飯田有抄のオトナ女子のオーディオ入門「Hi-FiオーディオでCDを聴いてみた」
デノンブログでお馴染みのクラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんは、大のオーディオ好き。しかしオーディオについていっしょに盛り上がれる女子が少ない……。そこでデノンオフィシャルブログと飯田さんとで女性向けオーディオ体験会を開催しました。題して「オトナ女子のオーディオ入門」。第3回はいよいよオーディオ機器をセットしてCDを聴いてみました。
第1回飯田有抄のオトナ女子のオーディオ入門「オーディオ、はじまりの、はじまり」はこちらから
第2回飯田有抄のオトナ女子のオーディオ入門「オーディオの基礎中の基礎を習ってみた」はこちらから
いざ、機器の取り扱いと試聴タイム!
いよいよ、オーディオシステムを使った試聴タイムです。今回は、あえてセッティングされた機材をお膳立てすることなく、みなさんにご自分でケーブル接続などをするところからスタートしてもらいました。
そこからやってもらったのには理由があります。これは私自身の体験なのですが、慣れない配線にわりと苦労したあと、実際にスピーカーから音が鳴ったとき、ものすご~く感動を覚えたからなのです。とくに、それまでアンプ内蔵のアクティブ・スピーカーしか使ったことがなかった私は、電源に接続していないパッシブ・スピーカー(しかもキットで作成した自分の手作り)から、アンプを通じて音が出たときに、何か神秘すら感じてとても感動したのです。思えばあの瞬間があったからこそ、オーディオにハマってしまったのかもしれない……。
飯田有抄さんのYouTubeチャンネルの「キットで工作したスピーカーを聴き比べ」
というわけで、今回は5名の皆さんに、CD再生2名、レコード再生2名、そしてストリーミング再生1名に分かれてもらい、接続から再生までを自力でがんばってもらいました!
使用した機材はこちら。
入門者にも導入しやすく、本格的なサウンドを楽しめるものばかりです。
●プレーヤー
●プリメインアンプ
●スピーカー
Hi-FiシステムでCDを聴いてみる
CDの再生に挑戦したのは、熊田さんと菅原さんです。
まずは、ケーブルには2種類(プレーヤーとアンプをつなぐラインケーブル、アンプとスピーカーをつなぐスピーカーケーブル)があることを改めて確認。
ラインケーブルは、プレーヤーの「OUT」からアンプの「IN」へ、ケーブルの赤(Right)と白(Left)の色を合わせてつなげばOK。やや高級なケーブルになると、ケーブル自体に赤や白の色が付いていなかったりするので動揺しますが、左右をしっかり確認しながらつなげば問題なし。
スピーカーケーブルは、アンプの左のプラス(赤)とマイナス(白や黒)、右のプラス・マイナスそれぞれの端子から、左右のスピーカーのプラス・マイナスへとつなぐだけです。簡単です。
…とはいえ、最初はなぜか、ちょっと混乱したりするんですよね。とくに今回使用したアンプPMA-900HNEは、2台のスピーカーを同時接続できるタイプなので、出力端子もずらりと8つ並んでいると、ちょっと「あわわ…」となりました。ケーブルにも、よくみると矢印が書いてあったりします。「これは何のマークですか?」など、積極的に質問しながら、なんとか接続完了です。
スイッチオン!のその前に、まずは突然爆音がでないように(スピーカーを痛める原因になります)、プリメインアンプのボリュームを下げておきます。次に、音の上流(音の信号が最初に送り出されるところ、つまりプレーヤー)から順にスイッチを入れるのがキホンです。
スイッチオン!……あれ?音が出ない…なんで?なんで?となる熊田さんと菅原さん。焦らなくても大丈夫です。これ、けっこうあるあるですよね。どこかの接続が間違っていたり、ケーブルの挿し込みが甘かったり、アンプの設定が違っていたり。今回もゆっくり原因を探ります。どうやら、プリメインアンプのセレクターがCDに合っていなかったみたい。合わせます。それでもまだ音が出ない?!もう一つの原因は、2台接続仕様のスピーカーのセレクターも合っていなかったようです。アンプの設定が済み、いざ、落ち着いて試聴です。
まずは熊田さんお手持ちの、J.S.バッハの『ゴルトベルク変奏曲』のCDをDALI OBERON1のスピーカーで再生。OBERON1のデザインに、みなさん「かわいい!!」と大コーフン。スピーカーとの位置が正三角形になるように、ベストポジションに座ってもらいます。
「ちょっと音が変かも…」と気づいたのはデノンの田中さん。慎重にやったつもりでも、なぜか起こるんですよね、こういうこと。
「ちょっと変かな?と思ったらヴォーカルの音源を聴くとわかりやすいです。声が本来ド真ん中にくるはずですが、変に音が広がっていたり、斜めから聞こえてくるような感じがしたりするので、確認することができます」とのこと。
ここで、正しいつなぎ方と、間違えたつなぎ方、聞き比べをしてみました。正しい方が、音楽の立体感がぐ~んと出ました。
どこで接続を間違えたのか探したところ、どうやら、片方のスピーカーのプラス・マイナスの接続が逆になっていたみたい。正しく繋いでもう一度。
「あ~ちがいますね~」と熊田さん。
今度は菅原さんがお持ちのミュージカル《メリー・ポピンズ》より『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス〉を再生。
じっくり楽しんでおります。
せっかくなのでスピーカーをチェンジ。Bowers & Wilkins 607 S2 AEでも試聴しました。2種類を聴き比べた感想は?
「DALIはキラキラした音が感じられて、Bowers & Wilkinsは低めの音がしっかり聞こえました」。見た目はDALIが好きです。音はBowers & Wilkinsの方が好みかな。どちらもホールで聴いているような感じがしました」(菅原さん)
菅原英子さん
「Bowers & Wilkinsの方が温かみのある音に感じて、好きですね」(熊田さん)
熊田かおりさん
違いを感じられたお二人、さすがです。やはり購入する前に、こうした聴き比べはとても大事ですね。デザインも大切ですし、ご自宅の環境、音の好みに見合ったものをえらびたいものです。
(第3回おわり)
飯田有抄 プロフィール
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Macquarie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。音楽専門雑誌、書籍、CD、コンサートプログラム、ウェブマガジンなどの執筆・翻訳のほか、音楽イベントでの司会、演奏、プレトーク、セミナー講師の仕事に従事。NHKのTV番組「ららら♪クラシック」やNHK-FM「あなたの知らない作曲家たち」に出演。書籍に「ブルクミュラー25の不思議〜なぜこんなにも愛されるのか」(共著、音楽之友社)、「ようこそ!トイピアノの世界へ〜世界のトイピアノ入門ガイドブック」(カワイ出版)等がある。公益財団法人福田靖子賞基金理事。