超初心者のための「フォノイコライザーって何?」
近年アナログレコードの人気が高まっています。レコードプレーヤーを買ってお手持ちのミニコンポやアンプにつなぎたいという方も多いのではないでしょうか。今回はレコードを再生する時に必要となるフォノイコライザーについてご紹介します。
近年ますますアナログレコードの人気が高まっており、デノンからも新しいレコードプレーヤーDP-400、DP-450USBが8月中旬に発売されます。
レコードプレーヤーを買ってミニコンポやアンプにつなぎたいという方も多いのではないでしょうか。そこで今回の超初心者シリーズではレコードを再生する時に必要となるフォノイコライザーについてご紹介します。
たまに、レコードプレーヤーと家にあるアンプをつないでみたけれど、音が鳴らない、音がすごく小さくて聴こえないという声を耳にすることがあります。
それはレコードを再生するときに必要なフォノイコライザーという機能を忘れているかもしれません。
●フォノイコライザーはレコード再生に必須な機能
「フォノイコライザー」という言葉をご存じない方も多いかもしれませんが、レコードを再生する際、正確な音で再生するために必要な機能です。
プレーヤーかアンプのどちらかに搭載されていればよい機能なのですが、詳しい働きは後ほどご説明するとします。
たとえばCDを再生したい場合は、ケーブルでCDプレーヤーの出力端子とアンプの入力端子を接続すればOKです。
しかし、レコードを再生したい場合、レコードプレーヤーが必要なのは言うまでもないですが、プレーヤーとアンプを接続する際に、アンプの「PHONO IN」という入力端子に接続しないと音が出ません。
通常、Hi-Fiオーディオ用のアンプにはフォノイコライザーが搭載されているので、PHONO IN端子に接続すればOKです。
その一方で、最近のミニコンポや小型のアンプにはフォノイコライザーはほとんど装備されていないと思った方がいいでしょう。
でも大丈夫。レコードプレーヤー側にフォノイコライザーが内蔵されている機種もあります。
レコードプレーヤーにフォノイコライザーが内蔵されていればPHONO IN端子のないミニコンポなどでも接続することができます。
さらに、ここでは詳しくご説明はしませんが、世の中にはフォノイコライザーアンプという専用の機器もありますので、そういったものを買い足しても良いでしょう。
さて、レコードを再生するときに必須なフォノイコライザーですが、なぜ必要なのでしょうか?
アナログレコードは盤面に掘られた溝に音を記録しています。低い音や大きい音は振幅が大きいため針の動きが大きくなり、 そのまま記録したのではレコード針が溝から飛び出してしまいます。
また振幅が大きいので音溝の間隔も大きくとる必要があり、 その結果として盤面に収録できる時間が短くなってしまいます。
これらを避けるために低音は音量を下げて記録されます。
一方で高い音は振幅が小さいため、盤面のノイズと混じってしまいやすいのです。それを防ぐために高音は大きめに記録されています。
そのように記録された音を元に戻すのがフォノイコライザーの役割なのです。
さて、ここからはフォノイコライザーの主な二つのはたらきについて詳しく説明していきましょう。
フォノイコライザーの働き1 「出力レベルを上げる」
フォノイコライザーの一つ目の働きは、出力レベルを上げることです。
CDプレーヤーなどのオーディオ機器からの出力信号が2V程度であるのに対し、レコードプレーヤーからの出力はわずか0.1〜5mVと非常に小さい信号です。そのため信号を十分な出力レベルまで増幅しなくてはなりません。
フォノイコライザーの働き2
「レコードに記録された音を本来の音に復元する」
フォノイコライザーのもう一つの大切な働きは、レコードに記録された音を本来の音に復元することです。その際のキーワードになるのが、「RIAAカーブ」です。
RIAAカーブとは何か?――レコードへの録音(レコードに音溝を刻むこと)は、先ほどご説明したとおり、低音を刻むときは溝が大きすぎ、高音を刻むときには小さすぎるため、カッティング(溝を刻む)時に低音は小さく、高音は大きく記録しておきます。
この「低音は小さく、高音は大きく記録する」という記録方法は 世界共通規格である「RIAAカーブ」というカーブにのっとっています。
ちなみにRIAAとはアメリカレコード協会(Recording Industry Association of America)の略称です。
レコードを再生する際、記録されたやり方と逆のこと、つまり低音を大きく、高音を小さくすることで、本来の音に復元します。その役割を果たしているのがフォノイコライザーです。
このフォノイコライザーによる本来の音への復元を、分かりやすく図で説明してみましょう。
- 1.レコード盤からはRIAAカーブがかけられた音が再生されます。
2.それに対してフォノイコライザーは逆RIAAカーブをかけます。
3.RIAAカーブが相殺されてレコードに刻まれる前の音を復元します。
これからレコードプレーヤーの購入を検討中の方は、ぜひお手持ちの再生機器に入っているか(PHONO IN端子があるか)をご確認ください。
もしフォノイコライザーがない機器でしたら、フォノイコライザー内蔵型のレコードプレーヤーがお勧めです。
なお、フォノイコライザーはMCやMMなど、カートリッジの種類によって対応しているかどうかもあるので、購入を検討しているレコードプレーヤーや、お手持ちのオーディオの仕様をフォノイコライザーの仕様をご確認ください。
8月中旬に発売予定のデノンのレコードプレーヤーDP-400、DP-450USBは本体にMMカートリッジ対応フォノイコライザーを搭載しています。
お手持ちのフォノイコライザー非搭載のミニコンポやアンプとも接続可能です。
レコードプレーヤー
DP-400
58,000円(税抜価格)
2018年8月中旬発売予定
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レコードプレーヤー
DP-450USB
70,000円(税抜価格)
2018年8月中旬発売予定
製品の詳細を見る
デノンのレコードプレーヤー一覧はこちら
(編集部I)