていうことは別にして。
●今日視聴いただく映画2本は松室さんからのリクエストいただいた作品です。まず1本目の「1917 命をかけた伝令」について教えてください。
松室:実際に映画館で観た映画です。「1917 命をかけた伝令」(原題「1917」)は戦争映画なんですけど、全編ワンカット風で撮影してるんですよ。戦争映画はたくさんあるんですけど、この映画には特に壮大なストーリーはなく、後方戦線にいる兵士が最前線に作戦中止の命令を伝えに行くだけなんです。その伝令の兵士が戦場をかけて行くところをワンカット風に描いています。戦争の怖さを表現する映画は世の中にいっぱいありますが、そこを語らずに実際に観客を戦場に引き込むことで戦争のリアルな怖さを教えるっていう、今っぽい戦争の映画なんです。良い音響で視聴できるなら、余計に入り込めるかなって思いました。
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サム・メンデス監督
松室:(視聴を終えて)ついつい普通に入り込んじゃってました(笑)。すごいですね、下から響いてくる感じとか爆破音とか振動で伝わってくるみたいな、音響って映画の絵心の一つですからね。いやー、ここはもう映画館ですね。一番いい席だし、映画館よりいいかもしれない。
●音声フォーマットはDolby Atmosです。この視聴室のスピーカーセッティングはフロントLR、バックLR、天井にトップミドルLR、そしてサブウーハーという4.2.1チャンネルとなっています。
松室:なるほど。爆発でパンと舞い上がった砂が僕の後ろで落ちましたもんね。そういった音響の効果を、映画を作る人たちは考えて作ってるんで、映画制作者が狙った音響効果を忠実に再現できるのが本当に素晴らしいです。しかも自宅で!
●2本目は「トロン:レガシー」(原題「Tron: Legacy」)ですね。コントラストとして、人工的な音をどれぐらい再現するかという点で選ばれたんでしょうか。
松室:そうですね。エレクトロなものはどうかなって。これも実際に映画館で観ましたが、非常にいい音で映画館で観てよかったなという作品なんですよ。なんとダフト・パンクが音楽を担当しています。
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ジョセフ・コシンスキー監督
松室:(視聴を終えて)このシーン(バイクのレースシーン)、意外と繊細なんです。ガシャガシャっと大雑把に見えるシーンなんですけど、バイクのハンドルがバーンって落ちた時の繊細な音もちゃんと聞こえて、それがマジで映画館なんですよ。大きな音だけがただただ聞こえるっていうだけじゃなくて、息遣いのかすかな音や部品がちょっと外れた音みたいな、細かい音がちゃんと聞こえてくるのがすごいです。家の普通のテレビのスピーカーだったら絶対に聞こえないと思う。これだけ小さい音が聞こえるのは本当にすごい。素晴らしいですね。IMAXの 映画館ではジェット機のエンジン音と、レコード針が落ちる小さな音までいっていう音域の広さをアピールしているんですが、それがちゃんと再現できていますよね。
●選ばれた2本を視聴してみていかがでしたか。
松室:今回は厳しいチョイスというか、実際に僕が映画館で観て音が大事だなと思った作品を選ばせてもらったんです。こういう映画って家で観るのは結構ハードルが高いんですよ。
結果、とても素晴らしかったですね。家にレコーディングスタジオを作るよりも先にホームシアターを作りたくなっちゃいますね。きっと部屋から出てこなくなりますけど(笑)
●そんなにお好きなんですね(笑)。それでは最後に、直近の予定や今後やりたいことなど教えていただけますか。
松室:近い予定としては12月に「Augusta HAND × HAND」という、オフィスオーガスタ所属のアーティストたちによるコラボCDの発売と、それと連動した「Augusta HAND × HAND Online」という配信番組があります。この企画では山崎まさよしさんとも曲を作らせてもらっています。山崎まさよしさんは普通に学生の時に聴いてた人ですから、その人と一緒に曲を作るっていうのはすごく緊張感があったし、いいものができました。このコロナ禍というタイミングですので、お家で楽しんでいただけるといいなと考えながら作りました。リアルでのライブはなかなか予定を入れられないので、配信も含め、来年も色々やろうと考えています。
●今後のご活躍を期待してます! 本日はありがとうございました。
(編集部S)